ウサギのバイク 愛縛⑦
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2011-03-21 (Mon)
*リクエスト企画 lean様
静雄×臨也

静雄が臨也を監禁する話 切なめ→甘め和姦 微ヤンデレな二人

* * *


「くそっ、信じらんない…なに、してんだよ」
「だから汚れたから拭いてやってんじゃねえか。文句あるのかよ」
「あるよ。こんな面倒くさいことをするぐらいなら、始めからしなけりゃいいじゃん」

射精が終わった後、シズちゃんは何事もなく自分の方を拭いてその後一度部屋から出て行ったと思ったら、なぜか湯の張った洗面器を持って戻ってきた。
そうして一度ティッシュで白濁液を拭った後、湯で濡らしたタオルで俺の腹を綺麗にし始めたのだ。その行為に、カッと頭に血がのぼって暴れた。残った力でもがいたが、あっさりと体を押さえつけられて今に至る。
恥ずかしい、という気持ちもあったがシズちゃんがどうして俺に対してここまで懸命に尽くすようなことをしているのか、まるで理解できなかった。
もしかしてと思いながらとあることを尋ねた。

「ねえ、あのさあ…このまま何でも俺の面倒を見るっていうんじゃないよね?」
「そうするしかねえだろ。外すわけにはいかねえし」
「外してよ、いい加減。鎖の拘束を外してとは言わないからさ、せめて手足が自分で使えるぐらいに…」
「うるせえ黙ってろ」

無理だとわかっていて外してと言ってみたのだが、案の定有無を言わさず返答してきて眉を潜めた。しかも手が使えない俺の面倒を見るというのだ。このままではトイレまでついてきそうな勢いだ。
さすがにそれだけは勘弁してほしかったし、そんなこと望んではいない。だから手枷や足枷は外さず自分で服を脱げるぐらい外して欲しかったのに、あっさりと却下された。
だからずっと不機嫌な表情のまま、目線を逸らすしかできなかった。本当に屈辱的だ。好きな相手にこんなことをされるなんて、やりきれない。
そうしてようやくすべてを綺麗にし終わったのか、立ちあがり洗面所の方に戻って行った。汚れたタオルを洗うビシャビシャという音が聞こえてきて、コッソリと呟いた。

「ほんと…どうしたらいいんだよ俺は」

簡単には逃げられない上に、今から甲斐甲斐しく世話をされるのだ。一体なにをどうしたいのか、さっぱりわからない。落ち着け、と自分に言い聞かせた。

さっきまではこっちが翻弄させてやろうという気になっていたのに、弱気になるなと。これは、チャンスなのだ。こっちに振り向かせる絶好の機会なのだから、悔しさを押し殺して気持ちを訴えるべきなのだ。
俺だってシズちゃんの好きと言う言葉が受け入れられないのと同様に、向こうだって受け入れない。だから、なんとかする為に、言い続けなければいけないと。
再度決意したところで本人が戻ってきて、何をするのだろうと見ているとベッドの横に置いていたトレイを手に取り、言った。

「冷めちまったけど、食べるだろ?晩飯はとっくに過ぎてるし、腹減って…」
「え?今何時……ってもうこんな時間?だって、さっき…会ったのは昼間じゃないか」
「多分俺が力加減できなくて殴っちまったから脳震盪起こしてたんだろ。なかなか起きねえからびっくりしたけどな。とにかくおい、食べるのか食べねえのか…」
「わかったよ。食べる、だから優しく食べさせてよ」

もう半日以上気を失っていたことに驚きながら、一瞬迷った後に最高の笑顔を浮かべて告げた。食べさせて、とだ。ついさっきまでは嫌がっていたのだが、本心としては実は嬉しい。
優しくされて、食べさせて貰えるなんてむず痒くて照れくさいけれど。好きな相手なのだ。好意ではなくても、親切にされるのは嬉しいに決まっている。
毎日喧嘩していたはずのシズちゃんが俺に、と思うと余計に胸が高鳴ってしまうのだ。

「…また暴れられると思ってたんだが、そんなに腹減ってたのか。じゃあ悪いな、先にあんなことしちまって」
「いや、まあ別にいいよ。もうその話は止めよう恥ずかしいから」

俺の反応にどう返すかと眺めていると、驚愕した顔のまま固まって、でもそれからバツが悪そうに下を向いて小声で悪いと謝ってきた。その言葉を、落ち着かない気持ちで聞いた。
でもあんなこと、と言われて一瞬さっきの卑猥な光景が頭に浮かんで、微妙に照れ臭い気分になった。だから慌ててこの話は止めようと提案したのだ。
しかしそれをどう解釈したのか、またとんでもないことを言ってくる。

「恥ずかしいとか、んなかわいいこと言ってんじゃねえよ。そういうことを言う奴じゃねえだろ手前は。こっちが慣れねえからやめろ」
「あ、あのさ…そんなに嬉しそうな顔して言われてもこっちは全然堪えないんだけど」

口調は厳しかったが、食器を持ったまま微妙に頬をゆるめていたので逆にこっちが驚いた。さっきはあんなに折原臨也らしくない、なんて言っていたのに急に態度を変えられて戸惑った。
複雑な表情で見つめていると、突然俺の方をキッと睨むようにしながら振り向いて失礼極まりないことを尋ねてきた。

「そういや手前、後ろは使ったことねえとか言ってたけどよお…もしかして男相手にしたことねえのか?実はすげえ人数とヤってて、仕事だって体使ってるとか……」
「……俺の事なんだと思ってるの?っていうかその話は止めてって言ったのに空気読めないとかほんとシズちゃんはさあ」

全くこっちのことは聞き入れず、自分の都合で話し掛けてくることにもうそれこそ呆れてしまって深いため息をついた。
だいたい俺がそういうことをしているとか、そんな妙な噂は昔からあって都合もよかったので放置していたが、まさかこんなことになるとは思わなかった。誤解もいいところだ。

「そうか、まだねえのか。じゃあよかった、さっき無理矢理しなくて」
「はぁ、そうだね。どうせするなら本心からわかりあえた時なんでしょ。それってさ、やっぱり時間が掛かるってことだよね?」
「そんなのわかんねえ。手前が嘘をついてないわかったら……」
「じゃあ俺から一つだけ提案があるんだけど、いいかな?」

ニッコリと笑い掛けながら、もうどうにでもなれという気持ちで告げた。


「恋人ごっこを、しない?」


「あ?なんだそりゃ」
「お互いの言葉が信じられないんでしょ。だったらさっき俺が言ったみたいに演じれば少しは気持ちが通じ合えるんじゃないかな?恋人だと思って接するだけでもいろんなものが違って見える。そうして最終的にはわかりあえる、どうかな?」

一応シズちゃんにもわかりやすいように言葉を選んで、その提案を言ってみた。けれども俺にとっては、既に好きだと思って接していたので恋人同士の真似事なんて大したことは無いと思っていた。
むしろ向こうの方がいろいろと動揺して、恋人同士の意味さえわからずに俺の方が勝てるだろうと確信していた。それなのに。

「…わかった。これから俺は、手前のことを最愛の恋人だって思う。だから拒むなよ」
「その言葉そっくり返すよ。だからさ、とりあえず手枷は外さなくていいから両手が使えるようにしてよ。わかるよね?こうしないと抱きつけないし」
「外す前に、俺の条件を飲んでもらってからだな」
「え…なに、っ…?ん、っ…うぅ…!?」

最終的には両手を使えるようにして、という願いが叶えれればなんでもよかった。だから急に真剣な顔が近づいて来た時には、驚いた。そうしてあっという間に、唇に食いついてきた。
さっきだってキスはした。これで二度目だったが、あまりにも唐突過ぎて動揺を隠せなかった。今の話のどこに、キスをするようなタイミングがあったのかと喚きたかったができない。

「顔真っ赤じゃねえか」
「うるさいなあ、早く外してよバカ」
「ほらよ」

顔が離れた時には、自分が耳まで真っ赤になっていることぐらい気がついていた。だからいちいち騒ぐなと言い返したかったが、先に外せと告げた。
するとバキッという音が頭の上でして、直後に両手が自由に動かせるようになった。当然のように手枷から伸びている鎖があるので簡単には逃げられない。でも一つクリアしたことにほくそ笑んでいた。
この調子で、恋人ごっこをして最終的には逃げ出してやると。俺の決意は固まった。

「はあ、さっきの体勢辛かったんだからもう、シズちゃん」
「おいいきなり抱きついてくるとはいい度胸じゃねえか。ははっ、そんなに寂しかったのかよ」
「そうだよ。そう、こうやって俺からもさわりたかった。だから、ありがとう」

当然のことながら本心も混じっていたが、ありがとうは少し皮肉が込められていた。簡単に思い通りになってくれてありがとうという意味でだ。それなのに。

「こんなまどろっこしいことしねえで、素直に言やいいんだよ。ったく」

「何か言った?」

ボソボソと告げらた言葉は、俺には聞き取れなかった。

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