ウサギのバイク もっと もっと ねぇもっと そばにいてよ 2
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2012-01-15 (Sun)
*リクエスト企画 june 様
静雄×臨也

臨也の身体機能の一部が不自由になる話 切ない系

* * *


「手前これ以上はやめろ、って…こんなことしても俺は堪えねえからな」
「嫌だ、やめない。俺はシズちゃんと愛し合うんだ」
「バカなことするなって!あんなわけのわからねえ奴に乗せられて、バカなこと…」
「うるさいな、もう全部終わるまで余計なこと言わないで。俺の言う事を聞いて望むことだけしゃべればいいんだよ、黙っててよ!」
「な…っ!?」

必死に俺を止めようとするシズちゃんにしっかりと命令すると、一瞬だけ驚いたような表情をした後に大人しくなる。さっきまで意志のあった瞳が霞んでいるように見えた。
始めて言うことを聞いてくれたことに気分が高揚する。夢の中でも思い通りにできたことが、心から嬉しかった。

「あははっ、ほんとにこれで俺の思い通りにできる!もう君の言葉なんて聞かない。文句だって言わせない。どうせ忘れるんだからいいよね?」
「臨也…」
「体を好きにしちゃってごめんね?でもずっとこうしたかったんだよ。大丈夫目が覚めたらちゃんと諦めるから」

「好きだ」
「俺もずっと好きだった、シズちゃんのことが」

こぼれる涙をコートの袖で拭いながら気持ちを告げる。すると二人の距離が自然と近くなって、二度目のキスをした。抜け殻のような人形のシズちゃんと。

「欲しかったのに俺のものだけにはなってくれないんだよね。だからさ、もういいよ。誰かの物になっていく君を見るぐらいなら、目なんて見えなくてもいい」

囁くようにゆっくりとした口調で告げていると、勝手にシズちゃんの手が体をまさぐっていく。シャツの間に腕を潜り込ませて腹の辺りをなぞるように擦る。
きっと本人だったらもっとぎこちなくてセックスなんてできない。だから俺が命令して操るしか方法がなかった。まさかこんなに簡単に叶うとは思わなかったけれど。

「夢でも体を繋げた記憶が残るのなら、幸せだ。最高の気分だよ」

届かない言葉を紡ぎながら、とうとう指先が胸の先にふれる。そして一気にシャツをたくしあげると、顕わになった先端にシズちゃんの唇が吸いついた。
そうするように自分で命令しているのだから、ある程度の行動はわかっている。その刺激に耐えようと顔を顰めたけれど、俺だって初めての性行為だったので予想以上だった。

「っ、あ…!うわっ、結構くすぐったい、っ、んだね」

もしかしたら力加減だけはシズちゃん自身のものなのかもしれない。だけどそうだったらとっくに潰されているので、やっぱりセックスというのが考えたものよりも激しい行為なのかもしれない。
そのことに急に不安になる。

「そうか自分にも暗示をかけたらいいのか。怖くない、セックスは怖くない。気持ちよくてシズちゃんにさわられたら女の子みたいに勝手に濡れて、すごく敏感になって…っ」

口に出して言い続けている間も、目の前で金髪頭がちゅうちゅうと音を立てて乳首に吸いついていた。妙なくすぐったさより不安が大きかったけれど、言い終わらないうちに一瞬で変わってしまう。

「んあ、っ…え、あ、嘘だろ、っ、んぅ、すご、い、熱い…んぁ」

急に全身に衝撃が走ってこれまでとは全く違う、心地いい快感をいきなり感じ始める。熱を出した時みたいに頭がぼんやりして、じんじんと媚薬に侵食されたかのように快感が沸きあがった。
ほとんど自慰行為もしないぐらいこういう行為に興味がなかったので、突然現れた変化に驚きっぱなしだ。しかも相手はシズちゃんだから、喜びで満たされていく。
もう随分と長い間俺は好きで、苦しくてどうしようもなくなっていた。今日だっていつものように喧嘩をしていたけれど、昨晩仕事で会った女性と抱き合っていたのを知っている。
偶然にも酷い男から助けたような形になってしまって、女に惚れられたのだ。しかもその相手がシズちゃんの上司の田中さんの知り合いで、つきあってくれないかと迫られ受け入れたことも。
まだ一日も経っていないので何も起きてはいないけど、学生時代から近寄る女性を退けてきた俺としては見過ごすわけにはいかなかった。だけどもうこれで、そんなことはしなくていいだろう。

「ねえシズちゃ、あ、俺の胸、おいしいの?すごい、っ、あ、びりびり、する」

返事がないのをわかっていて、自己満足で問いかける。応え何て始めからいらなかった。
告白するつもりだってまるっきりなかったのだ。でも偶然こんなことに巻き込まれて、俺にはチャンスにしか見えなかった。
偽者でも、人形でも、体や声がシズちゃんならそれでよかった。大嫌いなんだ、という本心なんて聞きたくはないから。
すべての負の感情はシャットアウトして、自分の都合のいい事を言ってくれるシズちゃんが欲しかった。そうしたらきっと、恋心を諦められるだろうと。
そろそろ限界だったのだ。きっとこれがきっかけで二度と関わらなくなる。喧嘩だってできなくなるのだから、襲われることも無い。情報屋の折原臨也としても活動できなくなるかもしれないのだ。
目が見えなくなっても生きる方法はたくさんあるけれど、あんな危険なことはもう無理だろう。逆に失明したと知れたら狙われる可能性の方が高い。近いうちに余計なことを知っている俺は始末されるだろう。
恨みも妬みもいくらでも買っていた。死にたいわけではなかったけれど、どうにもできないことは受け入れるしかない。
代わりに一生かかっても手に入れることのできなかったぬくもりを、手に入れたのだから。

「はぁ、あ、顔見せて…?キス、したいっ、見えなくなっても、覚えて、おく、から…んぅ」

肩で息をしながら懸命に告げると顔をあげて、今度は両手で胸を摘まんで弄る。うっとりと見つめると半開きの唇を軽く食べるように唇で挟まれて、軽く甘噛みされる。
鼻から甘い吐息を漏らして身を捩るが、キスをしながら体を押し倒されて逃げることができなくなる。手首を掴んで頭の上で括ると、勃起する股間をぐいぐいと押しつけた。
薄目を開けて眺めながら、無理矢理されているみたいで興奮すると思う。普段から俺のことを乱暴に扱っているのだから、きっとそういうのが似合っていてかっこい。

「んっ、う、あ、ちょっと痛いけど、っ…すごく硬くなって、く、んぅ、すごいね」
「エロい体してんじゃねえか、臨也」
「ふぁ、あ、やだ…ほんと、興奮して、っ、うぅ」

試しに責めるような言葉を言わせてみると、背筋をぞくぞくと寒気が駆けあがっていく。セックスなんて言い方は似合わない、とその時に思った。

「手前の体ぐちゃぐちゃにして、犯してやるよ」
「あっ、はは…本物みたい、んぅ、あ、うぅ、く…ぷあっ!」

頭の中で思った通りにすんなり動く姿に満足していると、噛みつくような獣のキスを強引にされる。なんとなく想像はできたけれど、俺が感じていた以上に激しくて口内をざらついた舌で掻き混ぜられる。
敏感な胸はしっかりと挟みながら揉む動きに反応して、今度は下半身までも硬くなっていった。互いに密着していたので、当然シズちゃんの体の変化もわかって。

「んはっ、はぁ、あ、ん…ねえ、俺はシズちゃんにここ勃起させてって言ってないけど?君自身が欲情したってことでいいのかな?」
「…っ」

そんなことを聞いても反応は無いと思っていたのに、一瞬だけ顔が歪んだ。それはもう嫌そうな表情で、見れるのは最後だったので気分がよくなる。

「しっかり覚えておくよ。シズちゃんは俺の体でちゃんと反応してくれたって。童貞卒業できるのは俺のおかげなんだよ?」
「うるせえ、覚悟しやがれ」
「ねえ今、君の気持ちを代弁してしゃべらせてみたんだけど当たってた?」

多分意識があるであろうシズちゃん自身に尋ねたが、大袈裟に動く腕が俺のズボンを懸命に引き裂くだけだ。きっと心の中では悔しそうにしているだろう。それ以上の事は想像したくないけれど。

「本当にごめんね、俺が君を好きなばっかりにこんなことになって。でもずっと苦しかったんだから、同じ痛みを味わってくれてもいいよね?どうせ夢なんだから」
「ああ夢だ、だから手前のことなんて嫌いだ」
「あ、しまったなあ。うっかり本音言わせちゃった」

俺のズボンと下着を引き剥がしボロ布になった衣服を放り投げると、今度はシズちゃんがズボンを下ろす。その姿を見ながら本人のことを考えていたら、嫌いだと言わせてしまう。
そんなつもりはないのに少しだけ自分で傷ついてしまって、胸の辺りを左手で押さえる。だからすぐに書き換えるように言わせた。

「悪かった…臨也好きだ」
「うんいいよ、俺も好き」

すると胸の痛みが引いていって、ほっと溜息をつく。そこでようやく腰から下を全部脱ぎ捨てたシズちゃんが俺の体の上に覆いかぶさるように近づいた。一瞬見間違えたかと思って。

「入らねえぞ、こんなの」
「ちょっとこれ…大きすぎ」

後孔に宛がってはみたものの、あまりにもそこの大きさと違っていて困惑してしまう。こんな小さな箇所に物理的に入るわけがない。少しだけ驚いて呆然としてしまう。

「えっと、どうしよう。濡らしたら入るかな?」
「じゃあ擦るぞ」
「…んっ」

暫く考えてようやく思いついたのは、先にシズちゃんに出させて精液で濡らして指でほぐすことだった。自分でやるなんてできるわけがないので、全部任せることにする。
すると後ろの入口辺りに先走りでぬるついている先端を押し当てて、前後に揺らし始めた。すぐにぐちゅぐちゅと粘着質な音が響いてきて、擦られているだけなのに俺の体も反応する。

「痛くない、から…っ、気持ちいい、気持ちいいから、ぁ、んぅ、もっと」

自分に暗示をかけるように言い聞かせながら、指先は震えていた。でも目の前の相手に縋りつくという考えはなかったので、ぎゅっと強く握りこれから訪れる恐怖に耐える。

「俺の体、っ、すごいエッチだから…はぁ、あ、う、シズちゃんの、絶対に入る、からぁ、あ、う、だいじょう、ぶっ」

きっと今の俺の滑稽な姿を心の中で笑っているんだろうな、と思うと瞳に涙が滲んだ。それを慌てて拭って息を荒げて自ら腰を揺らした。
絶対にシズちゃんとするんだ、と強く決意して。

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