ウサギのバイク リセット44
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2011-09-22 (Thu)
*拍手連載
静雄×臨也 

臨也が自分の願いを叶える為に静雄と一緒に暮らした後の話 切ない系 静雄視点

* * *


「ようやくわかったか?俺だってそれなりの覚悟をして、あのコインを使ったんだ。だから…死んだままがよかったって言うんじゃねえ」
「そ、そこまで言ってないだろ?」
「そう顔に書いてあったぜ。でも手前のわがままで勝手に死んだように、これだって俺のわがままだ。助けるのだって、苛めるのだって、好きって言いまくるのだって俺のわがままなんだよ」
「好きって…だから、なにが、っ、う…え?待って、なにを…!?」

真剣な話をしているのだと思っていた。少なくともシズちゃんは俺に勝手に死なれたのが嫌で助けに来たんだと言っているようなものだったから、悪いことをしたかもしれないと反省しかけていたのだ。
それなのに急に内容が変わって、しかも床に落ちていたバイブをいつの間にか手にして強引に後ろに押し当てた。気づいて慌てた時にはもう、ローションでぬるついている玩具が一気に中に入りこんでしまう。

「あ、やだっ、やめっ…うあぁ、あ、んぁ、う…!」

「臨也好きだ」

「へっ…?どうして、なんで、なにが、好きって…っ、うく、ぅ、あ…」

「好きだ、好きだぜ。エロいとこも、そうやってなかなか素直にならねえところも」

一瞬頭がおかしくなったのかと思って凝視したが、本気でじっと俺の目を見ながら何度もうわ言のように好きだと言い出した。だけど手は緩めない。どんどん奥に突き入れられて、とうとう全部を受け入れてしまう。
体を捩りながら逃げようとするけれど、全く効果は無い。このままだとシズちゃんのペースに流される、とわかっていながら何もできなかった。

「勝手に一人で考えて、俺の言うことなんかちっとも聞かねえとこも、絶対本心言わねえところも」
「それ、褒めてないっ…うぅ、はっ、あ、もう…やぁ」

「すげえ泣き虫で、臆病者で、寂しがり屋で、一人ぼっちなとこも、好きだ。好きなんだよ」
「ひ、どいっ…ほんと、シズちゃん、っ、あ、うぁ、んっ、く」

言いながらバイブのスイッチは入れずに前後に出し入れし始める。同じことをスイッチが入った状態で四木さんにされたけれど、あの時とはまるっきり違っていた。心地よさが、違うのだ。
ただ玩具で弄ばれているだけなのに、シズちゃんなんだと思うとやけに体が火照って疼く。それは前に九十九屋に責められた時だって、声だけで感じたのと同じだ。弱いことぐらいとうの昔に知っている。

「昨日のセックスも、抑えてたんだろ?ずっと唇噛んでたじゃねえか。本当はもっとエロく喘ぎたかったんじゃねえか、なあ?」
「えっ?ふあぁ、あ、いれないで…あ、うああぁんっ…!!」
「ヤクザ相手に乱れてたのが、本性なんだろ?まあ隠すのは勝手だと思ってたけどよお、あんなの見たら黙ってられなくなった。俺もすげえ乱れてるところが見てえ」

急にあの時のことを持ち出されて、しかも気づかれていないと思っていたのにあっさり指摘されて心臓が跳ねる。さっき四木さんに苛められていた時のこともしっかり見ていたようで、それを出されるとうまく繕えなくてうろたえてしまう。
言葉を間違えば、好きな相手以外に淫らなところを見せるのかと責められそうだったから。そうじゃない、恥ずかしいからだなんて言えない。

「言っただろ?エロい臨也だって、どんなのだって受け入れるって……好きだって」
「知らないから、っ…そ、んなこと言えるんだっ…ふあぁ、ん、ぁ…ひぅ、っく」
「まだ怖いのか」

その時肩をぐいっと掴まれて少しだけ上半身を起こされる。怒らせてしまったのだろうかと慌てていると、視界がぶれて何も見えなくなる。驚いている間もなく、唇に湿っぽい感触のものがふれていた。
キスをされたのだと気づいた時には、自然と目の端に溜まっていた涙が零れ落ちる。

『こわい』

手紙の最後にそう書いていたことを、まだ覚えていたのかと胸が熱くなる。
そんなつもりはなかったのに、死ぬことへの不安を残してしまってきっとあれを読んだら辛くなるに決まっていた。コインを使ってだから時間を戻したいというのもわかる。きっと俺も同じことをするだろうから。

「んあっ…ふぅ、く、やぁ…っ、う」
「怖がってんじゃねえ、っ…もっと俺のこと見ろよ」
「あっ…ん、んぅ、っ、ぷあっ…はっ、はぁ、あ、見ろって…」
「逃げてねえで、ちゃんと受け止めろよ。好きだって、気持ちいいんだって認めろ」

互いに激しく舌を絡ませ合いながら息継ぎを繰り返し、その合間でしゃべる。だけどその間もずっと責められ続けていたので、苦しいのは俺の方で結局先に根をあげてしまう。
嫌々と表現するように頭を左右で振りながら、できもしないのに顔を背けて目を合わせないようにする。暫くはそれを見守っていたけれど、そろそろ苛立ってきたのか思いっきり胸を床に押さえつけられた。そうしてバイブの振動も最大へあげられて。

「やらあっ、あ、んあああ…はぁ、ひぅ、あっ、あぁ…やあんっ、う!」
「嫌だって言うのを止めろ!さっきみたいにエロいこと言いながら、もっと欲しいとか、俺のが欲しいとか言ってみろよ!言えよッ!!」
「シズちゃ、あ、ぁ…やだぁ、恥ずかしいっ、こんなの、エッチなの、いやだっ、汚い体が、嫌なんだっ、うぅ、あ」

あまりにも必死に叫ぶので恐る恐る表情を見ると、すごく辛そうで。確かに俺だって、シズちゃんに拒絶された時はショックだった。だけどシズちゃんだから言えないのはわかって欲しい。
けれどもそれを言おうと思うのに、体が先に気持ちよくなって理性が飛びそうになる。ただバイブで責められているだけなのに、昨晩と違ってこんなものにも耐えられない。そうして段々と心の中でもういいじゃないか、流されればいいのにと逃げそうになる。
だっていつだって俺は逃げてきた。あんなにもシズちゃんが必死に教えてくれていたのに。
好きな相手が死んでしまって悲しかったと、俺に向かって言っていたのだって気づかなかった。それが少し悔しくて、全部自業自得で。

「おい待てよ!汚い体って、なんだ!手前そんなくだらねえこと考えてたのかよ!!」
「やだぁ、もうこんなのっ…やり直したって、俺はもうだめで、鈍感で、素直になれなくて、好きって言えなくて、こんなのじゃあ、嫌われる、嫌い、嫌い、っ」
「……臨也?」
「シズちゃんに、嫌われたって…しょうがないんだ、っ、昔からずっともう、変われない、変わりたい、俺は、おれっ、ぅう」

一度マイナスの感情が溢れたら、もう止まらなかった。唇は勝手に言葉を紡ぎ、次から次へと意味のなさない感情のみを吐露していく。今までこんなにも自分のことを誰かに話したことはないし、他人の前で自分を失ったことはない。
シズちゃんだから、好きな相手だから見せたいという部分と見せたくなかったという部分がせめぎ合ってぐちゃぐちゃだ。なにもかもがぐちゃぐちゃだった。
喉の奥から掠れた嗚咽を漏らしながら、こんな時でもバイブを受け入れているそこは小刻みに震えて快感を与えてくる。あまりのことにシズちゃんも呆然としながらもう抜き差しはしていないのに、一度火のついた体は止められない。

「さっきから好きしか言ってねえだろうが。どんだけ捻くれ者なんだ」
「でも、っ…こんな俺じゃ、嫌いになる。せっかく戻っても、こんなにエッチで、っ、面倒で最低なんだから、もういいよ。おれに、かまわないでっ、あ、うぅ」
「構わないでくれって言いながら泣いてんじゃねえか。放っておけるかよ、こんなバカでかわいくてしょうがねえ奴をよ」

時折喘ぎながら必死に本心を暴露していく姿を、なぜか微笑ましく笑いながら見つめていた。そんなにじっくり見るなとは言えなくて、頬を染めながら飽きてくれるのを待つ。
こんな俺なんて早く捨てて、ここに一人で置いていけばいいのにと自分で思いながら、でも心の中では期待していた。もっと慰めて欲しい、好きになって欲しい、これからは仲良くしたいと。
だけど口に出さないでそれが届くわけがない。シズちゃんの気持ちが俺に届かなかったみたいに。

「っ、あ、もう…ひとりに、してよっ、きらい、っきらい、だいきらい、シズちゃんなんて、っ!」
「あーわかった、わかったから。悪かったって…そんな拗ねんなよ」
「いやならっ…大嫌いって言えばいいだろ!!」

こんな言い訳がましくしゃべる自分も、自分の思い通りにいかないからと泣き喚いて拗ねる自分も何もかもが嫌だ。だからシズちゃんが呆れるように言ったのに、カッとなったので叫んでいた。
いつものように嫌いなら嫌いと言えばいいのにと。だけど予想外に告白されたのは。

「あー…だから、まあ聞いてくれ。それなあ…手前がそうやって俺のことで拗ねていじけてるの、すげえ好きだ」
「……は?」
「かわいいっつうか、なんだ、そういうのぜってえ見せねえ奴だってわかってるから、その…だから、とにかくもう耐えられねえ」

呆れているのかと思っていたのだがどうやらそうではなく、言おうかどうか迷って困っていただけらしい。唐突に俺が考えていたこととは逆のことを言った。
シズちゃんのことが嫌いだと言いながら拗ねるのが、多分俺らしくなくて好きだという意味だ。思っていたのと違うことにほっとしていると、急に下を向いて少しだけ体を離した。これで責めるのは終わりだという意味だとほっとしたのに。
なぜかすぐに自分のズボンに手を伸ばして、ファスナーを下ろす。その時になってようやく、そこが盛りあがっていることに気づいて。

「なに…?ま、さか」
「好きって言わせるつもりだったのに、俺の方が無理だったみてえだ」

驚いて目を見開いていると、一気にズボンと下着を下ろしてそこを顕わにして見せつけるようにつきつけてきた。完全にそこは勃起していて、先端がビクビクと震えて顕著な反応をあらわしている。
ほんのりと独特の濃厚な臭いが漂ってきて、途端にくらくらした。思い出したのだ。何人もの男達に頭から精液をかけられて、悦んでいる自分を。その時はずっと最低だと思いながらも逆らうことなく身を委ねて淫らに強請っていた。
でもそれは、そうしろと言われていたから。自分の意志ではない。だから本当はそういうことが苦手だし大嫌いだと思っていた。だけど。

「シズちゃ…っ、う」
「こんなつもりじゃなかったのに、手前見てると抑えられねえ。俺の手で抱いて、気持ちよくして、もっとふれてえ」

真剣な表情だったけれど、瞳は少しだけ不安げに揺れて怖がっているように見えた。さっきまであんなに堂々としていて酷いことだってしていたのに、今更許可なんてとらなくても拒みはしない。
肝心な時に、と少しだけ笑った。

「いい…よ。いいよ、俺もシズちゃんとしたい…それ、見たらなんか、二人で気持ちよくなりたいって思ったっていうか、その」
「臨也…?」
「好きな相手と結ばれてセックスするなんて初めてだから、どうなるかわからないけど…したいシズちゃんと」
一度決意すると、これまで必死に恥ずかしいと堪えていたこともどうでもよくて。
「なあ…それ、わかって言ってんのか」
「え…?」
「俺だって好きな奴とすんの初めてだけどよお、んなこと言われたら…前より加減できねえな」

目を細めながら微笑んだけれど、もう瞳はギラついていて本気なんだとわかった。

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