ウサギのバイク 愛縛③
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2011-02-11 (Fri)
*リクエスト企画 lean様
静雄×臨也

静雄が臨也を監禁する話 切なめ→甘め和姦 微ヤンデレな二人

* * *


「い、意味が…わからないんだけど?説明して…っ、あ、だから舐めるな!やめろって!」
「だから俺のものになれって言ってんだよ」

唐突過ぎる行動と言葉に本当に意味が分からなかったが、生あたたかい舌がゆっくりと胸を撫でることに背筋がぞくりと震えて頬がカッと熱くなった。落ち着け落ち着けと言い聞かせているのに、混乱する頭ではみっともない声をあげないようにするのが精一杯だった。
このままではされるがままになってしまってそれだけは耐えられなかったので、何の考えもなしに唇を開いて話し掛けた。

「あのさあ、それってやっぱり体が欲しいってことだよね?じゃあいいよ、君とセックスしてもいい。だから手足を解放してくれ」
「それだけはできねえ。だってそうしたらあっさり裏切って逃げるだろ?嘘が上手い手前なら、自分の懐に入れて逃がして貰う為に体だって使うだろ?」
「な……ッ!?」

あまりに驚きすぎて、目の前がグラリと揺れた。まさか俺に対してそんな偏見をシズちゃんが抱いているなんて、考えもしなかったからだ。
だいたい性の経験とか発想自体から無縁の、それこそお綺麗な世界だけを見て生きているような人間だと思っていた。だから意外ではあったのだが、それがどうして俺に向くのかだけは不明だった。
実際には自分の体を犠牲にしなくてもやっていけるし、代わりに何人もの人間を使って上手く生きてきた。シズちゃんのことが好きなのとは関係なく、性行為にも興味は無かった。
そういう目で見てくる男が今までいないわけではなかったが、面白がって挑発してみてはするりと躱し、それを楽しんできた。
もしかしてシズちゃんが誤解しているのはそのことなのかとすぐに気がついたが、敢えて言う必要はなかった。逆にそれを利用するべきだと、もう一人の自分が言っていた。
さっきまであんなにもパニックになっていた癖に、あっさりと冷静さを取り戻していた。そうして、シズちゃんのことが好きな俺がとんでもないことを告げた。

「本当にそう思ってるならいいよ、試してみれば?俺も君が欲情してるところに興味あるしねえ」
「人の決意には答えようともしねえでその態度だと?上等じゃねえか、絶対言わせてやるよ。俺のもんだって」
「シズちゃんの思い通りにしゃべる人形に俺がなるとでも思うの?おめでたい頭だね。でも後でこれを外してくれるっていうのなら、協力して……従ってあげてもいいけどどうする?」
「あ?」

少なくとも誰の体でもいい、ということじゃないのならまだ許せた。俺が折原臨也だから犯したい、屈服させて泣き顔を眺めてやりたいというのなら理解できる。
過去に充分恨まれるようなことを散々してきたし、そういう意味でシズちゃんの性の捌け口にでもなれということなら、悪くはない。殺されるより随分とマシだからだ。
それに仕方なく従っているという名目でなら、どんなことを言っても折原臨也の本心としては受け入れないだろう。まさか俺が素直な気持ちを伝えるだなんて、勘ずくわけがない。
だから存分に、利用してやろうという気持ちでそう言った。当然のことながら向こうは顔を上げて、心底驚いたという表情をしていて、俺は気分が高揚した。
当然のことながら行為が終わった後になにがなんでも外させて、逃げるという気持ちは持ったままだった。俺自身が変な気を起こさないうちに逃げなければいけなかったからだ。
まだ傍に居たい気持ちもあるが、近すぎてはダメなのは知っていた。ただでさえこんなにも歪んだ関係だというのに。

「……わかったよ、後で外してやるから俺に従え。絶対に逃げようとすんな」
「いいよ。そっちこそ約束は守ってよね?」
「あぁ、守ってやるよ」

すぐにこっちが頷いて、逆に約束は守ってと言えばすかさず答えてきて一瞬だけドキッとした。こんな風にシズちゃんが俺の言葉に賛同するなんて今までだと考えられなかったからだ。
これはもしかしたらもっとおもしろいことになるかもしれない、と一気に興奮した。ニヤけそうになる口元を押さえながら、鋭く睨みつけるのをやめて微笑みを浮かべた。

「でもさあ、正直に俺男同士でするのは初めてだからちゃんと道具とか用意して貰わないと困るなあ。せめてローションぐらい…」
「これだろ?」
「は……?なんでそんなもん持ってるのさ」
「そりゃ、捕まえたんだから最終的にそういう行為するかもしれねえって期待ぐらいしても…ってそんなことはいい。初めてとか嘘つくんじゃねえよ!」

とりあえずそういう知識はあったので買ってこさせるつもりで言ったのだが、ベッドの下からあっさりと取り出してきて、度肝を抜かされた。でも確かによく考えれば、持っていても不思議ではなかった。
手枷や首輪まで用意するぐらいなのだから、当然そういうコーナーを目にするだろう。しかし、ということはだ。

(復讐するにしても本当に俺をそういう対象で見れるんだ?あのシズちゃんが?信じられないなあ、まるで別人だ)

眼前で騒ぎまくっているシズちゃんのことは放っておいて、じっと顔を眺めた。間違いなく平和島静雄なのだが、開き直ったとしか思えない行動ばかりで、未だに信じられなかった。

「おい聞いてるのかよ!とにかく暴れるなよ…っと」
「えっ?」

あまりにもあっさりバキッという音が聞こえてきたので、すぐには反応できなかった。慌てて音のした方を覗きこむと、俺のベルトが強引に壊されていて、ズボンに手をかけているところだった。
さっき了承した手前抵抗するわけにはいかなかったが、あまりにも直球すぎてびっくりしてしまった。想像ではもっとこっちを貶めるようなことを言いながら、酷くしてくると思っていたからだ。
そのままズボンを引き下ろして現れた下着にまで手を掛けて、まさに破る勢いで掴んできた時にはさすがに声をあげていた。

「ちょっと待ってよ!下着ぐらいきちんと脱がせてよ…その、後が困るし」
「そうか困るのか。じゃあ破る」
「は、あっ!?」

直後にビリビリッという布が裂ける音と、下半身がスースーする感触に呆然としてしまった。今の行動で全部わかってしまった。とにかく嫌がらせできるならなんでもいいんだと。
わざわざ俺の返事を聞いてから破ったのが、そういう意味を示しているのだ。怒りのあまり震えそうになるのを堪えながら、じゃあこっちもとにかく嫌がりそうなことを言ってやると思った。

「はは…ほんと、やってくれたよね。ところでさあ、シズちゃんは従わせたいって言ってたけど、どんな俺がいいの?もっと怯えてあげたほうがいいの?」
「なんだと?手前は手前だろうが。どんなのがいいって……」
「そう、じゃあ一番俺らしくない感じに演技してあげるよ。ねえ、シーズちゃん!」

まるで意味が分からないと言いたげな表情をしていたので、それに追い打ちをかけるようにわざとらしく無邪気な笑顔を浮かべて体を起こした。
そうして手に傷が残らない程度にギリギリまで近づいて、半裸のままでシズちゃんの胸におもいっきりダイブしてやった。するとローションのボトルがポトリとシーツの上に落ちる気配がした。
体を預けながらゆっくりと顔だけをあげて、優しい声で告げた。


「あのさ…ほんとに俺初めてなんだ。だからちゃんと慣らしてくれないと、困るんだ。してくれる、よね?」

「は?おいなんだ急にどうしたんだ……?」

「驚くのも無理ないよね?ずっとシズちゃんには隠してたんだけど…改めて言うのも恥ずかしいんだけどさあ、その…実は君の事が好きで、でもそれがどうしても言えなくて逆に酷いことばっかりしてたんだ。ごめんね、許してくれないかな」


それは本心からの言葉だった。

だって俺がシズちゃんが好きなのは本当だし、まさかこうやって気持ちを打ち明けるとは思っていなかったのは事実だ。だから俺の嘘が通じないのはわかりきっていたので、逆を責めたのだ。
実際にはこんなことを告白すること自体が心底照れくさくて、死にたくなりそうだったが我慢した。これが俺からの一番の嫌がらせだった。
偽りない言葉を告げて惑わし、その隙につけ入る作戦だ。

「こんな風に監禁されるとは思ってなかったけど、嫌じゃないよ。さすがにこんなことされるところまでは考えてなかったけど、シズちゃんがしたいならいいよ好きにして。ねえ、君なら今の俺の言葉が本物か嘘かわかってくれるよね?」

期待をこめて瞳を覗きこむと、動揺の色が見えて予想通りだった。
わかってる、わかってるよこんな俺なんて受け入れられないことぐらい。だから俺はもう隠さないことにするよ、だから俺を――拒絶して早く。

本気になってしまわないうちに、という言葉は胸の中だけに秘めておいた。

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