2014-09-01 (Mon)
*リクエスト企画 紫夜 様
静雄×臨也 ※モブ×臨也注意
臨也が静雄を好きなことを知ったモブに脅迫されて体を好きにされる話。
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男は念入りに催眠装置での調教を施した。元々時間感覚は狂ってはいたが、強制的に淫らな自身の声を聞かされ続けて何日経ったか不明だ。
時折注射器でクスリらしきものを打たれて、ただでさえ朦朧としていた意識はますます霞んでいく。当然のように快楽に敏感になって、ギャグボールと呼ばれる口枷からはくぐもった声があがる。
自力では動けない体勢なのに、いつしか腰を振り心地よさに浸って俺は溺れ続けた。ひっきりなしに鼓膜を犯す、自身にそっくりな喘ぎ声の言葉は嫌と思うほど聞かされしっかり胸に刻まれている。
そして、習慣化されたピリリとした痛みを肌に感じた直後、この平穏に終わりが告げられる。前触れもなく目隠しとヘッドフォンが外されたのだ。
「ふっ、うッ!?」
「随分と久しぶりだな。俺のこと、まだ覚えてるか?」
下品にゲラゲラと笑う男は、首輪の鎖を掴んで手のひらで弄んでいる。定期的に打たれて常習化しているからか、クスリの利きは早く、もう全身が震え始めていた。
眩しい光に、すぐには目を開けることはできず顔を顰める。そして徐々に目が慣れてきて、相手の姿が目に入った時、俺は覚悟した。
今日からすべてが変わる。耳鳴りのように頭の中に喘ぎ声が響いていて、逃れられないことを知ったのだ。
「一応栄養剤も打っておいたんだが、ずっと虐げられるのは苦しかっただろう。今から口枷を外すが、して欲しいことがあったら教えてくれ。なんでもしてやるから」
「んむっ、ぐ…ぅ、ぷ、ぁっ!」
やけに丁寧な口調で男は言ってきて、その優しさが染み渡るようだった。頭では、この男に騙されて酷い目に遭わされたことを理解しているのだが、一方で俺を助けられるのもこの男なのだ。
口内に長いこと入れられていた丸いボールが出ていき、酸素が一気に入ってくる。口を塞がれていないことが違和感なほど口枷が馴染んでいたようだが、必死に喉奥から声を絞り出す。
「みず…ほ、しい」
「水か?そうだなぁ、この部屋にはないな。でも精液なら、すぐ飲ませてやれるぜ」
「…っ」
顔を歪ませて一瞬だけ躊躇した。人としての理性が僅かに残っていたからだ。
その時、キンと頭の中にはっきりとした声が響く。幻聴なのは間違いなかったのだが、確かに自身の声を聞いたのだ。
『っ、ざーめん、おいひッ、ぅ…ンぐ、ぅ、く…んちゅ、いっぱい、のませ、れぇ』
俺は一度も望んでその言葉を口にした覚えはない。でも繰り返し脳内に叩き込まれて、唇が勝手に震える。
「いい…ざーめんで、いいから、すぐのませ、て…っ」
「飲ませて下さい、だろう?お前を飼ってる主人に、なんて言い草だ」
「ぁ…ご、ごめんな、さい」
頬を控えめに染めながら勇気を出して告げたのだが、全く違うことで怒鳴られてしまう。反射的に肩がビクンと跳ねて、謝罪の言葉を述べる。
なにかがおかしいと思うのだが、この男は俺の主人なのだから無条件で従わなければいけない、と言い聞かせた。麻痺した心が、間違ったことを俺に受け入れさせた瞬間だった。
「ざーめん、のませ、て…くだ、さい」
「ククッ、いい顔になったじゃねぇか。ちゃんと躾けた甲斐があったぜ」
満足そうに笑いながら、すぐさま男はズボンを下ろして性器を取り出す。ベッドの上に相変わらず仰向けにされ、全身に淫らな玩具をつけられたままだったが、顔の前に差し出される。
すると独特の匂いを感じて、躊躇った。呆然と凝視したまま、ごくりと喉を鳴らす。
「ほら、あんたの大好きなおちんぽだぜ」
「…ぅ、ぁ」
「知ってるだろう。これ飲んだら美味しくて、毎日ちんぽしゃぶってねぇと狂っちまうぐらい嵌るんだ。欲しいよな?」
男は追い立てるように、早くしろと急かすように性器を唇に押し付ける。だが強引に口内にねじ込むことはなく、目の前に好物の餌を差し出された犬のように、本能的欲求に支配された。
クスリによって性感は増幅されていたし、俺の常識は改変されていたのだ。結局主人に従う奴隷のように、口を大きく空けて自ら受け入れる。
「ッ、んっ、うぅ!?ん、ちゅ、ぁ、あ…な、に…なんで、ぇ…ふぁ、おい、しい?」
「言った通りだろう。あの洗脳装置は言葉だけじゃない。体験者の知らないうちに、微弱な電流を流して脳に刺激を与えて嗅覚も味覚も変えるらしいぜ。辛気臭すぎて信じちゃいなかったが、本当みたいだな」
「そんな、ッ…ちゅう、んぐ、ふぁ…甘くて、これ生き返る。おちんぽ、すき…ふぅ、ンっ」
「すっかりちんぽ中毒者だな。面白ぇ」
舌の上に性器が擦りつけられた途端、全身を電流が走ったかのような甘い痺れを感じる。淫具の刺激ではない。
男の赤黒い肉棒が、極上の食べ物かのように美味しくて、先走りの汁を喉奥で飲み込むと飢え続けていたものが潤った気がした。頭に靄がかかり、唇で吸い付きしっかりと味わいながら性器にむしゃぼりつく。
強要されたわけでもないのに、醜い異物を欲しているのを示すかのように、好きと言葉にする。両手が自由であれば、もっと堪能できるのにと本気で思った。
「俺のザーメンごくごく飲み干したいよなぁ?ねだってみろよ」
「ぢゅ、ぅ、ぐ…ンっ、く…俺にざーめんください、濃いの飲ませてくら、さ、ぃ…んぁ、は」
「そうか。そうだよな。淫乱奴隷の折原臨也は、平和島静雄じゃなくてご主人様の俺が好きだから、ザーメン飲みたいんだよな?」
「え、っ?」
一気に捲し立てられた言葉を、俺は必死に反芻する。折原臨也は平和島静雄ではなく、ご主人様が好きだ、と。
そんなわけがない。シズちゃんだから好意を感じたのであって、男が好きなわけではなく、普通の成人男性だ。
いくら洗脳装置で感情を植え付けられたとしても、屈しないという自信があった。そう簡単に変えられるほど、軽い気持ちではないのだ。
わざとらしく口元を歪める。そして男に向かって嘘をついた。
「はい、俺は…っ、ご主人様が好きだから、ザーメンが飲みたい、です」
「だよな。じゃあ舌で奉仕して、イかせてくれよ」
「わかりまし、た…ンむっ、う、く…ンぅ、はぁ、んっ」
改めて唇で奥に誘導して含むと、じんわりと涎が次々と隙間から垂れていく。それだけ欲しているということだろう。
味覚は完全に壊れていた。感度もあげられているのだから、全身至るところが壊れていると思う。
でもシズちゃんへの気持ちだけは、揺らがなかった。失ってしまえば、俺は完全に折原臨也でなくなるとわかっていたからかもしれない。
「ちゅ、ぅ、ん…ご主人様の、おちんぽ、おっきぃ…ぅ、く」
「これしか舐めたことない癖に、大きいってわかるのか。まぁお前のよりはでかいけどな」
「ンっ、うぐぅううッ!?ふぁ、あぅ…震え、てッ、ぁ、やだぁ…しゃぶれ、ない」
口を窄ませて、精液を搾り取るように吸い付く。頭を上下に動かす度に、じゅぷじゅぷと先走りと涎交じりの下品な水音がした。
機嫌を良くしたらしい男が、微弱な振動だけを与えていた玩具すべてのスイッチを入れる。乳首の先と自身には小さなローターがガムテープでしっかり固定され、尿道には細い銀色の棒が、後孔には極太のバイブが刺さっていた。
一斉にすべての玩具が極限まで震えはじめると、ビクビク跳ねてしまい性器を咥えるのが難しい。何度もドライを覚えさせられた淫らな体が、当たり前の反射のように絶頂へと誘う。
「ぁ、ンぁ、あひぁ…やらぁ、きもひぃ、い、ドライする…っ、おれ、イっちゃ、う」
「まったくだらしねぇ奴隷だな。イくなら俺が出してからにしろ」
「ふっ、うぅ、ぐっ、ンぅうッ!んっ、ぅ…ふぅ、んく、ちゅう」
強すぎる愉悦に浸り、フェラチオを忘れてしまった俺の頭を男が掴んで固定すると、ガンガン喉奥に性器を出し入れした。ごりごりと内を擦られ、やがてその刺激すら媚薬のせいで心地よくなる。
主人の言いつけを守らなければいけない、という歪んだ感情のままにドライするのをぐっと堪えていた。やがて、口内の性器が一層硬くなり、そろそろ射精すると気づく。
「出すぞ。こぼさず飲めよ!」
「んぁ、っ、ふ…ンっ、うぅ、ちゅ、うぅぐ…ふっ、ぁ、んぐ、ふぅうぅうッ!!」
宣言直後に口内に大量の白濁液が注がれて、驚きのあまり目元に涙が滲む。想像できた行為とはいえ、他人の精液を飲むなんてはじめてなのだ。
必死に呼吸しながら喉を鳴らすが、勢いが凄すぎてあっさりと唇から溢れ顎を汚す。そのまま首輪や胸元まで男のザーメンにまみれたが、できるだけ飲み干した。
水よりも美味しい極上の精液を、一滴でも多く味わっていたかったのだ。美味しいと胸をいっぱいにさせながら、限界だった体は絶頂を迎える。
射精のないドライオーガズム。尿道を堰き止められながら達するのを見るのははじめてだったので、虚ろな瞳に映る淫猥すぎる行為に戸惑ったが、それもすぐ消える。
「あふっ、んちゅ…うぅ、ぁ、きもち、い…おいし、ぃ、しあわせぇ」
「はじめてにしては上出来だが、こぼしたってことはお仕置きだな」
「ごめんな、さい、お仕置き…っ、して、ください、ご主人様」
「ははっ、本当に可愛い奴隷に成り下がったな。情報屋サンよぉ」
残りの精液を舌で舐め回して味わうと、男に向かって淫猥な瞳を向けて誘うように笑った。散々玩具で淫らなことを刷り込まれた体は火照り、本物の性器を欲していたのだ。
きっとこの欲求が満たされた時、今よりも幸せな気持ちになれる。毎年目の前で好意を示すプレゼントをシズちゃんに粉々に砕かれて、胸を痛ませる日々はやって来ない。
好きという感情だけは残しつつ、体は他人のものになる。その行為はきっと、絶望の淵にいた俺を一時的にも救ってくれるはずだ。
セックスに溺れている最中は、シズちゃんのことを考えなくていい。長いこと玩具でいたぶられ、その間は頭から抜け落ちるように忘れていたのが証拠だ。
「どんなお仕置きがいい?」
「…っ、いっぱい、おちんぽで、俺を犯して…ください。お願いします」
熱い溜息を吐きながら、この先のセックスに期待し胸は震えた。
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静雄×臨也 ※モブ×臨也注意
臨也が静雄を好きなことを知ったモブに脅迫されて体を好きにされる話。
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男は念入りに催眠装置での調教を施した。元々時間感覚は狂ってはいたが、強制的に淫らな自身の声を聞かされ続けて何日経ったか不明だ。
時折注射器でクスリらしきものを打たれて、ただでさえ朦朧としていた意識はますます霞んでいく。当然のように快楽に敏感になって、ギャグボールと呼ばれる口枷からはくぐもった声があがる。
自力では動けない体勢なのに、いつしか腰を振り心地よさに浸って俺は溺れ続けた。ひっきりなしに鼓膜を犯す、自身にそっくりな喘ぎ声の言葉は嫌と思うほど聞かされしっかり胸に刻まれている。
そして、習慣化されたピリリとした痛みを肌に感じた直後、この平穏に終わりが告げられる。前触れもなく目隠しとヘッドフォンが外されたのだ。
「ふっ、うッ!?」
「随分と久しぶりだな。俺のこと、まだ覚えてるか?」
下品にゲラゲラと笑う男は、首輪の鎖を掴んで手のひらで弄んでいる。定期的に打たれて常習化しているからか、クスリの利きは早く、もう全身が震え始めていた。
眩しい光に、すぐには目を開けることはできず顔を顰める。そして徐々に目が慣れてきて、相手の姿が目に入った時、俺は覚悟した。
今日からすべてが変わる。耳鳴りのように頭の中に喘ぎ声が響いていて、逃れられないことを知ったのだ。
「一応栄養剤も打っておいたんだが、ずっと虐げられるのは苦しかっただろう。今から口枷を外すが、して欲しいことがあったら教えてくれ。なんでもしてやるから」
「んむっ、ぐ…ぅ、ぷ、ぁっ!」
やけに丁寧な口調で男は言ってきて、その優しさが染み渡るようだった。頭では、この男に騙されて酷い目に遭わされたことを理解しているのだが、一方で俺を助けられるのもこの男なのだ。
口内に長いこと入れられていた丸いボールが出ていき、酸素が一気に入ってくる。口を塞がれていないことが違和感なほど口枷が馴染んでいたようだが、必死に喉奥から声を絞り出す。
「みず…ほ、しい」
「水か?そうだなぁ、この部屋にはないな。でも精液なら、すぐ飲ませてやれるぜ」
「…っ」
顔を歪ませて一瞬だけ躊躇した。人としての理性が僅かに残っていたからだ。
その時、キンと頭の中にはっきりとした声が響く。幻聴なのは間違いなかったのだが、確かに自身の声を聞いたのだ。
『っ、ざーめん、おいひッ、ぅ…ンぐ、ぅ、く…んちゅ、いっぱい、のませ、れぇ』
俺は一度も望んでその言葉を口にした覚えはない。でも繰り返し脳内に叩き込まれて、唇が勝手に震える。
「いい…ざーめんで、いいから、すぐのませ、て…っ」
「飲ませて下さい、だろう?お前を飼ってる主人に、なんて言い草だ」
「ぁ…ご、ごめんな、さい」
頬を控えめに染めながら勇気を出して告げたのだが、全く違うことで怒鳴られてしまう。反射的に肩がビクンと跳ねて、謝罪の言葉を述べる。
なにかがおかしいと思うのだが、この男は俺の主人なのだから無条件で従わなければいけない、と言い聞かせた。麻痺した心が、間違ったことを俺に受け入れさせた瞬間だった。
「ざーめん、のませ、て…くだ、さい」
「ククッ、いい顔になったじゃねぇか。ちゃんと躾けた甲斐があったぜ」
満足そうに笑いながら、すぐさま男はズボンを下ろして性器を取り出す。ベッドの上に相変わらず仰向けにされ、全身に淫らな玩具をつけられたままだったが、顔の前に差し出される。
すると独特の匂いを感じて、躊躇った。呆然と凝視したまま、ごくりと喉を鳴らす。
「ほら、あんたの大好きなおちんぽだぜ」
「…ぅ、ぁ」
「知ってるだろう。これ飲んだら美味しくて、毎日ちんぽしゃぶってねぇと狂っちまうぐらい嵌るんだ。欲しいよな?」
男は追い立てるように、早くしろと急かすように性器を唇に押し付ける。だが強引に口内にねじ込むことはなく、目の前に好物の餌を差し出された犬のように、本能的欲求に支配された。
クスリによって性感は増幅されていたし、俺の常識は改変されていたのだ。結局主人に従う奴隷のように、口を大きく空けて自ら受け入れる。
「ッ、んっ、うぅ!?ん、ちゅ、ぁ、あ…な、に…なんで、ぇ…ふぁ、おい、しい?」
「言った通りだろう。あの洗脳装置は言葉だけじゃない。体験者の知らないうちに、微弱な電流を流して脳に刺激を与えて嗅覚も味覚も変えるらしいぜ。辛気臭すぎて信じちゃいなかったが、本当みたいだな」
「そんな、ッ…ちゅう、んぐ、ふぁ…甘くて、これ生き返る。おちんぽ、すき…ふぅ、ンっ」
「すっかりちんぽ中毒者だな。面白ぇ」
舌の上に性器が擦りつけられた途端、全身を電流が走ったかのような甘い痺れを感じる。淫具の刺激ではない。
男の赤黒い肉棒が、極上の食べ物かのように美味しくて、先走りの汁を喉奥で飲み込むと飢え続けていたものが潤った気がした。頭に靄がかかり、唇で吸い付きしっかりと味わいながら性器にむしゃぼりつく。
強要されたわけでもないのに、醜い異物を欲しているのを示すかのように、好きと言葉にする。両手が自由であれば、もっと堪能できるのにと本気で思った。
「俺のザーメンごくごく飲み干したいよなぁ?ねだってみろよ」
「ぢゅ、ぅ、ぐ…ンっ、く…俺にざーめんください、濃いの飲ませてくら、さ、ぃ…んぁ、は」
「そうか。そうだよな。淫乱奴隷の折原臨也は、平和島静雄じゃなくてご主人様の俺が好きだから、ザーメン飲みたいんだよな?」
「え、っ?」
一気に捲し立てられた言葉を、俺は必死に反芻する。折原臨也は平和島静雄ではなく、ご主人様が好きだ、と。
そんなわけがない。シズちゃんだから好意を感じたのであって、男が好きなわけではなく、普通の成人男性だ。
いくら洗脳装置で感情を植え付けられたとしても、屈しないという自信があった。そう簡単に変えられるほど、軽い気持ちではないのだ。
わざとらしく口元を歪める。そして男に向かって嘘をついた。
「はい、俺は…っ、ご主人様が好きだから、ザーメンが飲みたい、です」
「だよな。じゃあ舌で奉仕して、イかせてくれよ」
「わかりまし、た…ンむっ、う、く…ンぅ、はぁ、んっ」
改めて唇で奥に誘導して含むと、じんわりと涎が次々と隙間から垂れていく。それだけ欲しているということだろう。
味覚は完全に壊れていた。感度もあげられているのだから、全身至るところが壊れていると思う。
でもシズちゃんへの気持ちだけは、揺らがなかった。失ってしまえば、俺は完全に折原臨也でなくなるとわかっていたからかもしれない。
「ちゅ、ぅ、ん…ご主人様の、おちんぽ、おっきぃ…ぅ、く」
「これしか舐めたことない癖に、大きいってわかるのか。まぁお前のよりはでかいけどな」
「ンっ、うぐぅううッ!?ふぁ、あぅ…震え、てッ、ぁ、やだぁ…しゃぶれ、ない」
口を窄ませて、精液を搾り取るように吸い付く。頭を上下に動かす度に、じゅぷじゅぷと先走りと涎交じりの下品な水音がした。
機嫌を良くしたらしい男が、微弱な振動だけを与えていた玩具すべてのスイッチを入れる。乳首の先と自身には小さなローターがガムテープでしっかり固定され、尿道には細い銀色の棒が、後孔には極太のバイブが刺さっていた。
一斉にすべての玩具が極限まで震えはじめると、ビクビク跳ねてしまい性器を咥えるのが難しい。何度もドライを覚えさせられた淫らな体が、当たり前の反射のように絶頂へと誘う。
「ぁ、ンぁ、あひぁ…やらぁ、きもひぃ、い、ドライする…っ、おれ、イっちゃ、う」
「まったくだらしねぇ奴隷だな。イくなら俺が出してからにしろ」
「ふっ、うぅ、ぐっ、ンぅうッ!んっ、ぅ…ふぅ、んく、ちゅう」
強すぎる愉悦に浸り、フェラチオを忘れてしまった俺の頭を男が掴んで固定すると、ガンガン喉奥に性器を出し入れした。ごりごりと内を擦られ、やがてその刺激すら媚薬のせいで心地よくなる。
主人の言いつけを守らなければいけない、という歪んだ感情のままにドライするのをぐっと堪えていた。やがて、口内の性器が一層硬くなり、そろそろ射精すると気づく。
「出すぞ。こぼさず飲めよ!」
「んぁ、っ、ふ…ンっ、うぅ、ちゅ、うぅぐ…ふっ、ぁ、んぐ、ふぅうぅうッ!!」
宣言直後に口内に大量の白濁液が注がれて、驚きのあまり目元に涙が滲む。想像できた行為とはいえ、他人の精液を飲むなんてはじめてなのだ。
必死に呼吸しながら喉を鳴らすが、勢いが凄すぎてあっさりと唇から溢れ顎を汚す。そのまま首輪や胸元まで男のザーメンにまみれたが、できるだけ飲み干した。
水よりも美味しい極上の精液を、一滴でも多く味わっていたかったのだ。美味しいと胸をいっぱいにさせながら、限界だった体は絶頂を迎える。
射精のないドライオーガズム。尿道を堰き止められながら達するのを見るのははじめてだったので、虚ろな瞳に映る淫猥すぎる行為に戸惑ったが、それもすぐ消える。
「あふっ、んちゅ…うぅ、ぁ、きもち、い…おいし、ぃ、しあわせぇ」
「はじめてにしては上出来だが、こぼしたってことはお仕置きだな」
「ごめんな、さい、お仕置き…っ、して、ください、ご主人様」
「ははっ、本当に可愛い奴隷に成り下がったな。情報屋サンよぉ」
残りの精液を舌で舐め回して味わうと、男に向かって淫猥な瞳を向けて誘うように笑った。散々玩具で淫らなことを刷り込まれた体は火照り、本物の性器を欲していたのだ。
きっとこの欲求が満たされた時、今よりも幸せな気持ちになれる。毎年目の前で好意を示すプレゼントをシズちゃんに粉々に砕かれて、胸を痛ませる日々はやって来ない。
好きという感情だけは残しつつ、体は他人のものになる。その行為はきっと、絶望の淵にいた俺を一時的にも救ってくれるはずだ。
セックスに溺れている最中は、シズちゃんのことを考えなくていい。長いこと玩具でいたぶられ、その間は頭から抜け落ちるように忘れていたのが証拠だ。
「どんなお仕置きがいい?」
「…っ、いっぱい、おちんぽで、俺を犯して…ください。お願いします」
熱い溜息を吐きながら、この先のセックスに期待し胸は震えた。
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2013-03-21 (Thu)
週末のシズイザオンリーの新刊入稿したのでサンプルあげました!
かなりギリギリだったので今回ばかりはダメかなとちょっと弱気になったりもしたのですがなんとか新刊出せてよかったです
まだ無配を何にするのか考えてないのですがなんかつくと思うのでよろしければいらして下さい
とりあえず睡眠を…
新刊は本当だったら冬コミに出す予定だった本を事情で出せなくて去年から宿題を残していたような気分だったのですがようやく発行できてよかったです
静雄が二重人格で臨也が振り回される話です
デュラにはまってすぐの頃からもう出したくてあれこれと考えていたのですがなかなかオチがうまいこと決まらず機会を逃し続けていたのですがようやく一段落つきました
書く前は散々悩んでたのですがいざ書いてみると割と私の作品にありがちな感じの結末に落ち着いたのでほっとしました
二重人格といっても本文中に病名とかは出てこないほんのりファンタジーみたいなデュラの世界観を借りた話です
前も書いたかもしれないのですがそういうちょっと非現実的でオチが曖昧な作品が好きで…
調べるのが面倒とかではなくて病気が中心の話なのに病名が一切出てこなくて人との繋がりとか気持ちが丁寧に書かれている作品ですごく好きなのがありまして
内容が似てるとか同じ題材だとかそんなことはないのですが不思議な空気感みたいなのは書けないかなとか思いながら書いたのですが
結局いつも通りエロ大目の話なので期待を裏切らない感じだと思います
新刊以外の在庫についてなのですが池クロの新刊の触手本がかなり少なめなのでどうしても欲しいという方は早めにいらして頂けるとありがたいです
新刊は自宅分まで送ってしまってどっさりありますのでご安心を
イベント後は自家通販などの予定は今の所ありません
過去の本などK-Books様に追加納品しているのでよろしければご利用ください
シズイザオンリーの次は5月のスパコミになります
次はもう少し明るい話書けたらなと思ってます!
かなりギリギリだったので今回ばかりはダメかなとちょっと弱気になったりもしたのですがなんとか新刊出せてよかったです
まだ無配を何にするのか考えてないのですがなんかつくと思うのでよろしければいらして下さい
とりあえず睡眠を…
新刊は本当だったら冬コミに出す予定だった本を事情で出せなくて去年から宿題を残していたような気分だったのですがようやく発行できてよかったです
静雄が二重人格で臨也が振り回される話です
デュラにはまってすぐの頃からもう出したくてあれこれと考えていたのですがなかなかオチがうまいこと決まらず機会を逃し続けていたのですがようやく一段落つきました
書く前は散々悩んでたのですがいざ書いてみると割と私の作品にありがちな感じの結末に落ち着いたのでほっとしました
二重人格といっても本文中に病名とかは出てこないほんのりファンタジーみたいなデュラの世界観を借りた話です
前も書いたかもしれないのですがそういうちょっと非現実的でオチが曖昧な作品が好きで…
調べるのが面倒とかではなくて病気が中心の話なのに病名が一切出てこなくて人との繋がりとか気持ちが丁寧に書かれている作品ですごく好きなのがありまして
内容が似てるとか同じ題材だとかそんなことはないのですが不思議な空気感みたいなのは書けないかなとか思いながら書いたのですが
結局いつも通りエロ大目の話なので期待を裏切らない感じだと思います
新刊以外の在庫についてなのですが池クロの新刊の触手本がかなり少なめなのでどうしても欲しいという方は早めにいらして頂けるとありがたいです
新刊は自宅分まで送ってしまってどっさりありますのでご安心を
イベント後は自家通販などの予定は今の所ありません
過去の本などK-Books様に追加納品しているのでよろしければご利用ください
シズイザオンリーの次は5月のスパコミになります
次はもう少し明るい話書けたらなと思ってます!
2013-01-29 (Tue)
静雄の誕生日話 2013
一人で静雄の誕生日を祝っていた臨也の元に静雄が乗りこんでくる
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一人で静雄の誕生日を祝っていた臨也の元に静雄が乗りこんでくる
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俺は上機嫌だった。
デパ地下で買ってきたケーキを食べながら、テレビに映る映像をずっと見ている。数秒ごとに映像は視点が変わり、色んな角度から眺めることができた。
「お揃いだねー」
画面の中の人物も俺と同じようにショートケーキを食べていた。ただし向こうはホールのまま豪快に口の中にかきこんでいたけれど。
その人物を中心に何十人もの人が集まり、騒いでいて貸切の店内は賑わっている。必死に食べながら嬉しそうにそれを眺めている彼を、俺は自宅兼事務所で眺めているという状況だ。
主役は一月二十八日が誕生日の、平和島静雄ことシズちゃんだ。
そして今行われている誕生パーティを主催し場所まで貸切り、金まで払っているのは俺だった。しかしもうこれは毎年恒例になっている行事みたいなものだ。
始まりは俺がまだ高校一年だった時、シズちゃんの誕生日を何とかして祝ってやれないかと考え、同級生の友人二人に頼んだのがきっかけだった。
俺が自らシズちゃんを祝うことはできないことぐらい、わかりきっていた。それでも最初のうちは考えてみた。
プレゼントをシズちゃんに手渡すということを。しかしそれは想像の中だけで、結果どうなるかは子供でもわかるぐらい単純だった。
誕生日なのに怒らせて終わるだけだ。シズちゃんにとって俺というのは、そういう存在なのだ。
長年の仇敵に祝われても、ただの嫌がらせとしか受け取って貰えない。だから俺はシズちゃんの誕生日の日だけはどこにも出歩かず、代わりに友人達にパーティを開いて貰って一部を負担している。
悲しいけれど、俺が人を集めて作りあげた場でシズちゃんが楽しんでくれるのならそれでいい。
最初はドタチンと新羅二人だったのが毎年増えていって、今年は特に露西亜寿司を借り切ってちょうどいいぐらい何十人も集まっていた。誕生パーティなんて今時流行らないが、食事代は無料だと言われれば高校生達は喜ぶし、子供だって参加する。
仕事で忙しいシズちゃんの弟も、俺が裏から手を回してスケジュールを空けさせた。そんなこと簡単なのだ。
俺の持っている力を使えば、たった一日シズちゃんを幸せ空間に浸らせることぐらいなんでもない。
ご褒美として、俺が絶対に見れることのない嬉しそうなシズちゃんがこの日だけ見ることができるのなら。そして明日の朝には、一番に会いに行くのだ。
幸せに浸っていた彼に、そんなものは長く続かないんだよと見せつけてやる。一連のパターンまで毎年同じなのに、未だシズちゃんは気づかない。
きっと一生気づかないんだろうなと思う。俺の手のひらの上で踊らされていることなんて。
「やっぱりここのイチゴは美味しいねえ」
ケーキの上に乗っていたイチゴをフォークに突き差し、口に運ぶ。ほどよい甘さが広がって、自然なイチゴの甘さに頬が緩む。
俺は自分の誕生日よりも、シズちゃんに会ってからずっとこの日を一番の楽しみにしてきた。きっと傍から見たら、寂しい奴だとか思われているのかもしれないが、そんなことはとうの昔に忘れた。
シズちゃんを直接祝ってあげることができない寂しさなんて、もう感じていない。本当は好きで、好きでたまらない癖に相手にされない悲しさも。
気づいた時はショックだったし、なんとかならないかと全く思わなかったわけじゃない。だが毎日対峙していて、望みなんて欠片も無いことぐらいわかりきっていた。あれで気づかない方がバカだ。
人間慣れとは恐ろしいもので、自分がシズちゃんに何かをしようとかそんな感情はすぐ薄れていった。逆に毎日ナイフを向けて、立ち向かうことで精一杯だったのかもしれない。
ただ一月二十八日だけは、シズちゃんを楽しませて俺を楽しみ、やっぱり好きだなと実感する日だったのだ。
あと数年でこの行事も終わることだろう。最近は力のコントロールもできはじめたので、将来的には結婚をして最愛の人を見つけるはずだ。
それこそ来年を迎える前に、これが最後になるかもしれない。その時俺はどうするんだろう、とぼんやり思いながら眺めていた。
すると、携帯が鳴った。最近変えた仕事用の携帯で、その番号はまだ誰にも教えていなかった。嫌な予感がして、苛つきながら出る。
「お前九十九屋だろ」
『声を聞かずに俺のことがわかるなんて、さすがだな折原。随分と愛されているみたいだ』
「いい加減にしろ」
九十九屋は俺よりも仕事のできる情報屋だ。今日のこともすべてお見通しで、電話してきたのだろう。仕方なく携帯を持って、窓辺へ移動した。
どうせ録画しているので、後で続きは一人でゆっくりみようと思ったのだ。意外にも九十九屋の用件は、俺の仕事のことであれこれと話をしているうちに随分と時間が過ぎていた。
携帯を閉じて時計を見ると、もう零時を過ぎようとするところだった。テレビ画面を見ると、まだ露西亜寿司で騒いでいるらしい。
きっとこのまま朝まで続くんだろうな、と思いながら冷めた紅茶に口をつける。
すると突然玄関の辺りから派手な物音がした。嫌な予感がしてすぐさまテレビの電源を落とし、ポケットからナイフを取り出す。隠し部屋への逃走経路を素早く確認していると、廊下を歩く煩い足音がして。
とうとう相手が現れた。瞬間動揺してしまう。
「おい臨也あッ!!」
「…ッ!?」
あまりに予想外過ぎる相手に驚いたのは一瞬で、すぐに状況を察する。さっきまでテレビに映っていたシズちゃんと、不自然な九十九屋の電話。
席を外して話をしていたのが問題だった。映像を細工したのは間違いなく九十九屋で、池袋から新宿にやってくるシズちゃんのことを知っていたから俺を引きとめていたのだろう。
嫌がらせにしても性質が悪い。こんな日に限って。
「その様子だとエントランスの鍵も、玄関の扉も壊したみたいだねえ。物騒だなあ、さすが化け物だ。こんな日にわざわざ喧嘩しに来るなんて物好きだねえ。今日は君の誕生日パーティだったんじゃないのかな?」
「ああそうだ、手前をぶん殴りたくて抜け出してきたんだ」
「へえ、驚いたな。弟も居たんだろ?大事な先輩や後輩、知人を放っておいて俺を殴りにくるなんて、そんなに腹が立つことがあったのかい?」
口元に笑みを作り、手のひらでナイフを弄ぶ。楽しくて仕方が無かった。
折角お膳立てして開いてあげたパーティを抜け出してまで、俺と喧嘩したい何を聞いたんだろうと気にもなる。まるで俺自身が大事にされているみたいで、胸が弾む。錯覚だろうが。
「新羅が酔っぱらっちまってよお、面白いことを聞いた」
「ふーん、なんだろう?」
わざと首を傾げておどけてみせたが、新羅から聞いたという内容が気になってソワソワした。やましいことが山のようにあったからだ。
「ところでよお。手前に聞きたいことがあるんだ」
「やだなあ。勿体ぶってないでさっさと言えよ」
まるで話をはぐらかすかのように、全く別の事を質問してきたので肩を竦めて笑った。シズちゃんが衝動に身を任せず、何か意図があってしゃべるなんてと驚く。
悪い予感しかしなかった。その時視線が離れて、シズちゃんは俺の立っていた場所の後ろを覗きこんだ。
「ケーキ食ってたのか」
「それがどうかした?立て込んでた仕事が終わって、休憩してたんだ」
「こんな夜中にか?おかしくねえか」
食べている途中だったケーキのことを指摘され、顔から表情がスッと消える。目の前に俺が現れたら、他の事なんて頭に入らないはずなのに、些細なことを尋ねてくるなんて。
いつものシズちゃんとは違う、と思った。俺にとって不利益な何かを間違いなく知っている。
「甘い物はそんなに好きじゃない、って学生の時にバレンタインで女子から貰ったチョコ返してたじゃねえか手前」
「驚いたなあ、よくそんなくだらないこと覚えてたね。まあたまには甘い物を取った方がいい。疲れている時はね」
茶番だと思った。シズちゃんは間違いなく疑っていたからだ。
俺がどうして一月二十八日にケーキを食べているのか。ただもう少し頭が良ければ、シズちゃんが露西亜寿司で食べていたホールケーキの箱と、台所のゴミ箱の中にあるものが一致するという事実をつきつけることができたのに。
明確な証拠さえ出されば、もっと完璧に追いつめることができたのになと思う。俺はシズちゃんから逃げられる自信があった。
「それ食わせろ」
「人の家にあがりこんできて、ケーキ食わせろって君はどういう神経をしてるのかな」
「うるせえ、どけよ!」
「やだよ…っと」
ケーキを狙っているのはわかっていたので、シズちゃんが飛びかかってくる前に残りを素手で掴み口に放り込んだ。もう一口も残っていなかったし、これで大丈夫だと安堵したのだが。
「食わせろっつっただろうがッ!!」
「ちょ…っ、んぅ!?」
まだ口をもごもごと動かしケーキを味わってたのだが、胸倉を掴まれてシズちゃんの額が俺の額にぶつかる。痛みで怯んだ隙に、上半身を突き飛ばされてソファに倒れこんだ。
それだけならまだ良かったのだが、混乱していると眼前が真っ暗になり、唇にカサついた何かが押し当てられた。そしてそのまま口内に潜り込んできて。
「ん、っ…!」
さすがの俺もパニックに陥った。表情を取り繕うこともできず、生ぬるい舌の動きから逃れようと身を捩る。
しかしすぐにシズちゃんの両手で肩が押さえつけられて、身動きが取れなくなる。その間に、口内のケーキを味わうように舌がせわしなく掻きまわされた。
ようやく唇が離された時には、力も抜けてただ呆然としていた。今起こったことが、頭で理解できなくて困惑していて。
「俺が今日食ったケーキと、味同じじゃねえか。うまかったぜ」
微かに指先が震えたが、ぎゅっと拳を握りしめて堪える。頬は熱くて心臓が爆発しそうなぐらい煩かった。
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デパ地下で買ってきたケーキを食べながら、テレビに映る映像をずっと見ている。数秒ごとに映像は視点が変わり、色んな角度から眺めることができた。
「お揃いだねー」
画面の中の人物も俺と同じようにショートケーキを食べていた。ただし向こうはホールのまま豪快に口の中にかきこんでいたけれど。
その人物を中心に何十人もの人が集まり、騒いでいて貸切の店内は賑わっている。必死に食べながら嬉しそうにそれを眺めている彼を、俺は自宅兼事務所で眺めているという状況だ。
主役は一月二十八日が誕生日の、平和島静雄ことシズちゃんだ。
そして今行われている誕生パーティを主催し場所まで貸切り、金まで払っているのは俺だった。しかしもうこれは毎年恒例になっている行事みたいなものだ。
始まりは俺がまだ高校一年だった時、シズちゃんの誕生日を何とかして祝ってやれないかと考え、同級生の友人二人に頼んだのがきっかけだった。
俺が自らシズちゃんを祝うことはできないことぐらい、わかりきっていた。それでも最初のうちは考えてみた。
プレゼントをシズちゃんに手渡すということを。しかしそれは想像の中だけで、結果どうなるかは子供でもわかるぐらい単純だった。
誕生日なのに怒らせて終わるだけだ。シズちゃんにとって俺というのは、そういう存在なのだ。
長年の仇敵に祝われても、ただの嫌がらせとしか受け取って貰えない。だから俺はシズちゃんの誕生日の日だけはどこにも出歩かず、代わりに友人達にパーティを開いて貰って一部を負担している。
悲しいけれど、俺が人を集めて作りあげた場でシズちゃんが楽しんでくれるのならそれでいい。
最初はドタチンと新羅二人だったのが毎年増えていって、今年は特に露西亜寿司を借り切ってちょうどいいぐらい何十人も集まっていた。誕生パーティなんて今時流行らないが、食事代は無料だと言われれば高校生達は喜ぶし、子供だって参加する。
仕事で忙しいシズちゃんの弟も、俺が裏から手を回してスケジュールを空けさせた。そんなこと簡単なのだ。
俺の持っている力を使えば、たった一日シズちゃんを幸せ空間に浸らせることぐらいなんでもない。
ご褒美として、俺が絶対に見れることのない嬉しそうなシズちゃんがこの日だけ見ることができるのなら。そして明日の朝には、一番に会いに行くのだ。
幸せに浸っていた彼に、そんなものは長く続かないんだよと見せつけてやる。一連のパターンまで毎年同じなのに、未だシズちゃんは気づかない。
きっと一生気づかないんだろうなと思う。俺の手のひらの上で踊らされていることなんて。
「やっぱりここのイチゴは美味しいねえ」
ケーキの上に乗っていたイチゴをフォークに突き差し、口に運ぶ。ほどよい甘さが広がって、自然なイチゴの甘さに頬が緩む。
俺は自分の誕生日よりも、シズちゃんに会ってからずっとこの日を一番の楽しみにしてきた。きっと傍から見たら、寂しい奴だとか思われているのかもしれないが、そんなことはとうの昔に忘れた。
シズちゃんを直接祝ってあげることができない寂しさなんて、もう感じていない。本当は好きで、好きでたまらない癖に相手にされない悲しさも。
気づいた時はショックだったし、なんとかならないかと全く思わなかったわけじゃない。だが毎日対峙していて、望みなんて欠片も無いことぐらいわかりきっていた。あれで気づかない方がバカだ。
人間慣れとは恐ろしいもので、自分がシズちゃんに何かをしようとかそんな感情はすぐ薄れていった。逆に毎日ナイフを向けて、立ち向かうことで精一杯だったのかもしれない。
ただ一月二十八日だけは、シズちゃんを楽しませて俺を楽しみ、やっぱり好きだなと実感する日だったのだ。
あと数年でこの行事も終わることだろう。最近は力のコントロールもできはじめたので、将来的には結婚をして最愛の人を見つけるはずだ。
それこそ来年を迎える前に、これが最後になるかもしれない。その時俺はどうするんだろう、とぼんやり思いながら眺めていた。
すると、携帯が鳴った。最近変えた仕事用の携帯で、その番号はまだ誰にも教えていなかった。嫌な予感がして、苛つきながら出る。
「お前九十九屋だろ」
『声を聞かずに俺のことがわかるなんて、さすがだな折原。随分と愛されているみたいだ』
「いい加減にしろ」
九十九屋は俺よりも仕事のできる情報屋だ。今日のこともすべてお見通しで、電話してきたのだろう。仕方なく携帯を持って、窓辺へ移動した。
どうせ録画しているので、後で続きは一人でゆっくりみようと思ったのだ。意外にも九十九屋の用件は、俺の仕事のことであれこれと話をしているうちに随分と時間が過ぎていた。
携帯を閉じて時計を見ると、もう零時を過ぎようとするところだった。テレビ画面を見ると、まだ露西亜寿司で騒いでいるらしい。
きっとこのまま朝まで続くんだろうな、と思いながら冷めた紅茶に口をつける。
すると突然玄関の辺りから派手な物音がした。嫌な予感がしてすぐさまテレビの電源を落とし、ポケットからナイフを取り出す。隠し部屋への逃走経路を素早く確認していると、廊下を歩く煩い足音がして。
とうとう相手が現れた。瞬間動揺してしまう。
「おい臨也あッ!!」
「…ッ!?」
あまりに予想外過ぎる相手に驚いたのは一瞬で、すぐに状況を察する。さっきまでテレビに映っていたシズちゃんと、不自然な九十九屋の電話。
席を外して話をしていたのが問題だった。映像を細工したのは間違いなく九十九屋で、池袋から新宿にやってくるシズちゃんのことを知っていたから俺を引きとめていたのだろう。
嫌がらせにしても性質が悪い。こんな日に限って。
「その様子だとエントランスの鍵も、玄関の扉も壊したみたいだねえ。物騒だなあ、さすが化け物だ。こんな日にわざわざ喧嘩しに来るなんて物好きだねえ。今日は君の誕生日パーティだったんじゃないのかな?」
「ああそうだ、手前をぶん殴りたくて抜け出してきたんだ」
「へえ、驚いたな。弟も居たんだろ?大事な先輩や後輩、知人を放っておいて俺を殴りにくるなんて、そんなに腹が立つことがあったのかい?」
口元に笑みを作り、手のひらでナイフを弄ぶ。楽しくて仕方が無かった。
折角お膳立てして開いてあげたパーティを抜け出してまで、俺と喧嘩したい何を聞いたんだろうと気にもなる。まるで俺自身が大事にされているみたいで、胸が弾む。錯覚だろうが。
「新羅が酔っぱらっちまってよお、面白いことを聞いた」
「ふーん、なんだろう?」
わざと首を傾げておどけてみせたが、新羅から聞いたという内容が気になってソワソワした。やましいことが山のようにあったからだ。
「ところでよお。手前に聞きたいことがあるんだ」
「やだなあ。勿体ぶってないでさっさと言えよ」
まるで話をはぐらかすかのように、全く別の事を質問してきたので肩を竦めて笑った。シズちゃんが衝動に身を任せず、何か意図があってしゃべるなんてと驚く。
悪い予感しかしなかった。その時視線が離れて、シズちゃんは俺の立っていた場所の後ろを覗きこんだ。
「ケーキ食ってたのか」
「それがどうかした?立て込んでた仕事が終わって、休憩してたんだ」
「こんな夜中にか?おかしくねえか」
食べている途中だったケーキのことを指摘され、顔から表情がスッと消える。目の前に俺が現れたら、他の事なんて頭に入らないはずなのに、些細なことを尋ねてくるなんて。
いつものシズちゃんとは違う、と思った。俺にとって不利益な何かを間違いなく知っている。
「甘い物はそんなに好きじゃない、って学生の時にバレンタインで女子から貰ったチョコ返してたじゃねえか手前」
「驚いたなあ、よくそんなくだらないこと覚えてたね。まあたまには甘い物を取った方がいい。疲れている時はね」
茶番だと思った。シズちゃんは間違いなく疑っていたからだ。
俺がどうして一月二十八日にケーキを食べているのか。ただもう少し頭が良ければ、シズちゃんが露西亜寿司で食べていたホールケーキの箱と、台所のゴミ箱の中にあるものが一致するという事実をつきつけることができたのに。
明確な証拠さえ出されば、もっと完璧に追いつめることができたのになと思う。俺はシズちゃんから逃げられる自信があった。
「それ食わせろ」
「人の家にあがりこんできて、ケーキ食わせろって君はどういう神経をしてるのかな」
「うるせえ、どけよ!」
「やだよ…っと」
ケーキを狙っているのはわかっていたので、シズちゃんが飛びかかってくる前に残りを素手で掴み口に放り込んだ。もう一口も残っていなかったし、これで大丈夫だと安堵したのだが。
「食わせろっつっただろうがッ!!」
「ちょ…っ、んぅ!?」
まだ口をもごもごと動かしケーキを味わってたのだが、胸倉を掴まれてシズちゃんの額が俺の額にぶつかる。痛みで怯んだ隙に、上半身を突き飛ばされてソファに倒れこんだ。
それだけならまだ良かったのだが、混乱していると眼前が真っ暗になり、唇にカサついた何かが押し当てられた。そしてそのまま口内に潜り込んできて。
「ん、っ…!」
さすがの俺もパニックに陥った。表情を取り繕うこともできず、生ぬるい舌の動きから逃れようと身を捩る。
しかしすぐにシズちゃんの両手で肩が押さえつけられて、身動きが取れなくなる。その間に、口内のケーキを味わうように舌がせわしなく掻きまわされた。
ようやく唇が離された時には、力も抜けてただ呆然としていた。今起こったことが、頭で理解できなくて困惑していて。
「俺が今日食ったケーキと、味同じじゃねえか。うまかったぜ」
微かに指先が震えたが、ぎゅっと拳を握りしめて堪える。頬は熱くて心臓が爆発しそうなぐらい煩かった。
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2012-12-13 (Thu)
*リクエスト企画 のえ 様
幽+静雄×臨也(基本シズイザです) 18禁
シズイザ前提で静雄と幽の二人に楽しみながら調教される臨也の話
※幽×臨也の表現がありますので注意下さい
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二人のもの、という言葉に余計に不安になる。だっておかしいのが一人ならまだしも、ここには二人も居るのだ。二対一の多数決を取れば負けてしまう。
逃げられない、という絶望的な事実に動揺を隠すことができない。なにより、俺が簡単に騙されてしまったことも歯痒かった。
絶対的な信頼があったのだ。平和島静雄と、平和島幽は、性格的にも卑怯なことや悪そのものを嫌う。それは過去に臨也が何度も彼らを陥れてきたからだ。
二人がかりで一人を捕まえる。しかも薬まで使うなんて、と今でも信じられないぐらいだ。一体なにがあったのだろう。
一番不可解なのは、俺のことをペットだと言ったことだ。しかも二人のものだと。
「信じらんない。どうしたのさ、二人共。おかしくなっちゃった?」
「おかしくねえよ。俺達は楽しみにしてたぜ。手前を捕まえて、ペットにするのをよお」
「ああもしかして、今までした仕打ちに対して復讐したいって?」
「違うな」
「え?」
わざと茶化すようにいつもの口調で笑みを浮かべながら言ったのだが、二人共動じなかった。それどころか、互いに視線を何度も交わしてこっちに近づいて来る。
慌てて手をついて起きあがろうとしたが、うまく力が入らない。さっき打たれた薬のせいだろう。最悪だ。
「復讐なんかじゃねえ。もっと楽しく遊ぼうぜ」
「…っ、なに。やめろ、近寄るなッ!」
シズちゃんは薄笑いを浮かべながら鎖を引いたので、ズルズルと体が引きずられる。怖かった。何を考えているのか、全く理解できなかったから。
「おかしいな。薬なかなか効かねえ」
「兄さん、まだあまり時間が経ってないから」
「そうか。折角いっぱい打ってやったのによお」
「ちょ、っと待てよ!いっぱい、って…一体何本、っ」
俺の体の後ろにシズちゃんが、前に幽が寄ってきて逃げ場なんてなかった。焦っていると、薬を何本か打ったと言われて慌てた。
痛みの一番酷い箇所は手首だったが、枷に隠されてどのぐらい打たれたのか跡を確認できない。混乱しているとあっさり教えられる。
「五本ぐらいか?」
「六本だよ」
「なっ…なんだって!?い、一度にそんなに打つなんて!いくら体に害はないとはいえ、量を間違えれば何が起きるか」
「大丈夫だろ?だって手前の体結構頑丈じゃねえか。俺がぶん殴って怪我させても、次の日には絶対仕返ししてきただろ」
「それは新羅に治療して貰ったからだ。薬なんて一番危ない…っ、んぅ!?」
尋常じゃない量の媚薬を打たれたことに動揺する。確かに俺の体は普通の人間よりは頑丈な方だが、薬には耐性が無い。想像を超えた量に、これは嘘だと言って欲しかった。
予想外過ぎる事態に唇を噛んでいると、突然シズちゃんに肩を掴まれて体を持ちあげられてしっかりと掴まれる。前を見ると、幽かが俺のナイフを持っていて中のシャツを引き裂く。
「やめろよ!こんなことしても、俺は絶対に屈しないから。助けてくれとか、そんな惨めなこと…」
「助けてと言われても、逃がしませんよ」
「えっ…」
「そうだ。手前が喚いてもここから出す気なんてねえよ。言ってんだろ、遊ぶって」
無言でシャツを引き裂き、体から綺麗に剥ぎ取った幽が冷たい口調で言った。コートはそのままだったので、素肌だけが晒される。そのままズボンのベルトにも手を伸ばす。
逃がすつもりはない、とシズちゃんにも念押しされて頭の中が真っ白になる。何が目的なのか、遊ぶというのは多分淫らなことをするのだろうが、本当にそれだけなのかと。
ペットと言っていたということは、人間扱いをするつもりはないのだろう。玩具のように、一方的に行為を強いるのだ。
胸がズキズキと痛む。とうとうズボンに手がかけられて、脱がされていくのをぼんやり見つめる。
喚いて抵抗する気力が一気に失われる。ショックだったからだ。
悲しいことに、俺はシズちゃんのことが好きだった。
好きという気持ちを言葉に出来ず、嫌がらせという方法でしか示せなかった。せめて嫌悪という形で自分の方を向いて欲しかったのだ。
それがどこを間違ってこんなことになったのか、わからない。だけどこれから、好きな相手に玩具のように扱われるのだ。悔しいという気持ちよりは、ひたすらに悲しかった。
告白する気なんてなかったけれど、好意を抱いている相手に虐げられるなんて。あんまりだった。それだけは決してないと思っていたのに。
「どうした?急に黙って、緊張してんのか」
「…っ、う」
「恥ずかしいですか?」
「そんな、こと…っ、あ、やめろ!そこは!!」
反抗する気力を無くしていると、とうとう下着にナイフの刃が当てられてしまいさすがに叫んだ。しかし容赦なく切られてしまい、おもいっきり唇を噛む。
「まだ反応してないってことは、媚薬は効いてないみたいですね」
「手前結構小せえんだな。可愛い形してんじゃねえか」
「さわるなッ!こんなの、ふざけるな!離せ、やめろ、嫌だッ!!」
同姓に性器のことを指摘されて、全身から火が出そうなほど恥ずかしくなる。褒めているように聞こえるが、どう考えても嫌がらせだった。ここで怒らなければ、どこで切れるというのだろう。
頭を振り乱すと鎖がジャラジャラと激しく鳴る。二人を煽る行為だとわかっていながら、見過ごすことなんてできなかった。だが。
「やだ、っ…んっ、う!?な、ぁ…あっ、あ」
「どうした?体震えてんぞ」
「薬が効いてきた?臨也さん」
突然全身が大きくビクンと震えた後に、背筋をゾクゾクと寒気がかけあがっていき手足が冷たくなる。額に汗が浮いて、麻痺したかのような震えはどんどん広がっていった。
まともに思考も働かなくなり、言葉にならない声が漏れる。呼吸も早くなっていき、自分で体がコントロールできなくなってしまう。
「んっ、う…ぐ」
「少し勃ってきた」
「なんだと。おい俺にもよく見せろ」
「えっ…あぁっ!?」
次に激しい疼きと熱が体の内側からせりあがってきて、ヤバイと思った時には幽に指摘されていた。半分勃起していると。そしてシズちゃんが、背後から身を乗り出してそこを覗き見た。
しかしよく見えなかったのか、両膝部分を掴まれて大きく左右に開かされる。すると中心部分がしっかりと晒されて、羞恥と悔しさが一気に押し寄せて来た。
「いっ、やだあっ!やめ、ろ…うっ、はぁ、嫌だって!」
「暴れんなって。ほら見ろよ、手前のちんこしっかり勃ってきてるだろ?」
「ぁ、あっあ!うぅ、っ…最低」
見られたくなくて足を閉じようとするのに、しっかりと掴まれていてびくともしない。それどころか、シズちゃんが首輪の鎖を引っ張って強制的に下を向かされる。
背中を丸めて、自身がどうなっているかを見せられた。さわられてもいないし、性欲があるわけでもないのに、そこは勃っていて小刻みに揺れている。
「じゃあ兄さん」
「おう。こいつは俺が抑えておくから、しっかり解してやれ」
「ぐっ、うぅ、く…なに、を」
二人が何を指示したのかわからず混乱していると、ベッドの端に置いていたらしい物を幽が掴み戻ってくる。透明の容器の先端にチューブがついていて、傾けると中から粘ついたものが垂れる。
彼は自分の手のひらに塗り広げていたが、突然こっちを向いて指先を伸ばしてくる。息をのんでいると、冷たくぬるついた指がとんでもないところを擦りあげた。
「あっ…!?冷た…ぁ、なに、どうして」
「見てわかるだろうが。ここ解して中に突っ込むんだよ」
「痛くしませんから。媚薬も効いてるみたいですし、きっと気持ちよくなれます」
「いっ、嫌だッ!離せっ、ぁ、さわる…な、ぁ、うぅ!」
全くわからないわけじゃなかった。ただ自分で気づきたくなかっただけだ。確かに媚薬を打たれて玩具にされるのならば、そこを使うしかない。
そんな事実を認めたくなかったのだ。無理矢理性行為を二人が強要しようとしているなんて、嘘だと信じていたかった。
「大丈夫ですから。ほら」
「っ、ひぁ…擦るな、ぁ、んうぅ…ぐ、あ」
「力抜いて下さい」
「やぁ、あっ…無理、だ、っ、ん」
たっぷりとローションを後ろの周辺に塗りたくられて、追加の粘液もどんどん垂らされていく。ぐちゃぐちゃと淫猥に響き始めたが、全身が震えて変に力が入る。
このまま耐えていたら、指をそこに入れられることもないだろうと思っていたのだが。耳元で声がした。
「なあ幽。俺にいい考えがある」
嫌な予感がした。
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幽+静雄×臨也(基本シズイザです) 18禁
シズイザ前提で静雄と幽の二人に楽しみながら調教される臨也の話
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二人のもの、という言葉に余計に不安になる。だっておかしいのが一人ならまだしも、ここには二人も居るのだ。二対一の多数決を取れば負けてしまう。
逃げられない、という絶望的な事実に動揺を隠すことができない。なにより、俺が簡単に騙されてしまったことも歯痒かった。
絶対的な信頼があったのだ。平和島静雄と、平和島幽は、性格的にも卑怯なことや悪そのものを嫌う。それは過去に臨也が何度も彼らを陥れてきたからだ。
二人がかりで一人を捕まえる。しかも薬まで使うなんて、と今でも信じられないぐらいだ。一体なにがあったのだろう。
一番不可解なのは、俺のことをペットだと言ったことだ。しかも二人のものだと。
「信じらんない。どうしたのさ、二人共。おかしくなっちゃった?」
「おかしくねえよ。俺達は楽しみにしてたぜ。手前を捕まえて、ペットにするのをよお」
「ああもしかして、今までした仕打ちに対して復讐したいって?」
「違うな」
「え?」
わざと茶化すようにいつもの口調で笑みを浮かべながら言ったのだが、二人共動じなかった。それどころか、互いに視線を何度も交わしてこっちに近づいて来る。
慌てて手をついて起きあがろうとしたが、うまく力が入らない。さっき打たれた薬のせいだろう。最悪だ。
「復讐なんかじゃねえ。もっと楽しく遊ぼうぜ」
「…っ、なに。やめろ、近寄るなッ!」
シズちゃんは薄笑いを浮かべながら鎖を引いたので、ズルズルと体が引きずられる。怖かった。何を考えているのか、全く理解できなかったから。
「おかしいな。薬なかなか効かねえ」
「兄さん、まだあまり時間が経ってないから」
「そうか。折角いっぱい打ってやったのによお」
「ちょ、っと待てよ!いっぱい、って…一体何本、っ」
俺の体の後ろにシズちゃんが、前に幽が寄ってきて逃げ場なんてなかった。焦っていると、薬を何本か打ったと言われて慌てた。
痛みの一番酷い箇所は手首だったが、枷に隠されてどのぐらい打たれたのか跡を確認できない。混乱しているとあっさり教えられる。
「五本ぐらいか?」
「六本だよ」
「なっ…なんだって!?い、一度にそんなに打つなんて!いくら体に害はないとはいえ、量を間違えれば何が起きるか」
「大丈夫だろ?だって手前の体結構頑丈じゃねえか。俺がぶん殴って怪我させても、次の日には絶対仕返ししてきただろ」
「それは新羅に治療して貰ったからだ。薬なんて一番危ない…っ、んぅ!?」
尋常じゃない量の媚薬を打たれたことに動揺する。確かに俺の体は普通の人間よりは頑丈な方だが、薬には耐性が無い。想像を超えた量に、これは嘘だと言って欲しかった。
予想外過ぎる事態に唇を噛んでいると、突然シズちゃんに肩を掴まれて体を持ちあげられてしっかりと掴まれる。前を見ると、幽かが俺のナイフを持っていて中のシャツを引き裂く。
「やめろよ!こんなことしても、俺は絶対に屈しないから。助けてくれとか、そんな惨めなこと…」
「助けてと言われても、逃がしませんよ」
「えっ…」
「そうだ。手前が喚いてもここから出す気なんてねえよ。言ってんだろ、遊ぶって」
無言でシャツを引き裂き、体から綺麗に剥ぎ取った幽が冷たい口調で言った。コートはそのままだったので、素肌だけが晒される。そのままズボンのベルトにも手を伸ばす。
逃がすつもりはない、とシズちゃんにも念押しされて頭の中が真っ白になる。何が目的なのか、遊ぶというのは多分淫らなことをするのだろうが、本当にそれだけなのかと。
ペットと言っていたということは、人間扱いをするつもりはないのだろう。玩具のように、一方的に行為を強いるのだ。
胸がズキズキと痛む。とうとうズボンに手がかけられて、脱がされていくのをぼんやり見つめる。
喚いて抵抗する気力が一気に失われる。ショックだったからだ。
悲しいことに、俺はシズちゃんのことが好きだった。
好きという気持ちを言葉に出来ず、嫌がらせという方法でしか示せなかった。せめて嫌悪という形で自分の方を向いて欲しかったのだ。
それがどこを間違ってこんなことになったのか、わからない。だけどこれから、好きな相手に玩具のように扱われるのだ。悔しいという気持ちよりは、ひたすらに悲しかった。
告白する気なんてなかったけれど、好意を抱いている相手に虐げられるなんて。あんまりだった。それだけは決してないと思っていたのに。
「どうした?急に黙って、緊張してんのか」
「…っ、う」
「恥ずかしいですか?」
「そんな、こと…っ、あ、やめろ!そこは!!」
反抗する気力を無くしていると、とうとう下着にナイフの刃が当てられてしまいさすがに叫んだ。しかし容赦なく切られてしまい、おもいっきり唇を噛む。
「まだ反応してないってことは、媚薬は効いてないみたいですね」
「手前結構小せえんだな。可愛い形してんじゃねえか」
「さわるなッ!こんなの、ふざけるな!離せ、やめろ、嫌だッ!!」
同姓に性器のことを指摘されて、全身から火が出そうなほど恥ずかしくなる。褒めているように聞こえるが、どう考えても嫌がらせだった。ここで怒らなければ、どこで切れるというのだろう。
頭を振り乱すと鎖がジャラジャラと激しく鳴る。二人を煽る行為だとわかっていながら、見過ごすことなんてできなかった。だが。
「やだ、っ…んっ、う!?な、ぁ…あっ、あ」
「どうした?体震えてんぞ」
「薬が効いてきた?臨也さん」
突然全身が大きくビクンと震えた後に、背筋をゾクゾクと寒気がかけあがっていき手足が冷たくなる。額に汗が浮いて、麻痺したかのような震えはどんどん広がっていった。
まともに思考も働かなくなり、言葉にならない声が漏れる。呼吸も早くなっていき、自分で体がコントロールできなくなってしまう。
「んっ、う…ぐ」
「少し勃ってきた」
「なんだと。おい俺にもよく見せろ」
「えっ…あぁっ!?」
次に激しい疼きと熱が体の内側からせりあがってきて、ヤバイと思った時には幽に指摘されていた。半分勃起していると。そしてシズちゃんが、背後から身を乗り出してそこを覗き見た。
しかしよく見えなかったのか、両膝部分を掴まれて大きく左右に開かされる。すると中心部分がしっかりと晒されて、羞恥と悔しさが一気に押し寄せて来た。
「いっ、やだあっ!やめ、ろ…うっ、はぁ、嫌だって!」
「暴れんなって。ほら見ろよ、手前のちんこしっかり勃ってきてるだろ?」
「ぁ、あっあ!うぅ、っ…最低」
見られたくなくて足を閉じようとするのに、しっかりと掴まれていてびくともしない。それどころか、シズちゃんが首輪の鎖を引っ張って強制的に下を向かされる。
背中を丸めて、自身がどうなっているかを見せられた。さわられてもいないし、性欲があるわけでもないのに、そこは勃っていて小刻みに揺れている。
「じゃあ兄さん」
「おう。こいつは俺が抑えておくから、しっかり解してやれ」
「ぐっ、うぅ、く…なに、を」
二人が何を指示したのかわからず混乱していると、ベッドの端に置いていたらしい物を幽が掴み戻ってくる。透明の容器の先端にチューブがついていて、傾けると中から粘ついたものが垂れる。
彼は自分の手のひらに塗り広げていたが、突然こっちを向いて指先を伸ばしてくる。息をのんでいると、冷たくぬるついた指がとんでもないところを擦りあげた。
「あっ…!?冷た…ぁ、なに、どうして」
「見てわかるだろうが。ここ解して中に突っ込むんだよ」
「痛くしませんから。媚薬も効いてるみたいですし、きっと気持ちよくなれます」
「いっ、嫌だッ!離せっ、ぁ、さわる…な、ぁ、うぅ!」
全くわからないわけじゃなかった。ただ自分で気づきたくなかっただけだ。確かに媚薬を打たれて玩具にされるのならば、そこを使うしかない。
そんな事実を認めたくなかったのだ。無理矢理性行為を二人が強要しようとしているなんて、嘘だと信じていたかった。
「大丈夫ですから。ほら」
「っ、ひぁ…擦るな、ぁ、んうぅ…ぐ、あ」
「力抜いて下さい」
「やぁ、あっ…無理、だ、っ、ん」
たっぷりとローションを後ろの周辺に塗りたくられて、追加の粘液もどんどん垂らされていく。ぐちゃぐちゃと淫猥に響き始めたが、全身が震えて変に力が入る。
このまま耐えていたら、指をそこに入れられることもないだろうと思っていたのだが。耳元で声がした。
「なあ幽。俺にいい考えがある」
嫌な予感がした。
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2012-11-21 (Wed)
*リクエスト企画 まな 様
静雄×臨也
静雄×ショタ臨也の鬼畜性教育の話。
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「臨也?」
「ん…」
「寝ちまったのか?」
暫く息を整えていたけれど、そろそろ汚してしまったものを拭うべきかと迷って不意に臨也を眺めたら目を閉じていた。微かに寝息が聞こえてきたので、眠ってしまったのだろう。
まだ子供の体には相当負担だったに違いない。いくら薬のせいとはいえ、やりすぎたかと後悔し始めて指を中から引き抜いた。だが。
「ふっ…ん…」
「あ?」
ため息のような声が漏れたので、おもわず顔を近づけて覗きこむ。するとまだ薄らと頬が赤くなっていて、息も荒いような気がする。本人は寝たけれどきっと薬の効果は抜けてはいない。
あどけない寝顔だというのに、俺は頭の中でやましいことを考えてしまう。こいつはまだ子供なんだぞ、と言い聞かせるのに頭の中の想像は止まらない。
いつの間にか立ちあがり、ふらふらとした足取りで新羅から貰った玩具の箱に近づくといくつかを掴む。ダメだ、と警告しているのに全く言う事を聞いてはくれない。
「だってまだ、薬抜けてねえから…苦しい、よな?」
くったりとしている臨也の体を抱きかかえると、ベッドの上へと連れて行き丁寧に下ろしてやる。首につけてやった赤い首輪が揺れて、胸が跳ねた。もう無理だった。
これ以上自分を抑えることはできない、と自覚すると手早く持っていた鎖を首輪に引っ掛けて先をベッドの端に括りつける。さっき一度は外した手枷も両手に嵌めて、同じく鎖で繋ぐ。
そして膝立ちの状態で、太股と脛部分を太いベルトで固定するように左右に嵌めてやる。ほんの数秒で、ベッドの上で淫らに足を開いたまま眠る臨也が完成した。
「やっぱり、似合ってる」
さっきは臨也の為に外してやったが、眠っている今なら勝手に自分好みの格好にしても怒られないだろうと思った。無防備に眠る姿を見て、耐えられなかった。
これではトイレの中に連れ込んだ変態と同等だ。最低で卑劣な行為、と理解しているのにやめられない。臨也を見ていたら、堪えられなかったのだ。
他の相手には全く欲情もしないし、懐いている子供に対して酷いことをしている自覚はあるのにどうしようもない。こんなこと初めてだ。感情が昂ぶって自分でも抑えがきかないなんて。
「俺が治してやるから…なあ臨也」
当然だが返事は無い。だからこれは仕方がないことだ、薬を抜いてやらないと辛いのだからしょうがない、と言い聞かせる。これからすることを、正当化しようとしたのだ。
臨也にとっては、さっきの男と俺は変わらないのに。無邪気に好きだと言ってくれた言葉が頭から離れない。
アナルプラグを使って痛がられたので、次はローターに変えた。丸い形だし指よりは大きいが、きっと慣らしたら入るだろう。
ローションをボトルの先から垂らし、指先と玩具にしっかりと塗りつける。起こさないように慎重に指先を添えて、少し力を加えて押しこんだ。
「んっ…うぅ…っ」
「起きてねえよな?」
たっぷりと中にローションを押しこんで濡らしながら顔色を窺う。少し苦しそうな表情はしているが、全く起きる気配はない。ここで目を覚ませば辞めようかと思ったが、もうそんな気はなかった。
もっと乱れている臨也が見たい、という一心で入口周辺がローションまみれになる。そこにゆっくりと、ローターの先端を押し当てた。
「指で慣らしたし、大丈夫だからな。心配すんな」
相手は眠っているのに、しゃべりかける。まるで自分に言い聞かせているようだった。大きく息をついた後に、意を決して力を加える。
「んあっ…!?あ…ぅ、うぅっ…」
「意外とすんなり入るじゃねえか」
「はっ…あ…」
形のせいなのかはわからないが、ローターは思ったよりもあっさりと飲みこまれた。表面がつるつるしているせいなのかもしれない。
全身を震わせて呻き声をあげ拒絶したのは最初だけで、目の前でどんどん中に消えていった。あまりの卑猥さに頭がくらくらしたぐらいだ。多分臨也だからだろう。
変態を寄せつけるだけの魅力があるのは、間近で見ていた俺が一番わかっている。普通の子供とは絶対に違う。こいつは特別なんだ、とドキドキ高鳴る胸が主張していた。
「他の奴に奪われるぐらいなら、俺が…」
腰を震わせて必死に玩具を受け入れていく臨也の姿を見ながら、笑みを浮かべる。
「俺が臨也を調教してやるからよ。なあ」
「っ…ぁ」
とうとうローターすべてが挿入されて、後孔からは細いコードが覗くだけになって指が震えた。起きてもおかしくない刺激でも目を覚まさない。だから寝ている間に調教してやってもいいんだ、と勝手に解釈した。
間違っていることなんてわかっていたけれど、誰も止めはしなかったから。歪んだ愛の形だなんて、思いもしなかった。
「っ、あ!?あ、なにこれ…シズちゃ、ん?」
「おう起きたか?大丈夫か」
「体動かないっ…ふるえて、るの、気持ち悪い…うぅ、く」
ようやく目を覚ました臨也は、パニックに陥っていた。当たり前だ。もう随分と長い時間ローターで後ろを弄ってやっていて、そろそろ起きるだろうと思っていた。
きちんと言い聞かせる言葉は、考えてある。頭を撫でてやりながら言った。
「手前が寝てる間に医者に相談したんだ。そうしたら、これずっと入れてねえと治らないって聞いてよ」
「え?まだなおってない…の?はぁ、っ…うそ」
「いい子にしてたらすぐ治る。だから我慢してくれ。暴れたら困るから縛ったんだ。臨也の為だ」
「俺の…ため?でも、っ…うぅ、はぁ…むずむずして、嫌だぁ」
真っ青になった臨也は涙目で嫌だと訴えてきた。それが余計にエロさを醸し出しているなんて本人は知らない。だけど衝動的に襲ってしまいそうなぐらい、ぐっときたことだけは間違いなかった。
心の中で必死に諌めて、堪える。葛藤していることは全く顔には出さず、ゆっくりとした口調で言った。
「このまま治らなくていいのか?」
「それ、は…ぁ、う」
「俺が面倒見てやるから、安心しろ。そのうちこれも慣れる」
「でも…えっと」
やはり普通に考えて受け入れ難いことだと本能的にわかっているのか、臨也は戸惑っていた。はっきりと拒絶はしないが、足を微かに震わせて身を捩っている。
さっき射精を体験したぐらいだ。感じていることも、自分できちんと理解しているのだろう。
「気持ちよくなってイってもいいぜ。病気を治す為にはしょうがないんだ」
「えっ…?だ、けど」
「言ったじゃねえか。エッチなことで臨也が大人になったら、もっと好きになるってよお」
子供の事だ。覚えているかどうかはわからなかったけれど、笑みを浮かべて真っ直ぐ瞳を見ながら話すと臨也はあからさまに反応した。
「シズちゃん…おれのこと、嫌いにならない?」
「ああどんな手前でも好きだ」
「はっ、ぁ…よ、かった」
「我慢しなくていいから、辛かったら声出せ。またさわって欲しかったらなんでもしてやる」
縋る様な目つきだったのが緩み、臨也が安堵の声を漏らしたので両手で頬を撫でてやった。するとくすぐったそうに目を細めた後に、我慢していたらしい息をこぼす。
「んっ、ぁ、あ…むずむずして、も、へんでも、いいの?」
「おう。ちょっと強くしてみるか?」
さり気なくローターのスイッチを手に取って、強さをあげる。すると臨也の小さな体が大きく跳ねて、聞きたかった切なげな声をあげはじめた。
「ふあぁっ!?あんっ、ぁ、あ…シズちゃ、ぁ、んあ…ぶるぶる、するよぉ、っ!」
「気持ちいいだろ?」
「あっ、ぅ…き、もちいい…かんじ、る、んぅ、あ…ひっ、う」
「手前が嬉しそうにしてると、俺も嬉しいからよ。気にせずなんでも言え。これイイんだろ?」
「はぁ、あ、うれし…っ、いい、よ…んぁっ、あ、うぅ!」
ローターが中で激しく振動するのも嫌がらず、俺の言うことに従って健気に口にする臨也は最高だった。まさに望んでいた通りで、本当に嬉しくなる。
今すぐ激しく犯してやりたい、という気持ちが一瞬で消えて、ひたすら淫らに調教してやりたいと思った。自分の欲求を満たすよりも、先の事を楽しみにしながら育てることのほうが重要だったのだ。
「すげえ可愛い」
「っ、あ!?シズちゃぁ…いい、っ、きもひ、っ…んぁ、あぁあ!」
真正面から体をしっかり抱いてやりながら、耳元で喘ぐ心地いい声に癒される。もっとたくさんのことを教えて、俺のものだという証を残したいと思った。
「臨也、好きだ。好きだ」
「おれも、っ…ふぁ、あっ、く…すき、すきだよぉ」
必死に縋っていたのは自分の方だなんて、わからなかった。
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静雄×臨也
静雄×ショタ臨也の鬼畜性教育の話。
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「臨也?」
「ん…」
「寝ちまったのか?」
暫く息を整えていたけれど、そろそろ汚してしまったものを拭うべきかと迷って不意に臨也を眺めたら目を閉じていた。微かに寝息が聞こえてきたので、眠ってしまったのだろう。
まだ子供の体には相当負担だったに違いない。いくら薬のせいとはいえ、やりすぎたかと後悔し始めて指を中から引き抜いた。だが。
「ふっ…ん…」
「あ?」
ため息のような声が漏れたので、おもわず顔を近づけて覗きこむ。するとまだ薄らと頬が赤くなっていて、息も荒いような気がする。本人は寝たけれどきっと薬の効果は抜けてはいない。
あどけない寝顔だというのに、俺は頭の中でやましいことを考えてしまう。こいつはまだ子供なんだぞ、と言い聞かせるのに頭の中の想像は止まらない。
いつの間にか立ちあがり、ふらふらとした足取りで新羅から貰った玩具の箱に近づくといくつかを掴む。ダメだ、と警告しているのに全く言う事を聞いてはくれない。
「だってまだ、薬抜けてねえから…苦しい、よな?」
くったりとしている臨也の体を抱きかかえると、ベッドの上へと連れて行き丁寧に下ろしてやる。首につけてやった赤い首輪が揺れて、胸が跳ねた。もう無理だった。
これ以上自分を抑えることはできない、と自覚すると手早く持っていた鎖を首輪に引っ掛けて先をベッドの端に括りつける。さっき一度は外した手枷も両手に嵌めて、同じく鎖で繋ぐ。
そして膝立ちの状態で、太股と脛部分を太いベルトで固定するように左右に嵌めてやる。ほんの数秒で、ベッドの上で淫らに足を開いたまま眠る臨也が完成した。
「やっぱり、似合ってる」
さっきは臨也の為に外してやったが、眠っている今なら勝手に自分好みの格好にしても怒られないだろうと思った。無防備に眠る姿を見て、耐えられなかった。
これではトイレの中に連れ込んだ変態と同等だ。最低で卑劣な行為、と理解しているのにやめられない。臨也を見ていたら、堪えられなかったのだ。
他の相手には全く欲情もしないし、懐いている子供に対して酷いことをしている自覚はあるのにどうしようもない。こんなこと初めてだ。感情が昂ぶって自分でも抑えがきかないなんて。
「俺が治してやるから…なあ臨也」
当然だが返事は無い。だからこれは仕方がないことだ、薬を抜いてやらないと辛いのだからしょうがない、と言い聞かせる。これからすることを、正当化しようとしたのだ。
臨也にとっては、さっきの男と俺は変わらないのに。無邪気に好きだと言ってくれた言葉が頭から離れない。
アナルプラグを使って痛がられたので、次はローターに変えた。丸い形だし指よりは大きいが、きっと慣らしたら入るだろう。
ローションをボトルの先から垂らし、指先と玩具にしっかりと塗りつける。起こさないように慎重に指先を添えて、少し力を加えて押しこんだ。
「んっ…うぅ…っ」
「起きてねえよな?」
たっぷりと中にローションを押しこんで濡らしながら顔色を窺う。少し苦しそうな表情はしているが、全く起きる気配はない。ここで目を覚ませば辞めようかと思ったが、もうそんな気はなかった。
もっと乱れている臨也が見たい、という一心で入口周辺がローションまみれになる。そこにゆっくりと、ローターの先端を押し当てた。
「指で慣らしたし、大丈夫だからな。心配すんな」
相手は眠っているのに、しゃべりかける。まるで自分に言い聞かせているようだった。大きく息をついた後に、意を決して力を加える。
「んあっ…!?あ…ぅ、うぅっ…」
「意外とすんなり入るじゃねえか」
「はっ…あ…」
形のせいなのかはわからないが、ローターは思ったよりもあっさりと飲みこまれた。表面がつるつるしているせいなのかもしれない。
全身を震わせて呻き声をあげ拒絶したのは最初だけで、目の前でどんどん中に消えていった。あまりの卑猥さに頭がくらくらしたぐらいだ。多分臨也だからだろう。
変態を寄せつけるだけの魅力があるのは、間近で見ていた俺が一番わかっている。普通の子供とは絶対に違う。こいつは特別なんだ、とドキドキ高鳴る胸が主張していた。
「他の奴に奪われるぐらいなら、俺が…」
腰を震わせて必死に玩具を受け入れていく臨也の姿を見ながら、笑みを浮かべる。
「俺が臨也を調教してやるからよ。なあ」
「っ…ぁ」
とうとうローターすべてが挿入されて、後孔からは細いコードが覗くだけになって指が震えた。起きてもおかしくない刺激でも目を覚まさない。だから寝ている間に調教してやってもいいんだ、と勝手に解釈した。
間違っていることなんてわかっていたけれど、誰も止めはしなかったから。歪んだ愛の形だなんて、思いもしなかった。
「っ、あ!?あ、なにこれ…シズちゃ、ん?」
「おう起きたか?大丈夫か」
「体動かないっ…ふるえて、るの、気持ち悪い…うぅ、く」
ようやく目を覚ました臨也は、パニックに陥っていた。当たり前だ。もう随分と長い時間ローターで後ろを弄ってやっていて、そろそろ起きるだろうと思っていた。
きちんと言い聞かせる言葉は、考えてある。頭を撫でてやりながら言った。
「手前が寝てる間に医者に相談したんだ。そうしたら、これずっと入れてねえと治らないって聞いてよ」
「え?まだなおってない…の?はぁ、っ…うそ」
「いい子にしてたらすぐ治る。だから我慢してくれ。暴れたら困るから縛ったんだ。臨也の為だ」
「俺の…ため?でも、っ…うぅ、はぁ…むずむずして、嫌だぁ」
真っ青になった臨也は涙目で嫌だと訴えてきた。それが余計にエロさを醸し出しているなんて本人は知らない。だけど衝動的に襲ってしまいそうなぐらい、ぐっときたことだけは間違いなかった。
心の中で必死に諌めて、堪える。葛藤していることは全く顔には出さず、ゆっくりとした口調で言った。
「このまま治らなくていいのか?」
「それ、は…ぁ、う」
「俺が面倒見てやるから、安心しろ。そのうちこれも慣れる」
「でも…えっと」
やはり普通に考えて受け入れ難いことだと本能的にわかっているのか、臨也は戸惑っていた。はっきりと拒絶はしないが、足を微かに震わせて身を捩っている。
さっき射精を体験したぐらいだ。感じていることも、自分できちんと理解しているのだろう。
「気持ちよくなってイってもいいぜ。病気を治す為にはしょうがないんだ」
「えっ…?だ、けど」
「言ったじゃねえか。エッチなことで臨也が大人になったら、もっと好きになるってよお」
子供の事だ。覚えているかどうかはわからなかったけれど、笑みを浮かべて真っ直ぐ瞳を見ながら話すと臨也はあからさまに反応した。
「シズちゃん…おれのこと、嫌いにならない?」
「ああどんな手前でも好きだ」
「はっ、ぁ…よ、かった」
「我慢しなくていいから、辛かったら声出せ。またさわって欲しかったらなんでもしてやる」
縋る様な目つきだったのが緩み、臨也が安堵の声を漏らしたので両手で頬を撫でてやった。するとくすぐったそうに目を細めた後に、我慢していたらしい息をこぼす。
「んっ、ぁ、あ…むずむずして、も、へんでも、いいの?」
「おう。ちょっと強くしてみるか?」
さり気なくローターのスイッチを手に取って、強さをあげる。すると臨也の小さな体が大きく跳ねて、聞きたかった切なげな声をあげはじめた。
「ふあぁっ!?あんっ、ぁ、あ…シズちゃ、ぁ、んあ…ぶるぶる、するよぉ、っ!」
「気持ちいいだろ?」
「あっ、ぅ…き、もちいい…かんじ、る、んぅ、あ…ひっ、う」
「手前が嬉しそうにしてると、俺も嬉しいからよ。気にせずなんでも言え。これイイんだろ?」
「はぁ、あ、うれし…っ、いい、よ…んぁっ、あ、うぅ!」
ローターが中で激しく振動するのも嫌がらず、俺の言うことに従って健気に口にする臨也は最高だった。まさに望んでいた通りで、本当に嬉しくなる。
今すぐ激しく犯してやりたい、という気持ちが一瞬で消えて、ひたすら淫らに調教してやりたいと思った。自分の欲求を満たすよりも、先の事を楽しみにしながら育てることのほうが重要だったのだ。
「すげえ可愛い」
「っ、あ!?シズちゃぁ…いい、っ、きもひ、っ…んぁ、あぁあ!」
真正面から体をしっかり抱いてやりながら、耳元で喘ぐ心地いい声に癒される。もっとたくさんのことを教えて、俺のものだという証を残したいと思った。
「臨也、好きだ。好きだ」
「おれも、っ…ふぁ、あっ、く…すき、すきだよぉ」
必死に縋っていたのは自分の方だなんて、わからなかった。
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