ウサギのバイク CHOCOLATE PHILOSOPHY①
2ntブログ
04≪ 2024/05 ≫06
12345678910111213141516171819202122232425262728293031
-------- (--)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
| スポンサー広告 |
2010-02-18 (Thu)
静雄×臨也 ※18禁注意

バレンタイン話 誘い受け臨也 定番のアレです

* * *
「やぁシズちゃん待ってたよ!」
「てめえぇイザヤ、俺を呼び出す為だけに嫌がらせしてくんのはそろそろやめろよなあ?」
扉を開けると額に青筋を浮かべて壮絶に殺気を出しているシズちゃんが立っていた。ほぼ思っていた通りの時刻に辿り着いてくれた。

「別に今日のは普通でしょ?女の子からチョコレート渡されたと思ったら俺からのラブレターでしたっていつもに比べて優しいもんだよね。まぁバレンタイン仕様なんだけどさ」
数時間前池袋に立ち寄った時にシズちゃんの働いている店が終わる時間を見計らって、その辺にいた女の子にチョコを渡して届けて貰うようにお願いしたのだ。
男じゃ恥ずかしくて渡せないから、と適当な理由をつけたら黄色い悲鳴をあげられたのでそういうカップルだと思われたかもしれない。別にそんなことはどうでもよかったけど。


今日は二月十四日でバレンタインだ。興味なんてさらさら無かったけれど、シズちゃんに嫌がらせをするのにはちょうどいいネタだった。
まぁ俺たちは一応つきあってたし、チョコくらいあげてもいいかなと思ったけれど普通に渡すのはやっぱり面白くない。
散々いじって遊んで最後に軽く仲直りすればいいのだ。


「とにかくあがってよ、おもしろいもの用意してるから。あぁ一応そのチョコも俺からだから受け取ってくれるよね?食べ物を粗末にしたりなんかしないよね?」
「最低な奴だな」
「ありがとう、俺にとっては最高の褒め言葉だよ」
家の中に案内しながらいつものように軽口をたたきあった。つきあうようになってから本気で喧嘩する頻度は減った。もっともシズちゃんが怒りを我慢してくれているというだけなのだが。
とりあえず俺の部屋に案内すると机の上に乗っていたものを見て、シズちゃんがぽかんと口を開けて動きがその場で止まった。


「な、なんだこれ?」
「あぁやっぱり知らないんだ?チョコレートファウンテンっていうんだよ。最近は一泊二日でレンタルしてるところがあってさ、大人気なんだよ。いやーすごいよねチョコレートの噴水」

明らかにこの部屋に不似合いな、ケーキとは少し違うが大きさ的にはウエディングケーキほどありそうな大きさの茶色い物体がそびえ立っていた。
その周りには色とりどりのイチゴやバナナパイナップルなどの果物から、マシュマロやスティッククラッカーなどのお菓子類が並んでいた。明らかに二人で食べる量ではないが。

「まぁとにかく座ってよ。二人で楽しむために注文したんだからね?俺紅茶でも入れてくるからさ」
とりあえず椅子に座るように促してから用意していた紅茶を入れるために台所に向かった。呆然としていたシズちゃんの顔があまりにもおもしろくてつい思い出してほくそ笑んでしまった。


「じゃあ早速食べよっか?」
「まったくよくこんなの取り寄せたりするよな…で、どうやるんだ?」
「その棒みたいなやつの先に果物とか差して滝の中に突っこんでチョコレートを全体にかけるだけだよ。汚れるからちゃんとお皿構えてからやってね」
真剣な表情で俺のほうをじっと見つめていたので、あぁやっぱり説明しただけじゃよくわからないんだと思った。
しょうがないので見本を見せようと手に棒とお皿を持ってイチゴを刺し、上から流れているチョコレートの滝の中に入れて引き抜いた。
ドロドロのチョコレートがこぼれる前にお皿を差し出して受け取ったので机が汚れたりなどはしなかった。たっぷりかかったチョコがボタボタと皿の上に落ちていたので慌てて口の中に運んで食べた。


「なるほどそうやって食べんのか」
「すごいでしょ?いっぱいあるから全部食べてもいいよ。俺なんか見てるだけでお腹いっぱいになっちゃったから」
「てめぇも食え」

お皿を置こうとしたらものすごい形相で睨まれてしまった。こういうところは律儀というかきっちりしているのがシズちゃんだ。
大嫌いな相手から出されたものでも、基本的に頭に血がのぼってなければ物を壊したり粗末にしたりということはないのは昔から変わっていない。
やれやれ、と思いながら再び果物を取りものすごい勢いで動いてるチョコレートの塊のほうに向いた。



「おいさすがにこれ以上は無理だぞ?残ったのどうすんだ」
「俺も胸焼けしてるよ…っていうかもしかしてシズちゃんはそのチョコレート全部食べる気だったの?これ五kgもチョコが使われてんだよ、明らかに食べれないよね?」
設置してチョコを溶かすのもかなり時間がかかったけれど、余った時はどうするのかまでは全く考えていなかった。
甘ったるい香りが部屋中に充満していて、もう当分甘いものはいいという気分になっていた。口直しの紅茶を何杯飲んだかわからないぐらいだ。


「うーん…どうするかな。あ、そうだ俺いいこと思いついたよ!」
チョコレートの使い道について考えを巡らせていると、最高におもしろそうなことが頭に浮かんだのですぐに実行する事にした。


「おい、イザヤ…なに服脱いでんだ?」
俺の行動を眺めていたシズちゃんは心底呆れたような顔をしてため息をついていた。まぁ確かに急にこんな素晴らしい裸体を晒されたら驚くのも当然だよね。
口元に笑みを浮かべながら服をソファの上に置き、おもむろにチョコレートファウンテンの中に指を二本入れた。どろどろの液体が手を汚していたが構わなかった。
そして指の腹で受け止めたチョコレートの液体をなるべくこぼさないように、自分の胸のあたりまでもっていってある部分二箇所に塗りつけた。


「は……?」
完全に目が点の状態だったのがおかしくて声に出して笑い、指に残っているチョコレートを舌で舐め取りながら最高の誘い文句を言った。


「シズちゃん俺のチョコ舐めてよ。ついでに下のほうも」


NEXT
| 小説 |