ウサギのバイク 夏コミ新刊② らぶぐらさん
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2010-08-07 (Sat)
love

「らぶぐらさん」
静雄×臨也/小説/18禁/A5/60P/600円/


臨也がプレゼントした呪いのグラサンのせいで静雄が臨也のことを好きになってしまい告白する  
実は臨也も静雄のことが好きだったので二人でラブラブ同棲生活を始めることに
常に元に戻る不安を抱えながら静雄にひたすら甘える臨也
しかしとうとうサングラスが壊れてしまって…

ちょっぴり切ない王道ラブコメ話です

表紙イラスト こう 様
hgk


続きからサンプルが読めます

* * * 「あっはははは、そんなのに引っかかるなんてバカだなあ」
「くっそかわいいことしやがって」
「嬉しいくせに」

笑いながら肩をすくめてみせると、向こうもつられて笑った。こんな風に軽い冗談を言い合うだなんて、まずおかしいというかありえないのだがもうかなり慣れてきていた。まるでただの仲のいい友達のノリだったが、平気で俺のことをかわいいだとかそういうことを言ってくる。
きっとこれまでの嫌いだとか死ね、殺すなどの言葉が全部ひっくり返っているだけなのはわかっていた。しかしそれにしてもあまりのギャップに、かなりドキドキさせられていた。本心でもないただの嘘だというのに、それでも言葉の持つ破壊力のすさまじさを身をもって体験していた。

「あーもうわかったから。おいちょっと来い」
「なに?って、うわっ」
「やっぱ前から思ってたがすげえ軽いんだな」

言われたとおりに近寄ると、いきなり腰を掴まれてそのままシズちゃんの膝の上に座らされてしまう。しかも軽々と両手で宙に何度か掲げられ重さを確認されて、あやされる子供の気分だった。きっと無意識なのだろうが、恥ずかしくてしかたがない。

「そうだねこんなのでよく今までシズちゃんみたいな化け物とやりあってきたよね。大変だったんだから」
「なんか悪かったな。いや、でも手前ももっと早く好きだって言ってくれりゃあ……」
「言ってたじゃない、愛せないけど好きだって」

しかしそれは本当は全く伝わるはずはなかったのだ。多分きっと、今も本人には伝わってはいないだろう。この変な呪いとやらで現れたシズちゃんに伝わっただけのことで、ただの一人芝居にしかすぎない。

「でもね俺は一人芝居なんかで終わらせないよ。後でどうなってもいいから……楽しみたい」

「臨也?」

瞳を細めて柔らかく微笑むと、首にそっと手をまわして今度は自分から唇を近づけていった。すぐに気配を察して抱く力を強めてきたので、上半身をゆだねながらしっかりとしがみついた。
最初は唇の表面をぴちゃぴちゃと舌で軽く舐めて、ほんのりと湿ったところで口を割り開いて舌を差し入れた。すると待ち構えていたように熱い塊に迎えられて、お互いに絡ませ合っていった。
全く激しさはなくねっとりゆっくりと混じり合って、唾液ですぐにぬるぬるになった。

「ん、ふ……っ、う」

軽く鼻から息が抜けていって、色っぽいようなため息が漏れた。しかしそんな声を出すのに抵抗はなく、自然とどんどん息が荒くなっていく。まるで女みたいな高い音色だったが、そんなに嫌ではなかった。こうして甘えるようにキスをすることですら、悪くないと思っている。
拒まれずにすべての行為が喜ばれるのがわかっているから、できることだった。多分今のシズちゃんは俺がナイフで刺したとしても、笑って許してくれるだろう。

「う、んぅ、っ……は、ん……」

さっきから随分と長いことキスをし続けていたので、少しだけ息苦しくなっていたが、それとは別に全身がむずがゆいような感覚にとらわれていた。くすぐったいのとは違う、微妙な熱のようなものをしっかりと感じ取っていたのだ。
やがて二人とも息遣いがはっきりと荒くなってきたところで、どちらともなく唇が離れた。そのまま数秒じっと見つめ合う。
シズちゃんはサングラスをかけているので素顔がはっきりと見えなかったが、こんな近い距離で眺め合うなんて次に予想される行動は一つだった。

「なあ臨也、もしかして誘ってんのか?」
「ふふっ、やっぱりわかっちゃったかなあ。でもね俺は本気だよ?」

すぐに見破られたことに、安堵を感じた。このシズちゃんは本当に俺のことならなんでも知っているみたいに理解してくれる。それがたまらなく心地よかった。ちょっとキスをしただけでエッチがしたいことまで察してくれるなんて、相当だった。
このまま俺は体の繋がりが欲しいと切実に思ってそれを態度に表しただけだった。
だがこの一線を越えると二度と元には戻れないことも、痛いぐらいに承知していた。きっと元に戻ってシズちゃんにこの行為がバレれば、きっと軽蔑されてしまうだろう。でもだからといって諦めたくなかったし、こんな簡単なチャンスが目の前に転がっているのを逃すわけにはいかなかった。

「いいのか?告白したのだってさっきだし……」
「今すぐ欲しい……シズちゃんの熱が」

言葉を完全に遮って、はっきりと告げて首に伸ばした腕にぎゅっと力を込めた。密かに震えてはいたけれどそれを悟られないように慎重に、最高の笑顔でふくませるように言った。
すると一瞬だけ驚いたような表情をしたが、すぐにふっと綺麗に笑って俺の腰のあたりを掴んで抱き上げた。

「ソファでも大丈夫か?あとなんか滑るをよくするもんとかねえか」
「あぁそれならそこの引き出しの下から二段目に入っているよ」

ローションのことだとすぐに思い至り、手早く置いてある場所を指示するとすぐに目当てのものはみつかったようだった。手に掴めるぐらいの大きさのボトルが取り出されて、掲げながら呆れたように言う。

「こんなところに入れてやがって、自分でやってたのか?」
「さあそれは想像にお任せするよ」

自慰なんてしているわけがないのだが、はぐらかすように言ってみた。確かにこんなところに置いていれば、誤解されてしまうことは否めない。
何を思ったかは知らないが、ほんのりと頬を染めて視線を少し反らしたので完全にいかがわしい想像をしているんだろうなと確信はした。別にシズちゃんにならどう思われたって、ただ嬉しいだけなんだけどそれは本人には言わない。

内心ほくそ笑んでいると、急に体を軽々と抱きかかえあげられてそのままソファの方に向かって歩き出した。これぐらいなら普通に歩ける距離なんだけど、こういう時は甘えたほうがいいだろうと思い自分から手を首に回してしっかりと抱きついた。
すると意外そうに瞳をパチパチさせた後ににっこりと笑って、そうしてソファに座らせてくれた。一連の動作がすごく丁寧で、愛されているんだなと素直に感じることができた。
元々本人が感情を思ったままに表現するタイプだから、呪いのせいでもそういうところは変わらないんだろう。お互いに言葉はなかったけれど、充分にわかりあえているような気でいられた。

俺なんかはひねくれてるから、きっとこれが普通のシズちゃん相手だったら、自分から甘えたりなんて絶対にしないだろう。普通の状態じゃないってわかっているから、楽に自分を晒けだすことができるだけでなんだか変な気分ではあった。
でもなかなかにこれも悪くはなかった。

「じゃあどうしようか?とりあえずシズちゃん解してくれる?俺はじめてだし」
「そりゃ当たり前だろ。痛い思いなんてさせたくねえしじっくりしてやるよ」

とりあえず自分のズボンのベルトに手をかけて脱ぎながらそう告げると、ニコニコと少しだけ厭らしい感じに口の端をつりあげて笑ってきた。ただ優しいだけじゃない一面が見れて、こっちも同じように笑い返した。
とりあえず下は全部脱いだところでどうしたらいいのか、と考え込んだ。男同士なんて当然はじめてだし、どの体勢がいいのかわからなかったからだ。

「四つん這いになって尻を突き出せばいいんじゃねえか?それならほぐしやすそうだし、こっちも最高の眺めなんだが」
「やだなあ意外にエッチなんだね、シズちゃん」

そうは言いながらも確かにそれが最善策に思えたので、意を決してソファに手をついて恐る恐るシズちゃんの方に体を向けた。恥ずかしくてたまらなかったが、これはしょうがないんだと自分自身に言い聞かせた。

「こりゃほんとにすげえエロい眺めだな……とりあえずローション塗るぞ」
「……ぁ、っ……つ、めた」

驚きの声をあげながらもボトルを手に取って、中身を手のひらに出したところまで見届けると、未体験の感触に備えた。ソファの上に置いていた手に拳を作って待ち構えていると、ぬるついて冷たい粘液が後孔の周辺に塗り広げられた。
それだけでぞくぞくと変な感触が広がっていって、もどかしいようななんとも言えない気持ちだった。悪くはないけれど、本当に不思議で勝手に腰が動いてしまう。
くちゅくちゅという水音が更に気持ちを煽ってきて、どんどん興奮していく。まだ下が反応するほどではなかったが、じわじわと熱が溜まっていくようだった。

「指入れるぞ、力抜けよ」
「えっ、あ……はやっ……っ、う、あ、あぁ、はぁああ……ッ!?」

宣言された直後に体の中を割り開くように異物が侵入してきて、あまりの出来事に声を上げて全身をガクガクと震わせた。必死に息を吐き出しながら、目元にはうっすらと涙が溜まってきていた。
それでも痛みがないのが幸いで、滑るように中にローションを丹念に塗りながらじわじわと進んでくる。

「すっげえキツいな……でもこれすげえ震えてるんだがもしかして気持ちいいのか?」
「う、っ……っ、あ、んぅ……ちが、うって……ぇ」

まだ気持ちいいとは違う気がしてそれは否定した。しかしさっきまで反応もなかった自身が、軽く勃ちあがりかけている事実に戸惑いを隠せなかった。女とは違うってわかっていながらも、鼻にかかったような声を出して息をつく自分に、一番俺自身が驚いていた。
やがて指がすべて体の中に埋まったので、ようやくそこで安堵した。しかし狙ったかのようにすぐ次の指が挿入されて、体がギシリと音を立てて軋んだ。さすがに二本目は厳しいのかと思いきや、根気よく指でほぐされていくとどんどん入りこんできてすごい状態だった。

「んぁ、あ……はー、はぁ……ん」

声を堪えることも忘れて、必死に与えられる快楽に流されてしまわないように気を配った。まだこんな責めは序の口なのに、喉の奥がカラカラに乾いてなかなか息が続かない。予想以上に切羽詰っている自分に、笑いが出そうだった。
シズちゃんと早く結ばれたい気持ちばかりが焦ってしまって、さっきから心臓はうるさいぐらいにドクンドクンと鳴り響いている。

「おい臨也大丈夫か?」
「ん、うぅ……っ、シズ、ちゃん……ぅ、ぁ」

額をソファに擦りつけて耐えていると、さすがに驚いたのか心配そうな声が掛けられた。不安を与えるつもりはなかったので、首だけをゆっくりと後ろに振り向かせて名前を呼んだ。
大丈夫だと笑ったつもりだったが、うまくいったかどうかは定かではなかった。

「っ、臨也やべえ、その顔……早く入れたくなったじゃねえか」
「おれ、だって……はやく、ほし……いッ!」

目の前で表情が険しくなって、それに伴って指の動きが少しだけ性急に蠢き始めた。ここまでじっくりされていた為か、切れたりチクチクする痛みもなくちょうどいいぐらいだった。
一突きされる度に理性が消えていって、欲しい、欲しいと頭の中で何度も繰り返していた。
気持ちいい刺激が早く欲しいという意味ではなく、早く二人の体を繋げて証が欲しかったのだ。愛されているという確かな証が、早く欲しかった。

「そろそろ入れていいか?」
「は……はぁ、うん」



* * *



「おかえり……ってどうしたの?なんか汗だくなんだけど、誰かに追われでもしてたの?」

軽く肩で息をしながら部屋に入って来たのに対して、声を掛けた。するとあちぃと言いながらつい癖で汗をぬぐおうとしたのかサングラスにふれてきたので、椅子から立ち上がって全力で駆け寄って行った。

「あれ?……な、うわ、おい……!?」
「シズちゃん!帰ってきてそうそう気を抜かないでよね!危ないなぁ、まったく……」

目の前でサングラスを完全に外してしまい、一瞬呆気に取られたかのような顔をしていたがすぐに戻してなんとか危機は脱することができた。おもいっきりため息を吐くと、しょうがないのでハンカチを差し出すと悪いなと言いながらそれと受け取って額をぬぐい始めた。
明日からはハンカチぐらい持たせてやろうと考えかけたところで、どうしてそんなに急いで帰って来たのかを問いただした。

「ねえどうしたの?誰かに追われた?なんかあったの?」
「あーいや別になんでもねえ。とりあえず汗かいたから先にシャワー使っていいか」

その言い方がまるで急いで帰ってきた理由を言いたくないと告げているようだったので、ダメだと言って鋭く睨み付けながら目の前に立ち塞がった。長期戦を覚悟で黙ってただ睨んでいたのだが、意外にも折れたのは向こうが早かった。

「……悪い、こんな嘘臨也にはバレバレだよな。ならしょうがねえ」

観念したように薄く笑うと、いきなり腕をぐいっと引っ張られてそのままシズちゃんの胸に顔を突っ込むような形で抱き寄せられた。もしかしてはぐらかすつもりなのかとも考えたが、背中をしっかりと掴んでなかなか離そうとしなかったので、その間に段々とある一つの仮説が生まれてきていた。

「ねえもしかして、早くこうしたくて帰ってきたとか言うんじゃないよね?」

「おい、なんでわかった」

間髪入れずに言葉が返ってきて、おもわず大きなため息をついた。あまりにもセオリー通りすぎてなんと言っていいかこっちがわからないぐらいだ。昼間のあれがそんなに効いているのかと、頭が痛くなりそうだった。
大事に想ってもらうのはいいことなのだが、それにしても少し過剰すぎないかと諌めることにした。とりあえずこの体を離してもらおうと腕に力を込めたのだが、相変わらずびくともしなかった。

「ちょ、っと説明するから離してよもう!」
「あぁそりゃ無理だ。あれからもう心配で心配でイライラして即効で仕事終わらせてきたんだ。こうしてねえとどっか勝手にフラフラ行っちまいそうだしな」
「わかったから、どこにも行かないから……離して、って!」

どこかに行ってしまうのはそっちの方だろうとツッコミを入れたかったが、それはやめておいた。俺が虚しいだけだとわかったからだ。
でもその言葉が酷く深く胸を貫いたようで、息苦しくなった。
頭の中で考えないように、考えないようにと唱えているのに勝手に想像してしまう。この生活が終わってしまう、瞬間を。


「なぁ今すぐ抱いていいか」


しかも追い打ちをかけるように、シズちゃんの方から告げられる。
自然と口元がゆるんで、自嘲気味な笑いが漏れた。嫌なことを考えてしまわないように、体の繋がりで忘れさせるなんてあまりにも定石すぎるがそれでも悪くないと思えるようになっていた。

「俺も同じこと思ってたんだ」

暫く無言で黙っていたが、ようやくそう答えると顔を上げた。
少しだけ背伸びをして俺の方からそっと唇を近づけていって、そのままふれた。柔らかな感触が当たって、半開きになった口内に舌を滑りこませていく。ぬるりとした舌がふれあったので、そのままぺちゃぺちゃと音を立てながらお互いに感触とぬくもりを確かめ合った。

「ん……ぅっ……」

ただ求め合うだけだというのに、心がどんどん落ち着いていった。さっきまでのざわざわとしていた気持ちが、どんどん溶かされていくような気分になり、いつのまにかなにもかもがどうでもよくなっていた。
何度も何度も同じ動作を繰り返しているだけなのに、不思議と飽きることもなくてこのまま何時間もこうしていたい気分になる。何も難しいことは考えずに、ぬくもりを確かめ合うだけでよかった。
けれど向こうは違ったみたいで、体が密着しているからこそわかる感触が伝わってきた。さすがにこの状態では、男としての性欲には勝てないようだった。

「は……っ」

ゆっくりと唇が離されたので、少しだけ息を吸い込むと熱が籠っているようにも感じられた。

「悪い待てそうにねえ」
「いいよ」

短く返事をすると、急に体が浮かびあがって抱きかかえられていることに驚いた。目を瞬かせている間にそのまま歩き出して、ソファの上に丁寧に下ろされる。どうやら俺の部屋まではもたないみたいだった。
その後すぐに俺の机の周辺まで歩いて行って、昨日使ったまま置き去りにしていたローションを手に戻ってきた。
余裕がないくせにこの辺りは気がつくというか、抜け目がないんだなと笑いがこぼれた。
「なんだよ」
「いや、別に?」

当然のことながら向こうは意味が分かっていなかったが、それでよかった。

















































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