ウサギのバイク 愛縛②
2ntブログ
04≪ 2024/05 ≫06
12345678910111213141516171819202122232425262728293031
-------- (--)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
| スポンサー広告 |
2011-01-31 (Mon)
*リクエスト企画 lean様
静雄×臨也 ※今後の展開で18禁シーンが含まれます

静雄が臨也を監禁する話 切なめ→甘め和姦 微ヤンデレな二人

* * *

「えっと……あれ?なに、これ…?」

目を見開いてぼんやりとした頭のまま起き上がろうとして、それができないことに動揺を隠しきれなかった。慌ててその原因を探るべく自分の体を見下ろしたら、信じられないものが首に嵌っていた。
驚きながらその感触を手で確かめようとしたのだが、腕が振り下ろされることはなかった。途中で何かに引っ張られてしまい、そこで動けなくなったのだ。
呆然としながらもう一度首元を眺めて、今度こそ真っ青になった。
革製の赤い首輪の真ん中に大袈裟な鎖がつけられていて、その先を辿ると寝かされていたベッドのパイプに伸びているようだったのだ。きっと腕の方も同じようになっている。
しかしその時ふと足首にも違和感を感じたのでひざを折り曲げてみると、そこにも足枷が嵌められていた。首や手の鎖よりは長めに調整されていたが、やっぱりどこかに繋がっている。
つまりは手足を逃げられないようにしっかりと拘束されているということだ。なんでこんなことになっているのかと記憶を思い出そうとして、それより先に部屋の中から音がして誰かが現れた。

「なんだ、うるせえと思ってたら。起きてやがったのか」
「シズちゃん……?あれ、俺ってどうしたんだっけ?逃げようとしたところまでは覚えてるんだけど…って、もしかしてこれ、を嵌めたの…」
「あぁそれをつけたのは俺だ。つーか自分から足引っ掛けて転ぶとは間抜けだよなあ。こっちには都合よかったが、災難だったな」

その言い方にムッとしたが、とりあえず状況がわからなかったので黙り込んだ。するとどうやら風呂あがりらしいシズちゃんがタオルで頭をガシガシと拭きながら、尋ねてきた。
あまりにも普通の言い方に、すぐに返事はできなかったが。

「晩御飯ぐれえ食べるだろ?俺も仕事続きで疲れてたから大したもん作れなかったが、文句言わずに食べろ」
「……は?あれ?えっと…どういう、こと?」

目が覚めた時よりも頭の中は混乱していて、必死に言葉の中から意味を読み取ろうとしたのだがまるっきりダメだった。俺には何も理解ができなかった。
しかし困惑している間に勝手に立ちあがり、台所の方へ一度行ってすぐにトレイを持って戻ってきた。その上には食器がいくつか乗っていて、首を傾げた。それから衝撃的なことを告げてきた。

「俺が食べさせてやっから、どれがいい」
「え……?食べ……?え、待ってなんで?手枷さえ外してくれたら自分で食べれるからいいよ。っていうかその前にまずシズちゃんが俺にご飯を食べさせるなんて…」
「それを外すのは無理だ。できねえ。だから食べさせてやるって言ってんだよ」

こっちはまるっきり意味が分からなくて混乱しながら、冗談交じりの口調で話していたが、向こうは至って真剣のようだった。一見大人しくしているようだったが、瞳は鋭かった。
それは俺の事なんて、何も信用していない瞳だった。ぞっと寒気が背筋をかけあがっていった。
いつも顔を合わせている時より優しいことを言っているようで、実際は見かけだけだ。俺の事を拘束して逃げ出さないようにしておいて、食事は与えるなんてどんな冗談だろうか。
俺なら、折原臨也ならここは怒るところだ。シズちゃんのことが嫌いで、殺したくて、憎いと思っている仇敵であれば滅茶苦茶に暴れて逃れようとするだろう。だけど。

「ははっ、それじゃダメだよ。味噌汁とか箸でどうやって食べるんだよ。そっちはスプーンですくってくれないと、困るだろ?」
「あ…?なるほどそうか、待ってろ」

そう告げると、すぐに意味に気がついたシズちゃんがトレイを床に置いてから立ちあがり、台所に俺の指定したスプーンを探しに戻っていった。後ろ姿を見ながら、俺は一人でほくそ笑んでいた。
そうだ、シズちゃんの知る折原臨也ならこんな反応はしない。こんなに穏やかに会話をしたりしない。でもこの状況を見て、チャンスだと思った。
最終的には俺を殺すのを目的だとしても、こんな機会は二度とないと確信したのだ。誰も知らない、もう一人の折原臨也が顔を出した。
シズちゃんのことが、実は出会った頃から好きで、好きで、好きでもうどうしようもないと思っている、折原臨也だ。
いつか殺されるとしても、傍に居られるなら手段も選ばない。身動きが取れないようにされていようが、これからどんな酷い仕打ちをされようが、一時でも一緒にいられるならそれでいいと。
例え食事に毒が入っていたとしても、この後首を絞めて殺される前の最後の食事だとしても、構わなかった。
シズちゃんの手作りの食事を、本人から食べさせてもらえる為なら、これまで嫌われ喧嘩をすることでしか得られなかったものが命と引き換えなら喜んで差し出そうと。
この思考は病んでいるという自覚はあったが、やめられなかった。

「料理とかできたんだね、ちょっと意外だったよ」
戻ってきたシズちゃんに素直にそう告げたのだが、今度は向こうの顔が険しくなった。怒らすことを言った覚えは無かったのだが、何かマズかっただろうかと首を捻っていると、突然怒鳴られた。

「何を…企んでやがる。どうやって逃げるか考えてるんだろ?いつから手前は俺に対して媚び売れるようになったんだよ」
「はあ?いや待って、なんで普通に返したらそんなこと言われるんだろ。お腹減ってるし、どうせ逃げられないことは俺が一番わかってるじゃないか。それに」
「この後、俺を殺すんだろ?」
「な、んだと?」

俺の横に立ち尽くしたまま、なぜか固まっているシズちゃんに対して遠慮なく自分の考えを言い続けた。

「だってそれ以外に君が俺に優しくする理由なんて無いじゃないか。最後の好意ぐらい素直に受け取っておこうと思っただけだよ。やっと捕まえられておめでとう、これで池袋にも君の周りにも平和が訪れるよ。念願叶ってよかったね。俺が死んだ後のことがわからないのが残念だけど、降参だ。俺の負け」
「おい待てって!なに勝手に一人で言ってやがんだ!誰も手前を殺すなんて言ってねえだろうが!」
「え?違うの?じゃあなんでこんなこと……えっ、もしかして、俺の体でも狙ってる…なんて、はは」

てっきり殺すのが目的だと思っていたのに違うと言われて、頭の中は混乱した。それ以外に俺にどんな用があるのだろうか必死に考えて、考えた結果は最悪なものだった。
暴力でないとして、後に残っているとしたら、性欲を俺で満たすことしか考えつかなかった。端的なシズちゃんの思考では、それぐらいが精一杯のはずだ。
けれど俺は、殺されるのは許せるけれど、性欲処理なんかに使われるのは嫌だった。
殺すのは一度だけだ。ほんの一瞬耐えるだけでいいのに、性欲の為に体を割り開かれる行為は一度許すと何度も繰り返すだろう。それこそ一生続くだろう。
そんな拷問地獄が続くだけなんて、嫌だった。そんなのは許せなかった。好きだからこそ、それは許せなかった。

「体って……俺がそんな風に見えんのか、手前は?」
「あ、いや違うならいいんだけど。冗談だって…」
「いや間違っちゃいねえ。そういうことを考えたことはあるんだよ。真っ先に指摘されるとは思っちゃいなかったけどよ」

ほっと一息つきかけたところで、体がぴしっと固まった。つまりは、今の所そんなつもりはなかったけれど、全然ありえない話ではないということだ。なんだそれは。
あまりに曖昧すぎる。つまりは常に身の危険を感じながら過ごさなければいけないということだ。嫌だし面倒に決まっている。
自分自身でも、殺される覚悟はできていても体を凌辱される覚悟はできない、なんて厄介な話だ。でも全然違うのだ。憎しみで暴力をふるわれるのと、憎しみで襲われるのは明らかに別物だ。
だから、殺される予定ではないなら、逃げなければいけないと思った。

「ダメだ…!殺されるのは許容できても、それはダメだ。許せない!離せ、いいからこれ離せよ……ッ!?」
「うわっ、急に何なんだよ。おい臨也くんよお、もしかして見られたらやべえもんでもあるんじゃねえか?」
「は……?ちょ、ちょっとなに、まさかやめ……ッ!」

精一杯の俺の主張が届いたかどうかは微妙だった。それどころか、なぜか別の方向に誤解したらしく、さっきまで穏やかだった微笑みが消え、額に青筋を立てて呻っていた。
これこそがいつものシズちゃんだったので、内心安堵したのだが、そうとも言ってられない状況だった。案の定俺のお腹の辺りにごつごつした手が伸びてきて、そのままシャツをたくしあげられた。
いつもの黒いコートは着たままだったのでまだマシだったが、一気に胸まで晒されて、カッと頬が熱くなった。恥ずかしいどころではない。
ただでさえ自分でも白すぎると思っている素肌に指が這い、顔がゆっくりと近づいてくる。まるで隅々を確認するかのように、じっくりと嘗め回すように眺められて、死んでしまいたかった。

「やめろ、やめろって…こんなのありえない、やめ……っ、うわっ!?」

ありったけの大声をあげて、手足や体を動く限り暴れていると、急にぬるりとした感触の何かが胸の突起に当てられたらしい。
慌ててその方向を見ると、こっちを見上げてきた顔と目が合って、赤い舌がやけに丁寧にそこを舐めていた。その事実だけでも充分ショックなのに、もっと衝撃的なことを告げられた。

「絶対に離さねえ、逃がさねえ、一人にしねえ、だから…俺のもんになれ臨也」

| 小説 |