ウサギのバイク 流れる涙も 凍てついた胸も 38
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2010-07-06 (Tue)
静雄×臨也前提話 ※18禁注意

続き 次回でラストです

* * *


やっと言えた素直な言葉は、相当酷いものだった。結局快楽に抗えない体が恨めしくてしょうがなかった。
あまりの照れくささに視線を逸らそうとしたが、いきなり頬を掴まれて軽く唇にキスをされた。そうしてシズちゃんを見ると、これまで見たことがないぐらい嬉しそうに笑っていた。

「な……ッ!」

「やっと素直に言いやがって…ったく手こずらせてくれるじゃねえか!!」

無邪気な子供のように屈託のない笑顔を浮かべていて、胸がドキリと跳ねた。はじめて自分に向けられた微笑に、夢のようだと目を瞬かせた。

ずっと遠くからその笑顔を何度か眺めていて、いつかそんな日がきたりしないだろうかと思っていた。
そうして募った想いが告白させる衝動に繋がって、いろいろ散々なことがあったがここに至ることができたなら、それで救われたとほっとした。
俺もシズちゃんもきっとお互いに悪くはなくて、ただ少しタイミングがずれてすれ違ってしまっただけなのだ。そうして俺はそれに対して憎んでも、恨んでもいない。
これまで起きたことをすぐには受け入れがたいが少しずつ、せめて体から本心を曝け出していこうと思った。


「ねえ、もう逃げたりしないから…手外してくれない?」


やんわりとそうお願いすると、あっさりと蝶ネクタイの戒めを外してくれて、自由になった手を少し捻ってまだ跡もついていないことを確認した。
そうしてそっと腰に手を回して、囁くようにそっと告げた。


「慣らさなくてもシズちゃんの精液が残ってるから、早く入れて……」
「ああ、わかった」
すぐに頷いてズボンと下着を焦りながら脱ぎ始めて、それを眺めながら笑いを堪えるのに必死だった。さっきまであんなに口説くようなことを言っていた癖に、これなのだ。
性欲には逆らえないことはわかりきっているが、慣れていない感じが新鮮でいいなと思った。
暫くしてすっかり両足を開ききって精液を少し垂らしながら待っていた後孔に、ガチガチになったペニスが宛がわれた。先走りで濡れているし今更これで驚くこともないので、薄く微笑んだ。


「…っ、あ、あ、ああぁ…はぁあ…ッ、きたあぁ、っううん…!!」
心底待ち望んでいたものがゆっくりと侵入してきて、歓喜の声をあげた。もうすぐにでも達してしまいたかったが、さすがにそれは堪えた。
どうせなら長く楽しみたいし、一緒に出したいと思ったからだ。昨晩は胸が痛んだ行為も、今はもう最高の気分で味わえるのだから。

「んぁ、あ…はやく、奥まで…っ、は、あうぅ…はやく…っ」
「こんなに締め付けやがって…っほんとに体は正直じゃねえか臨也」
少しだけいつもの調子を取り戻したのか、遠慮なく鋭い視線で見つめながら腰を深く進めていってやっと最奥まで到達した。
そうして嬉しさに目を細めたところで、急に律動が開始されて視界がぐらりと揺れた。もうどんな動きにも全部体が反応してしまうが、結構な大きさもあるので吐息が激しくなった。

「や、あぁ…っ、これす、ごい……っ、うぅ、もっとお…は、げしく…ッ」

「なんだよ、優しくしてやろうと思ったのに乱暴なのが好みなのか?しょうがねえ奴だな」

腰にしっかりとしがみついて、うっとりとした瞳で眺めながら強請ると、意地悪そうな笑みが返ってきた。しかし目はいつもより優しく感じて、心臓がバクバクと一層高まった。
なんだかすべてを認めてしまうと、さっきまで頑固にしていたのがバカみたいに思えてきて口の端を吊り上げた。
それを合図だと受け取ったのか、しっかりとソファに体を縫いつけられながら正常位で肌をぶつけてきた。パンパンとやけに乾いた音が部屋の中に響き渡る。


「ん、あ、あっ…ん、うぅなかで…ぐちゃぐちゃ、って…え…なってるよ?」
「っ、たく手前は素でそういうこと言いやがって…」
残った精液が少量ではあったがシズちゃん自身と絡んで、絶妙な快感を与えられていた。これまでもう覚えてないぐらいセックスをしたが、陳腐な動きなのに最高に翻弄されていた。
これが本当に好きな相手との行為の違いなのだと、実感する事が出来て満足だった。
けれど俺は満足しただけでは、終わらない。もっと、もっと欲しいと腰をくねらせて求め続けた。


「ね、え…いっぱいに…シズちゃんでいっぱいにっ…ん、はぁ…っ…して?」
「あぁ、そうだな……すげえ淫乱で意地っ張りな手前には何度でもわからせてやらないとなあ」
ニヤリと不敵な笑みを一瞬浮かべたかと思うと、即座に唇にかぶりついてきて、戸惑った。体が近づくということは、中のモノも深くまで貫かれるということだった。

「ひ、ああぁっ…んぁ…っ、う…」


「何度でも言ってやるよ、俺は臨也が好きだ。愛してる。それと、なにを怖がってるのか知らねえが受け入れてやるから」


唇が離れて頬にも軽く口付けをされた直後、耳元で吐息を吐きかけられながらそう告げられた。はっきりとした物言いに、これだから勘だけで生きている化け物は侮れないと感じた。
確かに昨夜にまるで壊れたように快楽に溺れきった姿を見られているのだから、向こうにしては今更なのかもしれない。
それでも強すぎる求め方にきっと嫌悪を向けられると思っていたのに、そんなことはないと言い切られた。純粋に嬉しかった。


「あ、ははっ…ほ、んと優しいなあ…っ、知らないよ?だから、こんなのに…だまされるのにっ、あ」
「確かにひでえな。けど俺は騙されててもいいと思ってるし、もっと早く真剣に考えるべきだったんだよ。手前に告られる前から気になってたのに」
そうして苦虫を噛み潰したような表情を瞬間的に浮かべたが、すぐに元に戻った。きっとこれは一生シズちゃんについて回る後悔なのだと、そんな風に苦しめたくはないのにと思った。
きっと俺が違うと言っても生真面目な性格だから、考えてしまうだろう。だったらその度にこっちから違うと否定するべきなんだと悟った。


「おれは…過去なんかッ、振り返らない…から…今がよかったら…きもちよければ、それでいいよ…ん、あぁっ」

「ったく、言葉通りだよな手前は」

「ん、あ、はぁ……っ、それ、褒め言葉?はぁ、ありがと」

そうしていつも喧嘩をする時のように挑発するような目で睨みながら意識して中を締めつけると、悔しそうに眉を顰めながら動きを早めてきた。
俺はもちろんのこと、シズちゃんも随分とお預けをくらっていた状態だったから二人共同じぐらいに限界だった。


「ふ、あ、ああぁっ…あ、あぁ、あつ、あつい…やらぁ、も、イっちゃい、そ…っん、うぅあ…!」
「なんだ一緒じゃねえか、じゃあ出すぞ?」
中を擦る塊が最奥の壁や感じるポイントを巧みに突いてきて、視界が生理的な涙で歪んできたが、それを隠すことはもうしなかった。


「ん、うぅっ、だ、して…ッ、あ、ひ、ッあ、ううんううううっ、はああぁんんっ……!!」


俺の腰を掴む手の上に自分の手も重ねて、温もりを感じながら欲望を腹の上に盛大に放った。
一晩寝たらある程度精液が生成されるだけあって、久しぶりに通常より少し少ないけれど白い粘液が肌を汚した。
当然のように体の中にもシズちゃんの精液が注がれて後孔がびくびくと震えっぱなしになっていた。さすがにいっぱいになった粘液が隙間から零れてソファを汚したが、全く気にならなかった。


「はぁ、あ、っ…あいかわらず、たっぷり…だね」
「悪いかよ」
息を整えながら悪戯っぽく淫猥に微笑んでそう言うと、少しだけ申し訳無さそうにしながら唇を尖らせて拗ねたような顔を見せてきた。
そんな何気ない顔だって、これまで全くといっていいほど近くで眺めたことがなかったから、心が弾んだ。けれどこれはまだ序盤でしかないのだと、期待で中がビクンと収縮した。


「って、おい…臨也?」
「最後まで付き合ってくれるんだよねえ?いくらこんなでかいモノを持ってるシズちゃんでも、どこまで耐えられるか見ものだねえ」
クスクスと笑いながら、シズちゃんの頬に手を伸ばし手のひらでゆっくりと撫でさすって次をせがんだ。





























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