ウサギのバイク シズちゃんとマグロと俺と①
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2011-05-04 (Wed)
*臨也誕生日話
マグロ+静雄×臨也 ※今後の展開で18禁シーンが含まれます

両片思いな二人のシリアスだけどマグロプレイという謎でマニアックすぎる話 静雄ヤンデレ
※マグロを使って責められるシーンがあります(エロではないですが)
※誕生日話なのに終わらなかったです ごめんなさい…続きます!次で終わりなはず

* * *

「ちょ、っと…っ!シズちゃんなにこの嫌がらせッ!」
「何って手前マグロが好きなんだろ?誕生日だからって特別にプレゼントしてやってんのわかんねえか!」
「違う…俺が好きなのは大トロだし!大体魚じゃなくて握り寿司の状態がいい、っというかもう根本的に違うだろ!!」

必死に怒鳴ってこの状況からなんとか抜け出そうとするのだが、話がかみ合わない以前の問題で全然ダメだった。最初から、考え方自体が間違っているのだ。
誕生日という言い訳で俺の事を苛めたいシズちゃんに、必死に伝えたところで受け入れてくれるわけがない。

「縄解いてとは言わないから、せめて…ここから出してよ!」
「それじゃあ意味ねえだろうが。ちゃんとプレゼントを堪能してもらわねえとよお」
「嫌だよ、こんなの…ただ生臭いだけだって!!」

叫びながら浴室内に広がる異臭に顔を顰めつつ、逃げる手段は全く無くて歯噛みしていた。両手は後ろで縛られているし、シャツの上から直接胴部分も縛られている。
その上水は張っていないが浴槽の中に体ごと入れられていて、つるつると滑り這い上がることができない。もぞもぞと体を動かすだけで終わってしまうのだ。

「おいおいせっかく新鮮で生きてるマグロを持ってきてやったのに、そんなこと言うのか?ノミ蟲臭の上に生臭くなるなんて、誰も近づかねえでちょうどいいじゃねえか」
「どこがいいんだよ!やだっ、ねえもう…本当に、っなんとかしてよ!」

必死の声をまたしても聞こうとはせずに、鼻で笑いながら広い浴室内に勝手に持ち込んだ椅子と机に座りながらこっちを見ている。
二階の本棚の前に置いてあったのをわざわざ持ってくるなんて、シズちゃんには用意周到だった。しかもテーブルにはシャンパンやケーキまで置かれていて、本当に酷い嫌がらせだった。
ボトルからグラスにシャンパンを注ぎながら、優雅にこっちを眺めてきて、俺はもうなんて言っていいやらわからなくて複雑だった。
まずグラサンは外さないのか、普段そんなものなんて絶対に買わないのに何を無理しているのかとか。似合わないとか、でもやっぱりちょっとかっこよく見えるとか。
シズちゃんに出会った頃から一方的に好きになっている俺では、いくら心の中で文句を言おうともダメだった。酷いことをされているのに、嬉しいと思うマゾ気質な自分が恨めしかった。

「しかし俺が手前にプレゼントを贈りたいと言ったら魚屋のおっさんも乗ってきてなあ。随分と名前が知られてんだな許せねえ」
「そんなの知らないよ、たまたまだろ!それに俺の名前が知られててシズちゃんに何か不都合でもあるの?」
「そうだな、ねえなあ…でもなあ、あるんだよ。許せねえんだよ」
「はあ、意味がわからない」

話にならないと肩を竦めていると、シズちゃんが立ちあがり靴音を響かせながら近づいてきた。せめて浴室内ぐらい靴を脱げばいいのに。
そうして俺以外に浴槽に入れられている、生きた新鮮なマグロを一匹乱暴に手に取ると俺の顔の前に近づけてきた。

「じゃあそろそろしっかり俺のプレゼントを楽しめよ。ほら」
「え…ッ!?な、なにしてんだよ!冷たい、ぬるっとしてる!!」

何をするのかと思えば、おもむろにマグロの体を俺の頬に押し当ててきて肩がビクンと震えた。魚全体のぬるぬるした感触がおぞましくて、鳥肌がざわっと立った。
どこをどう楽しめばいいというのか意味が解らなくて、困惑しているというのに向こうは楽しそうだった。口の端を歪めて、ニヤニヤと嫌な笑いを浮かべている。
正直ここまで理解不能なことをされるのも、弄られるとも思っていなくてどうしたらいいかわからないぐらい驚いていた。こんなシズちゃんなんて今まで見たことが無くて、どうしてこうなったのかと。

「もうこんなのは嫌だよ!それに生臭い死にかかってる魚の目向けないでよ!」
「これがいいんじゃねえのか?こんな高い魚ばっかり食いやがってまじで腹立つんだよ。代金は全部手前の名前でつけておいたから払っとけよ」
「横暴っていうか、もう…だからなんで…こんなことするんだって」

なんだかもう半分諦めかかってしまって、目線を逸らしながら小声で呟いた。別に本人に聞こえなくても、応えて貰わなくてもよかった。
唇を噛みしめながら、好きな相手からの初めてのプレゼントは相当酷いけれど、貰えたこと自体が嬉しいと思ってしまう自分にため息をついた。

「わかんねえか?手前が池袋に来てはチョロチョロしやがるし、噂は歩いてたら聞こえるし、もうウンザリなんだよ!」
「だから俺をとことん苛めて二度と近寄らせないようにするってこと?」
「生臭くて最低な野郎には誰も近寄らねえからな、誕生日だなんて浮かれてねえでずっと一人ぼっちで居ろよ。そういうのが似合ってるじゃねえか、臨也くんよお」

その言葉に心底ショックを受けた。シズちゃんは今年の誕生日に色んな相手からプレゼントや祝いの言葉を貰っていたのに、嬉しそうにしていたのに。俺には誕生日なんて必要ないと。
ずっと一人きりで誰からも嫌われて生きているのが似合っている、と言われているようなものだった。だから、わかっていて悔しかった。胸が苦しかった。
目の前では異様なことが行われているのに、そんな雰囲気じゃないのに泣きだしてしまいそうだった。好きな相手じゃなければ、こんなにも傷つかなかったのに。

「ははっ、じゃあシズちゃんも俺なんて放っておいたらいいのに。もうとっくに日付超えてるだろう?大嫌いな相手と一緒だなんて、本当に最悪だね」

心にもない言葉はすらすらと口をついて出てくる。
俺を一人にしないで、大好きな相手と一緒に居たいんだ。今は実は結構最高に嬉しい状況なんだ。と素直に言えればこんなにも辛い思いをしなくて済んだというのに。それは俺の性格ではないけれど。

「じゃあもっと最悪なことしてやろうか」
「え……?っ、うわっ…な、にを…!?」

俺を見つめていたサングラスの奥の瞳が、一瞬揺らいだように見えたけれど次の瞬間には乱暴になぜかズボンが引き裂かれていて呆然とした。
顕になった肌に直接マグロの大群がふれて、そのくすぐったさに眉を顰めた。そんな気なんて全く無いのに、驚きで変な喘ぎ声もでそうになっていたぐらいだ。

「って、まさか下着も破る気なの……ッ!?」
「ああ当然だろうが。ほらすげえいい格好になったなあ」

その言葉に俺は息を飲んだ。あっさりと下着さえも破って取られて、顕になった下半身はすぐに腰を落とすとお腹のあたりまで埋まっている大量のマグロの体に飲みこまれた。
慌てて体を捩って変な部分が当たらないようにしたのだが、もぞもぞと動くと余計に擦れて妙な気分になってしまう。全くそんなつもりはないのに。

「どうだ、よさそうだろ?」
「なにが良さそうなんだよ!こんなの、っ…あんまりすぎる」

恥ずかしい部分を見られた上に、体が感じているのではないかといきなり問われてうまく反応ができなかった。下を向いて瞳を逸らすと、どうしようもできない気持ちを吐いた。
そうして嫌な予感しかしない自分を、違うと言い聞かせていた。まさかそんなことまで、するわけがないと。しかしその希望はすぐに断たれた。
机の方に戻ったかと思うと、手にシャンパンの入ったグラスを持ってそれから宙に向かって掲げながら告げた。


「臨也誕生日おめでとう、手前の瞳に乾杯…だ」


「は……?」


あまりのことに聞き違えたかと困惑していると、次に頭からびしゃびしゃと水がこぼれてきて慌てて目を瞑った。そうしてすぐに水は止まったが、髪の間から水が滴ってびしょ濡れだった。
ゆっくりと瞳を開いたが、目元に雫が垂れてそれが別の水と混ざっているようだった。俯いて濡れた髪が表情を隠してくれているのが、本当にありがたかった。
こんな状態だとしても祝いの言葉をくれたのが、嬉しいだなんて。
そんな、バカみたいに一途に好きな自分自身に対して喉を鳴らして笑った。

「なんだ?笑いやがってそんなに嬉しかったのか?」
「うんそうだね、嬉しいよ。大好きな人間じゃなくて、化け物からの言葉だとしてもね」

わざと穏やかな口調で、告げた。涙が出るほど嬉しいのは本当の事だったから。それをシズちゃんが信じなくても、もうどちらでもよかった。
嫌がらせでも祝いの言葉を貰えたなんて、それに心を打たれたなんて、俺自身が思っていた以上に心はシズちゃんからの反応を待っていたのだ。追いかけられて殴られる以外の、反応を。
そしてそんな普通通りの俺に対してぶち切れたらしく、唐突にマグロの群れの中に手を突っこんで腰を掴み股間部分を晒すように持ちあげられた。

「そんなに、誰でもいいのか!ここまでしないと、わかんねえのか!!
「な、なに…!?意味が全くわからないっていうか、もう嫌がらせはわかったから!これ以上どうするんだよ!」
「決まってんだろ?こんな恰好ですることぐらいわかんだろ。あー…手前のことだから二匹ぐらい一気に入りそうだよなあ?」

マグロの大群に溺れてしまわないように顔をあげながら見あげたが、尻と足を掴まれて二匹と言われて首を傾げた。いや、もう聞かなくてもだいたいわかっていた。

「まさか…二匹って?」
「ああそうだよ、尻の穴に突っ込んでやるんだろ。淫乱な手前のことだから、マグロ突っこまれても嬉しいって喘ぐんだろ?」
「い…淫乱、ってなんだよその勝手な勘違い!俺は自分の体を売るようなことなんてしてないよッ!」
「うるせえ、信じられるか!いつも俺に胸倉掴まれてエロい顔しやがって、それで何もしてねえなんておかしいだろうが!!」

言いがかりだ、と反論したいところを堪えた。もしかして、そういう風に振る舞った方がいいのかと。そうしたらシズちゃんにとって、何か都合がいいのかと。
そこを使ったことも、体を売ったこともないけれど、それでなにかが得られるのなら嘘をついたほうがいいのかもしれないと。
安易にそう思ったのだが、おもむろに後ろにマグロがぴたりと当てられて驚きのあまり固まってしまった。

「……ぁ」

頭の中が真っ白になって、あまりに怖くて縛られた手がガクガクと震える。それはシズちゃんからは見えていないのが救いだったけれど、ぎこちない顔をしているのは自分でもわかる。
取り繕う事なんてできないと、現実を思い知った。
どうしたらいいのか、まるでわからなくなった。

「たっぷりマグロを食べて悦ぶんだな。ああそうだ、せっかくだから選ばせてやるよ」
「選ぶ…?」

放心状態だったけれど縋るような目で見あげた。すると。


「大嫌いな俺のモノを突っこまれるか、このマグロ突っこまれるかだ。どっちがいい…?」


「はあ……?え、シズちゃんと、マグロ…?」


その言葉に、ぽかんと開いた口が塞がらなかった。即答で答えたいところだったけれど、とりあえず一呼吸置いてから告げた。


「そ、そんなの……シズちゃんがいいに決まってる…だろ……っ」


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