ウサギのバイク す・き・に・し・て~プレゼントは俺~ ①
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2011-01-28 (Fri)
*リクエスト企画 辛苦 様
静雄×臨也 ※18禁注意

九十九屋が媚薬投薬済みリボンラッピング臨也を静雄宅に届け甘々な話
※リクエストは聖夜だったのですが静雄の誕生日プレゼントになりました

* * * 「なんだこりゃあ、よお…」

玄関先に置かれた箱を睨みつけながら、既に5分以上が経過していた。
箱の大きさはスーツケースよりはでかいが、ピンク色の包装紙に大袈裟なぐらい大きなリボンが撒きつけてあって怪しさを醸し出している。今日の日付は1月28日で、俺の誕生日だ。
仕事から帰って来たらタイミング良く宅配業者がやってきて、まるで待っていたかのような錯覚さえ覚えた。そんなことはないだろうが、あまりにもできすぎていたのだ。
こんなことをする奴は、一人しか心当たりがなかった。だから箱を開けられないでいたのだ。
とりあえずこのままでは埒があかないので、とりあえず箱に向かって耳を押し当てて何かが聞こえないか確かめる。爆発物などだったら時限式タイマーがあるはずだ。
その音でも聞こえないだろうかという気持ちでそうしたのだが、聞き耳を立てていると微かに風の音のようなものが耳に届いた気がした。

「もしかして生き物でも入ってんのか?毒蛇か?それともこのぐらいの大きさなら熊でもおかしくねえな。いくらなんでも動物虐待をする趣味はねえぞ」

微妙な気分に陥りながらとりあえず箱の端をコンコンと叩き、生きている物なのかどうか確認することにした。すると間髪入れず内側からドンドンという音が聞こえてきて、俺は慌ててしまった。
まさか返事があるなんて思わなかったのだ。

「えっ!おいおいやっぱり熊なのか!?いやいやそうじゃなくても、中に閉じ込められてんのなら出さねえと…」

どんな嫌がらせな生き物が入っているのかと緊張しながら、リボンを解いて包装紙をビリビリと破り木枠でできていたらしい箱を開けて――再び閉じた。


「あぁ夢だな。そうだこりゃ夢だ、危ねえ危ねえ…騙されるところだった」


額から流れた雫を拭ってため息をついたのだが、箱の中から再びドンッという振動が響いて我に返った。そこでようやく、事態を把握した。
形振り構わず木枠を握ると、そこからバキバキッと酷い悲鳴をあげながら壊れてさっき閉めたはずの蓋がガランと床に落ちた。そうして目の前に晒されて姿に、ごくりと息を飲んだ。
ほとんど全裸に近い状態で、黒いコートをかろうじて腕の部分だけ残して全身を派手な蛍光ピンクの近い色のリボンが覆っている。
見た目にもきっちりと手足や体を縛っていて、芸術的にも見えた。誰がこんなことをしたのか、という疑問は残ったがとりあえずは忘れた。
そうして瞳の部分もそのリボンで覆われ、口からもハンカチのようにピンクの布が見えて、耳にはヘッドフォンのような耳あてがつけられて音が聞き取れないようになっているのだろう。
微かな呼吸音だけがするので生きているのだろうが、一番酷いのは下半身だった。なぜか半勃ちになっているモノの根元にも戒めるようにリボンが結ばれていた。

「どうしてこんなもんが、俺の家に届くんだよ…」

呆然としていると、その男の足元に封筒が落ちているのが見えた。慌てて拾い上げて中身を確認すると、衝撃的なことが書かれていた。

『平和島静雄様へ。お誕生日おめでとうございます。ささやかなプレゼントとして彼を贈ります。既に媚薬を投薬済で数時間放置されています。きっとあなたの望むままに、何でも受け入れてくれるでしょう。どうぞ好きにして下さい。九十九屋真一』

「って、誰だこいつ。つーか俺の望むままって…この書き方じゃあ俺があいつに惚れてるって九十九屋って奴は知ってんるってことか?マジか?トムさんにしか話したことねえのに?」

どこでどんな奴が聞いているかわからないから滅多な話はしないほうがいい、などと俺に言ってきたのは臨也だっただろうか。その言葉の意味を痛感していた。
喉をごくりと鳴らして、飢えた獣のような瞳で眺めながら既に反応し始めている下半身とそいつの姿を交互に睨みつけた。聴覚も視覚も言葉さえも奪われた状態なら、確かに好きにできる。
しかもご丁寧に縛りあげている上に、スムーズに行為ができるように媚薬まで打たれているのだ。実に準備がいい。九十九屋という奴が誰かは知らないが、相当すごい奴なのだろう。

俺でも未だ捕まえることができないでいる、折原臨也をこうもあっさりと捕えて淫らな恰好をさせているのだから。


「先越されちまったじゃねえか…でもまだやばいことはされてねえんだよな?」

微かに全身を震わせながらぐったりとしている体をまじまじと眺めながら、下の方を確認した。入れるべき場所には、なんの傷もなくてほっと胸を撫で下ろした。
ただでさえこいつは顔が小奇麗だし、苦痛に顔を歪めている時が一番そそられる。追いつめて身動きが取れなくなった時に睨みつけてくる瞳が、好きだった。

臨也が、好きだった。

それに気がついたのは高校を卒業する間近のことだ。いつも当たり前に喧嘩していたが、卒業したら別々の道を進んで行くんだと自覚した途端だった。
一番喧嘩に明け暮れていたのもその頃だったが、すべての首謀者だった臨也自身はまさか好かれているなんて思わないだろう。
もどかしい気持ちを向かってくる相手に変わりにぶつけて、もやもやした気持ちを振り払っていたのだ。それは今でも変わらない。
暴力を振るうのは大嫌いだが、俺にかかってくる奴は大抵こっちを怒らせるようなことをしてくる相手だったので容赦はしなかった。鬱憤を晴らせて、スッキリしていた。
けれども根本的な性の部分はどうしようもできなくて、何度臨也をおかずにして自慰をしたか数えられない。俺の想像の中のあいつは、従順に足を開いて誘っていたが所轄想像だ。
しかし今目の前に居るこいつは、想像なのではなく本物なのだ。喜ばずにはいられなかった。

「これ本当にやっちまっていいのか?まあこの手紙さえありゃ、いいわけはできそうだしいいか。とりあえずあえぎ声だけは聞きてえから、これは取るか」
「ぷ、はっ…!は、はぁ、は……っ、う」

そう呟きながら口元に手を伸ばして乱暴にハンカチを取り去った。すると息苦しそうな呻き声が臨也の唇から漏れて、それからすぐに激しい息遣いへ変わった。
想像していたのよりも艶っぽく生々しいあえぎが聞こえてきて、雷に打たれなみたいな衝撃が全身を襲った。しかしそれだけでは終わらなかった。

「は、ぁ…ねえ、誰?誰かよくわから、ないけど…っ、よかったら外してくれない、かな?くるし、くてぇ…っ、あ、おねがいっ、だから…」
「おいおいこの俺を誘おうっていう魂胆か?それには乗らねえぞ…!って、そうか聞こえねえのか」

すぐに返事を返したところで気がついて、一人で納得した。普通に考えて、助けたのが俺とわかった時点で口調が変わる。こんな弱々しい声でねだったりはしない。そういう奴じゃないのだ。
いや、一応俺の妄想の中のこいつはいつでも従順で思い通りに動き、甘く愛を囁いてくれてはいたがそれ以上だ。生々しくて頭がくらくらしそうだった。
俺の声が聞こえなくて相手が誰か認識できない上に目も覆われていれば、怯えるのも無理はないだろう。だから存分に利用させて貰うことにした。
そうだ、今日は俺の誕生日なのだし手紙にだって書いてあったのだから、躊躇う理由は無い。

「あの…ほんと、俺困ってるんだ…せめて何か反応を返してくれない…かな?外してくれなんて言わないから、せめて手を…握り返して欲しい、んだけど…っ」
「はあっ!?手を握れ…とか、わかってんのか?もしこれがおっさんとかだったらどうすんだよ?いやいや、熊とかだったら引っ掻かれてんぞ大丈夫か?じゃなくて俺が混乱してどうすんだ!」

あまりに普段の臨也からかけ離れたことを言われて、驚くどころかツッコミを入れる始末だった。待て待て、そんな性格じゃねえだろうと怒鳴りつけてやりたいぐらいだった。
人間、望んだ以上のものを手に入れるとそれはそれで違和感に驚いたりするものなんだと、いい経験ができた。あぁよかった、と思いながら勝手に体は動いていた。
すぐ近くまで体を寄せて、そうして言われた通りに手を握ってやろうと思ったのだが、後ろで縛られているようで手首に綺麗に蝶々結びが括りつけてあった。

「こりゃ弱ったなあ、手がだめじゃどこがいいんだ?他にあるとしたら…」

しかしそこでふと、気がついた。一箇所だけあったのだ。まさに今俺が解放したその場所が、ぷるぷると震えながら誘っていた。だから俺は迷わずに、飛びついた。

「どうした……の?君は…っ、う!?ん…う、くぅ……ッ!!」

半開きの唇に自分の唇を強引に押し当てると、柔らかい感触が伝わってきた。想像を絶するぐらい弾力もあり、しっとりと湿っているようだった。正直にここまでとは思わなくて、困惑するぐらいだった。
でも悪くは無かった。臨也とのキスは悪くは無かった。
はじめは硬直して固まっていたのだが、そのまま優しく舌で唇をなぞって何度か往復していると迎え入れるように結ばれていた口が開いた。
その隙を逃さずぬるりと舌を差し込んで、唾液が垂れるのも構わずに奥まで伸ばし必死に舐め取った。口内のぬめる粘液すらもすべて食い尽くすぐらいの勢いで舐め続けた。
すると鼻から息が抜けて、甘えたような吐息がこぼれた。

「ふ…っ、う……は、うぅ、ん…っ、はぁ、はふぅ……」

その声だけでもう完全に俺は反応していて、すべての準備は整っていた。沸きあがる欲望を必死に抑えこみながら、ひたすらに唇を貪り続けた。

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