ウサギのバイク 夏コミ新刊「シズちゃんなんかだいっきらい!!」
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2011-08-06 (Sat)
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「シズちゃんなんかだいっきらい!!」
静雄×臨也/小説/18禁/A5/68P/600円


静雄にはっきり振られた臨也が夢の中で来神時代をやり直し
今度は静雄に告白され恋人同士になって過ごすが…

夏の来神で切ない系の初々しいエロ話

表紙イラスト ひのた 様
夏に笑う 

虎の穴様予約

続きからサンプルが読めます

* * *
「別に普通の事だ。まあでもそうだねえ、ちょっと今落ち込んでてさあ……他の事に興味がないんだ。だから正直あまり君とも話したくない」
「落ち込んでる……?」

挑発したというのに全く乗ってこなくて、驚きを隠せない。しょうがないからもう全部ぶちまけてやろうと、落ち込んでいることを正直に口にする。こうやってシズちゃんに嘘をつかないなんて相当珍しいなと思いながら、落ち込む原因の相手に話しているなんてと自嘲気味に笑う。
でもドタチンに慰めて貰うにしても、まだそんな間柄ではなかったので頼れない。新羅なんかには絶対に言えないし、だからもういいかと諦めたようなもので。

「すごく子供っぽい理由だよ。好きな相手に振られて、落ち込んでいる。それだけだ」
「好きな相手って……そうか」

簡潔に延べると、目を丸くして瞬きを繰り返していたがやがて納得したように肯いた。これでやっと話が終わったと安堵していると、じっとこっちを見つめてくる視線を感じてしまって、嫌な予感がする。
まさかそんなことをシズちゃんが言うわけがないと思っていると、はっきりと言われてしまう。

「なあ話だけでも……聞いてやろうか?」
「は……えっと、君が?俺の話を?」

あまりのことに驚いてまじまじと見つめてしまう。バッチリと目が合ってしまったけれど、いつものように睨まれることは無い。普通にただこっちを向いていて、そのことに少しだけ違和感を覚える。
しかしそれにしても、付き合いが狭い分だけ知り合いが面倒なことになっていると無条件で手助けをする、という性格は知っていたが。まさかそれが俺に対しても適用されるだなんて思わなかったのだ。
天変地異の前ぶれでは、と叫ぶ新羅の姿が浮かんで顔を顰める。とりあえずどうしたものかと考えるが、今の所しゃべってはいけないことなんてないように思えた。
だって今目の前に居るシズちゃんではないシズちゃんのことなのだ。

「まあ聞いてくれるっていうなら、話してみようかな。そうしたら少しぐらいは気分が晴れるかもしれない」
「いくらでも聞いてやる。だからその、どんな奴なんだ?」
「そうだねえ、すごく優しくて……えっと、うーんなんて言ったらいいかわかんないけどちょっとした憧れみたいなものだったのかなあ」
「もっと詳しく言えねえのかよ」
「いいじゃないか、その、あまりまともに話したことなかったし。まあいろいろ困ることがあるんだ」

本当はもっと言いたいことがあったのだが、まず相手が男だとバレるような発言は避けるべきだったからその時点で何もしゃべれなくなったのだ。かっこいいとか、男らしいとか、力が強いとかそういうのは全部却下した。
そうしたら話せることがほとんどなくなってしまったのだ。まあ本人を目の前にして言うことでもないのかもしれないけれど。

「まともに話したこともねえのに好きになるもんなのか?俺にはわからねえ」
「でも君だってそういう経験あるんじゃないの?憧れてる人を好きになるとか、結構ありがちだと思うけど」
「そうか、そう考えりゃあいいのか。なるほどな」

俺は昔シズちゃんが年上の女性に対して抑えられない力のせいで傷つけてしまった事件を知っている。だからわかりやすいように、わざとそういう風に憧れの対象の話を持ち出してきたのであっさりと賛同してくれた。
この間は酷い言葉しか言わなかったのに、こうやって頷かれるとそれはそれでむず痒い気分になる。もしかして、これはあっさり手懐けることができるのではないかと思ったりして。

「これでも結構長い間好きだったから、忘れられなくて。なんかもう全部どうでもよくなってそれでサボってるの。まあ少しはすっきりしたけど」
「じゃあまだ引きずってるってことか」
「簡単に忘れられたら苦労しないよ。だから当分、他の事は目に入らないと思うよ」

一応話を聞いて貰ったという点ではすっきりしたけれど、なんだか自分が恥ずかしいだけで大して効果はなかったように思う。とりあえずきっぱりと、君と友達になる気はないと含むように言ったのだが、どうやら伝わらなかったらしい。

「じゃあそいつのことを忘れるまで、俺もつきあう」
「えっと、意味がわからないんだけど……?」
「あー……いやだから、あれだ、その、俺と友達になってくれ臨也」
「……ッ!?」

* * *

「いい度胸じゃねえか、ぜってえ許さねえ!!」
「うわっ、なに……!?ちょ、っと待って……どこさわって、っ、あ、あ、あははははっ!やだ、くすぐった……!!」

そのままの体勢でわき腹を掴んできたかと思うと、コチョコチョとくすぐってきたのだ。慌てて上半身を起こそうとするけれどびくともしないし、重い体はどいてくれない。ただひたすらに、一方的に責められるのは理不尽だと思いながら、笑いが止まらなかった。
こんなの喧嘩に比べたらどうってことはないのだが、ある意味本気だから逃れられない。暴力ではなくこんな些細ないたずらに本気を出されたらどうしようもないのだ。

「あっ、あははっ、ひぃっ、く……も、無理っだって、ははっ、やめて……!」
「観念したかよ。ったくどうしようもねえ悪ガキじゃねえか手前は」
「はあっ、は……だってシズちゃんからかったら楽しいし」
「もう一度やられてえらしいな?臨也ッ!!」

止めてと懇願するとあっさりと手の動きが止まり、呆れたように見つめられた。けれどもそんなことはどうでもよくて、また酷いことになるのはわかっていながら挑発する。
さすがにさっきみたいに一方的にされるのは嫌だったので、もう一度押さえつけられる前に避ける。そうして這いながら逃げる俺を必死に逃さないようにしがみついてきて、そのまま二人でもみくちゃになる。
どさくさに紛れて頬をつねってみたり、わざと拳で殴りつけたりやりたい放題に攻撃した。さすがに向こうが本気でないのはわかっていたけれど、こっちは手加減しない。

「暴れんじゃねえッ!」
「そっちこそ、っ……俺のパンツ見て興奮した癖に……!」
「ああっ!?興奮なんかしてねえよ!別に手前のパンツぐらいどうってことねえ!!」
「じゃあ脱いじゃおうかなあ?」

当然それは冗談だったのだが、ズボンに手をかけて半分ほど下ろしたところでシズちゃんのことを見あげて。驚きながらも真剣な瞳で眺めていることに、胸がなぜか高鳴る。
あれ、なんかおかしいと思った時には俺の手の上にシズちゃんの手が重なって、そのままずり下ろされる。一瞬何が起こったのか、わからなかった。

「え?なに……?」
「これで満足したか?ったく、からかいやがって……」
「ちょ、っとこれ……えっ?どういうこと?」

パンツは膝の辺りで止まっていたけれど、つまりは下半身が思いっきり晒されてしまっていたのだ。一応シャツで隠れてはいたけれど、あまり効果を発揮していない。大事な部分だけが丸見えだったから。
あまりのことに思考が停止していたけれど、怒りのあまりぶるぶると手が震え始めて爆発寸前で。叫ぼうと口を開きかけたところで。

「あー……やべえ、俺興奮したみてえなんだけど」
「は?なに言ってんの?」

視線を逸らして頬を紅く染めながら唐突にそう告げてきて、今度こそ驚きのあまりに固まってしまう。てっきりただの言いあってるだけで遊びの延長みたいなものだと思っていたけれど、興奮しただなんて言われて恥ずかしくなる。
それにちょっと待ってくれと思う。興奮したということは、俺のことを見てそこが大きくなったということで。恐る恐る目線を逸らすと、シズちゃんのズボンの前が窮屈そうにテントを張っているのが見えた。

「なあここで抜いていいか?」
「へえそんな度胸あるの?だってシズちゃんだけ見られてるんだよ?」
「ちげえよ、手前も抜くんだ。男同士の仕方なんて知らねえけど、ちんこ擦り合わせるくらいできんだろ」

* * *

「もったいぶってねえで、言えよ。どんなすげえご褒美くれんだ?」
「だから言ったらダメだって。ああ俺は先にご褒美味わっておくから、早くしてね」
「なんだと?味わう?」
「ん……っ」

言い終わらないうちに背を向けて、持っていたコンビニの袋から買ってきたアイスクリームを取り出して目の前でぺろりと舐める。チラリと後ろを向くと、呆然とした表情のまま固まっていたので調子に乗って舌でベロベロとアイスの上を往復させる。
シズちゃんの家でエッチなことをしてしまった一件から、俺はそれなりに調べてみたのだ。どういうことをしたら男は興奮するか、とか嬉しがるのかとか。
ちょうど最近急激に暑くなっていたこともあって、普通にアイスを食べているだけで挑発することを思いついたのだ。わざとゆっくりと舌を冷たいソーダ味のアイスキャンディーに這わせて、ゆっくりと見せつけるように舐め取っていく。そうして一通り味わうと、今度は唇を窄めて口内に入れた。

「ふぅ、く……ぅ」
「ふ、ざけんじゃねええええ!!」
「うわあっ!?」

それからアイスの棒部分を出し入れするように動かしながら、少しだけ上目づかいで眺めると突然持っていた鉛筆を机に落とす。これはもしかして、と少しわくわくしていると怒鳴りながら体を乗り出して俺の持っていたものを奪い、大きく口を開けて勝手に食べたのだ。
ガリガリと音を立てながらかじって、あっという間に棒だけになってしまう。あまりの早さにさすがに驚いたけれど、ぷっと声を出して笑って指を指した。

「あははっ、シズちゃん最悪!こんなことするなんて、ご褒美じゃなくてお仕置きしてあげないとダメかな」
「おい一体誰のせいでこうなったと思ってんだ!っつうかお仕置きって手前またすげえこと言いやがるじゃねえか」
「うーんどんなお仕置きがいいかな?食べ物の恨みって怖いんだよ?」

最初からこうなることは予測済みだったので、ニコニコと上機嫌に笑いながらそう言う。どんな屈辱的な罰ゲームをさせてやろうかと考えていると、同じようにシズちゃんも腕を組んで考え始めて俺より先に表情を変えた。
それを見てなんだか嫌な予感しかしなくて、眉を顰める」

「そうだな、じゃあ臨也の好きなことしてやるよ俺が」
「俺の好きなこと……?へえそれはすごく興味深いんだけど……なにかな?」
「ああちょっとこっちに来い」

いきなり立ちあがったかと思うと俺の手首を掴み、なぜか窓際に寄って背中が窓にぶつかる。そうしてそのまま少し上から顔を寄せてきて、自然な流れで腰に手を回し体を密着させながら唇が塞がれた。
ちゅっとわざと音を立てるように吸いつかれて、一瞬で心臓が跳ねあがる。まさかこんなことだとは思わなくて、瞬時に頬が赤く染まる。
これはさすがに恥ずかしい、と思いながら目を瞑る。すると何度か軽くキスを繰り返して、それからゆっくりと舌を口内に入れてきて互いに熱い息を漏らしながら絡ませる。

「ふっ、う……ん、く、はぁ……」

最初は優しく撫でられるようにしていたけれど、だんだんと激しく深くなってきて喉奥の壁をべろりと舐められひくりと震える。負けないようにこっちも撫でるけれど、その倍の動きで返されて少し悔しくなる。俺なんかよりよっぽど、キスが上手いのだ。
けれどもまさかこんなことで終わりじゃないだろうなと思いながら、背中にしがみついて密着する。こんな狭い教室内で、窓を開けているとはいえ熱くないわけがない。じんわりと汗を滴らせていると、突然熱い手が学ランの下に着ていたシャツをたくしあげてきた。

「ぷあっ、は……ちょ、っと、なに……!?」
「だから手前が大好きな、これだ」
「ん、っ、え……!?」

首の下までぐしゃぐしゃのシャツを押しやられ、完全に顕わになった肌の上に手が添えられる。そうして唐突に左側の乳首に指先がふれてきて、軽くつねられた。その感覚には覚えがあって、しまったとすぐに後悔する。
そのせいで俺がどんなことになったかは、記憶に新しい。もしかしてさっきので煽ってしまったのかと、今更気がつく。

「待って、窓開いてるからっ……ねえ、っ」
「でも他の教室から離れてるから問題ねえだろ?誰も見てねえって、ああそれとも見られたかったりしてな」
「ちが、っ……違うって!!」

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