ウサギのバイク 狂気の檻⑨
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2011-03-28 (Mon)
*リクエスト企画 虹飛様
静雄×臨也  ※18禁注意

静臨(恋人)でケンカをした後臨也がモブに拉致監禁され静雄が助けに行く話

* * *
「離れろ、って言ってんのが聞こえなかったか?」
「まさかここがバレるとは思わなかったが、あんた今更何しに来たんだ?あんたに送ったやつを見たんだろ?じゃあわかるだろ?折原はもう平和島には興味ねえんだよ、なあ」

急に同意を求められると同時に目を覆っていた布が取り払われた、すると見慣れた金髪にバーテン服姿が目に入ってきて酷く動揺した。
来るな、と言ったはずなのにメッセージは届かなかったのかと心の中で苦々しく思った。嬉しい、とは全く思わない。なんで、という気持ちばかりだった。ぼんやりとしていると、再度男から問われた。

「もう平和島とは恋人でもなんでもねえんだろ?」
「……」

その言葉に、頷くように頭を振った。そうして、シズちゃんもそうだろという気持ちで目線をあげて姿を瞳に捕えたところで。

「関係ねえ」
「あ?」
「恋人と思われてなかろうが、関係ねえつってんだよ!俺は臨也が好きで、どうしても助けたくて来たんだよ!!」

突然怒鳴り散らされて、肩が大袈裟にビクンと跳ねた。ナイフからは避けるようにしたので肌は切れることはなかったが、動揺した。
本当を言えば、すごく嬉しい言葉だった。じんわりと涙が目の端に溜まり、胸がひどくキリキリと痛むぐらいには。でも、俺は知っている。シズちゃんが知っている頃の俺ではなくなっていると。
誰に対しても足を開いて受け入れる、淫らな体になってしまったのだと。それだけが悲しくて、気持ちを躊躇させた。

「そうか、じゃあまだこれ効果があんだろ?」
「ん!?ふ、うぅうう…っ、んーっ、うぅ、う!」

唐突に予想していなかった刺激が後孔に襲いかかってきて、慌ててそこを見ると男が器用にナイフを持っていない方の手でバイブを捻じ込んでいた。すぐさまスイッチを最大にして振動が始まる。
すると、一瞬で何もかもが飛んで、心地よい刺激が内側から疼いてきてくぐもった声を漏らした。さっき焦らされて寸止めされていた快感で、頭の中が支配された。
目を細めて浸っていると、急にハッと気がついた。シズちゃんに見られている、ということにだ。急に恥ずかしくなって、慌てて身じろぎして足を閉じようとしたが縛られているせいでそれができない。

「見てみろ、すごいだろ?あんたが何も知らない間に、こいつはすげえエロくなったんだぜ。最初はすげえ嫌がってたのに、こんなに快楽に素直になってなあ」
「やめろっ、やめろって言ってんだろうがッ!!」
「今更喚いてももう遅いんだよ。俺が何度も何度も犯してやった。たった一週間だが、あんたら二人がセックスした回数より悦ばせてやって、もう俺のもんになったんだよ」

この男のものになったつもりはないのに、勝手にそう言われて腹が立った。でも拒否しなかったのは確かで、頭の中がぐちゃぐちゃになっていた。
どうしたいのか、どうなるのか、どうされたいのか定まらないまま与えられる悦楽に従順に体だけが反応した。そんなつもりはないのに、勝手に腰がくねって擦りあげていく。
見られたくないのに、見られているというのが最高の興奮剤となって全身が熱くなっているようだった。それに気がついて最低だと思う反面、諦めも生まれた。
きっとこれを見るまでは、期待と正義感に溢れて決意していたのかもしれないが、現実を知ってショックを受けているだろうと。こんな俺を、まだ好きだと言ってくれるわけがないと。
しかし気持ちの混乱なんか知らない男が、無神経に背後で動いた。

「じゃあ、見せてやるよその証拠を」
「んふ、うっ…!?ん、うぅ…っ、っ……!!」

バイブが乱暴に引き抜かれたかと思うと、背後から腰を抱えあげられて後孔の入口に硬くそそり勃ったペニスの先端が押し当てられるのが感覚的にわかった。
慌ててもがこうとするのだが、抵抗はさせないと言いたげに冷たいナイフの刃が肌にぴたりと当てられて動けなくなる。こんなの、ただの脅しでしかないのに怖くて体が硬直した。
生あたたかい肉棒の上に座らされて、今はそれが気持ち悪かったが従うしかなかった。カタカタと小刻みに全身が震えていたが、もうどうしようもできない。

「入れるぜ、あんたも興奮するだろ?元恋人の前で犯されることになあ」

違う、違うと言いたいのに猿轡で塞がれていて何も言えない。助けて、とか、好きとか、なにも届かない。


「臨也ッ!」


その時、鋭い声が部屋中に響き渡ってハッとした。俺は諦めかけていたのに、振り向くとしっかりとこっちを見据えていて、強い意志が感じられた。
そうして、長年の勘が何かを直感的に感じとった。

だから俺は、意を決してナイフに気を付けながら足の裏でベッドを蹴った。不安定だった体勢が左に揺らぎ、その瞬間思いっきり叫んだ。

「んっ、んーーーっ、うぅ、ふ、ぐうぅうっ…!!」
「な、んだと!?」

男が焦った声をあげた時には既に遅く、そいつと一緒にベッドから転げ落ちた。ナイフがカランと音を立てて落ちていったので、慌てて体重をかけて動かないように固定する。
縛られたままなので大したことはできなかったが、数センチ先に転がったナイフには届かないようだった。そうして、直後。

「おりゃああああッ!!」
「う、ぎゃっ、あ、う、わああああ……!」

俺の前に足だけ映ったかと思うと、背後の男だけが持ち上げられてそのまま二人して部屋の外に出て行った。直後にドンッという音が階下でしたので、事務所に男を落としたのかもしれない。
そうして暫く殴るような激しい音が続いたが、部屋の中の物が壊れる音はせずに、最後は玄関を開けて外に出て行ってしまった。
まさか俺の事務所の家具は壊さないという冷静さに驚いたが、これでは暫く帰って来ないなと安堵した。そうしてすぐさま床を縛られた状態で這い、落ちていたナイフを拾う。
縛られたままでも切ることは簡単だったので、手首の縄をまず解いた。そうしてすぐさま不快だった猿轡を乱暴に外し、深くため息を吐いた。

「ふ、うっ…よかった」

慣れた動作で残りの足の縄も外して、胸につけられていたローターやまだ中に入っていた玩具も抜いた。すべて解放されたところで、立ちあがろうとして足がふらついてしまう。
ずっと同じ体勢だったせいなのだが、机の端になんとか捕まりゆっくりと立ちあがった。そうしてクローゼットの前までおぼつかない足取りで歩くと、荒く息をつきながら扉を開けた。
そうしてズボンと下着をとりあえず探そうとして、玄関の方から音が聞こえてきた。多分シズちゃんが戻ってきたのだ。

俺はしまったと思った。だって本当は、気づかれないうちに部屋の隠し扉から逃げるつもりだったからだ。こんな状態で会いたくないし、なによりまだお互いに会わない方がいいと思ったのだ。
少し距離と時間を置いてゆっくり話しあったほうが、俺とシズちゃんの為になると思ったのだ。
だってどう考えても、俺はもうシズちゃんと一緒にいてはいけないし、なのに感情的には抱きついて優しくしてもらいたい、甘えたいと考えてしまっている。だから、会ってはだめなのだと。
助けに来てくれて嬉しい、という一時の感情で流されてしまっては、と考えていたところで開けっ放しだった扉の入口から入ってきた。

「なに、やってんだ?」
「服を探してて、その……」

本当は逃げるつもりだった、なんてまさか口にできるわけがなく曖昧に答えた。でもそれは、すぐに何もかもが見破られてしまった。

「手前逃げるつもりだったんだろ?」

「え?」

「どんだけ一緒に居たと思ってんだ、それぐらいわかるに決まってるだろ」

「……ッ」

絶句した。あまりにも図星すぎて、どう反論していいかわからなかった。手にシャツを持ったまま固まっていると、無遠慮にこっちに大股で歩いてくる。
やばいと思って一歩下がろうとして、足がもつれてしまい後ろに向かってつまづいてしまう。このままでは背中ごと倒れる、と思ったところで前方から腰と腕を掴まれて支えられた。
そうして、シズちゃんの顔がすぐ目の前にあった。

「危ねえだろ。それに俺が来るまで待ってりゃいいだろうが。大人しくできねえのはわかるけどよお」
「…っ、う」

うるさい、と叫ぼうとしてうまく言葉が吐きだせなかった。数週間ぶりに見る姿に、感動して泣きそうだなんて言えなかった。ただ慌てて目線を逸らして唇を噛んだのだが、顎を掴まれて元の位置に戻された。
強い視線が真正面から睨みつけるように見てきて、それからじっくりと頭の先から足までを舐めるように眺めた後、ポツリと言った。

「無事で、よかった」

「うわっ!?」


「臨也、遅くなって悪い。悪かった。だからもう、どこにも行かないでくれ頼む」


いきなり顔をシズちゃんの胸に強く押しつけられたかと思うと、背中を抱かれてあたたかい腕にすっぽりと体が埋もれた。そうして、今にも泣きそうな切ない声で掠れながら伝えてきた。
必死に懇願するような態度に驚きながらも、こっちまでつられて涙が目の端に溢れてきてそれで。

「シズ、ちゃ…んっ…」

震える声で、名前を呼んだ。

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