ウサギのバイク 流れる涙も 凍てついた胸も ⑦
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2010-05-12 (Wed)
静雄×臨也前提 モブ×臨也 ※18禁注意

続き 嫌なこと全部忘れられそう

* * *

「そろそろ皆で精液をぶっかけてあげましょうかね?その真っ黒なコートごと、綺麗にデコレーションしてあげますよ」

「く…うぅ……!」

リーダの男がそう呼び掛けると、俺の周囲で自分のペニスをしごいていた者達が密集してきて先っぽがこっちに向けられた。
十本近くのモノだけが体の周りに浮いていて、それに糾弾されているような気分だった。奇妙というよりは異常な光景だったが、それよりも異常なのは俺だった。
いつのまにか熱に浮かされたような瞳で、取り囲むモノから目が離せなくなっていたのだ。瞼を閉じれば一時でも逃げられるというのに、それができなかった。
黙々と手淫を繰り返していたせいで、先走りの露がそれぞれの先端からあふれていて淫らな音をぐちゃぐちゃと響かせている。

「はぁ…ふぅ……うぅ…っ」

股間はいつ果ててもおかしくないぐらいに硬く、痛みさえ訴えてきていて信じられなかった。信じたくなどない。


「随分と一人で雰囲気を出してるじゃないですか。これはかなり素質がありそうですね。……おい、かけろ」


「……ッ!」

前ぶれも無く話の途中で合図があり、反応できないうちに男達の劣情が体中にぶちまけられた。
それなりに勢いも量もある粘液が暴れながら、狙いすましたかのようにコートから覗く肌の上に降り注がれた。

「ふぁっ…あ、つぅ……」

薄目を開けながら他人事のように眺めていたが、顔、胸、太股などあらゆる場所に叩きつけられていく度に、その箇所が痺れるように熱く火照っていった。
あぁもうダメかもしれないと諦めかけたところで、急に下半身がビクッと跳ね後ろに入れられているバイブの振動がリアルに感じられた。

「う…んぅ、や……あ、あぁッ!?」

ぞくぞくとした期待を含んだ疼きが背中をかけあがっていくと同時に、限界ギリギリだったペニスから白濁液が飛び散り腹の上を汚しながら男達のものと混ざっていった。
それはまるでこれからの俺のことを現しているようだった。価値のない男共と交わり、蕩けて、やがて一つになっていく様をはっきりと予見させられた。

「…あ…んあっ…」
「折原さん精液シャワーを浴びてイッちゃったんですか?はしたないですね」

目の前から覗き込まれながら告げられて、恥ずかしさのあまりに顔を背けたがその先にあったモノからタイミング良く灼熱の欲情がかけられた。

「ぷ、あっ…か、はっ…っうぅ…」

半開きだった唇にドバッと注ぎ込まれて、びっくりしておもわず少量飲んでしまって喉の奥に苦い味が広かった。
まだ出続けているペニスから逃れようと反対側を向けば、またそこでも汁が飛んできてまるで水責めを受けているようだとぼんやりとした頭で思った。

「まだ突っこまれてもいないのに精液に溺れてドロドロで汚いですね。でも情報屋さんにはお似合いじゃないですか?こういうのは」
「はっ…は、くぅ…ッ!」

男の言葉に悔しさを覚えながら、呼吸をするので精一杯だった。しばらくそのまま熱い迸りを受けて、勢いがおさまった頃には全身が熱くて疼いてたまらなくなっていた。
誰一人俺にはふれていないというのに、撫で回されてぐちゃぐちゃにされたかのような気持ち悪い錯覚をおぼえていた。あの薬には幻覚作用までもあるのだろうかと思うほどだった。

「熱っ……あ、つい……」

「本格的にさっきの注射が効いてきたみたいですね。息を吹きかけられただけでイくような体にすぐなれますよ」

気がつけばうわごとのように呟いていた。思考能力が急激に低下して、どろどろになった体中が精液を吸って重くなっているようだった。
もう指先を動かすのも億劫で、半開きの唇に向かって残液を誰かからかけられたが避けることなくそのまま飲み込んでしまう。二度目はあまり苦さを感じなくなっていた。

「バイブにもう慣れてきちゃったんですか?ほらもっと腰を振ってください。気持ちいいですよ」
「ん、はぁっ!…は、あ…あぁ…」

淫具を咥えこんでいる根元を、ぐいぐいと下から手を使って押しあげてきたのでギチギチに詰まったそれが深くまで振動を伝えてきた。
意識しないようにと必死に抑えこんでいたものを、強制的に引き出されて一瞬で目の前が真っ白に歪んだ。急に沸いてきた快楽の波に、下半身と胸がズキズキと痛んだはずなのにそれが変わった。

「え…?あぁ…あ…っ、やああぁん、うぅッ!!」

痛気持ちいいという感覚が、ものすごい勢いでただ気持ちいいだけの感覚に変化したのだ。息を吹きかけられただけでイくという話もあながち嘘ではないかと思えるほど、最悪な変化だった。

(そんな、だって…こんなの、ムリ…っ、狂ってる…こわれて、く…)

三度目の射精はもうほとんど出るものはなかったが、それまでで一番全身が麻痺し頭を左右に振り乱しながら大声で叫び散らした。

「あ、ははっ…あ、あーっ…すご、っ……」

弾んだ息を整えもせずに、自然と本音の呟きが漏れてしまった。なんで自分が笑っているのかさえわからなかったが、笑わずにはいられなかった。
確実に幻覚作用と気分を高揚させる作用が混じっている、と分析しながらどうにもできずにいた。

「楽しくなってきたでしょ?情報屋さん」
「た、しかに…たのしい、よ…嫌なこと全部忘れられそうなぐらいに…ね」

ニヤニヤと嫌味で気味の悪い笑みを顔に張り付かせてる男に対して、誰にでも向ける営業スマイルで返したがよくそんな余裕があるなと、自分で褒めたくなるぐらいだった。
しかし本当は完全に忘れてしまっていたのだ。どうしてこうなったか、という大事な部分を。


「平和島静雄に振られたことも、忘れられそうですか?」


挑発するような鋭い眼光を向けられて、そこで目を瞬かせた。


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