ウサギのバイク 流れ星みたいな君が好きで
2ntブログ
04≪ 2024/05 ≫06
12345678910111213141516171819202122232425262728293031
-------- (--)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
| スポンサー広告 |
2012-04-28 (Sat)
inf50
「流れ星みたいな君が好きで」
静雄×臨也/小説/18禁/A5/60P/600円


静雄は臨也が他に好きな人がいると思いこみ
臨也は静雄がなんでも願いが叶う星のかけらのせいで自分を好きになったと
互いに勘違いしすれ違って学園祭でプラネタリウムを見る約束をするが… 来神の話

表紙イラスト ひのた 様
niyari

虎の穴様予約

続きからサンプルが読めます

* * *


「残念だけど、明日の七夕は曇りらしいね。毎年天気が悪かったり、彦星と織姫は一体いつになったら出会えるんだろう」
「……あ?」

唐突に臨也が話はじめて、一瞬何のことかわからなかった。あまりにも普通の話題を振られて、戸惑ったということもある。きっと前を向いていたので、熱心に星を見ているのだと勘違いされたのだろう。
そんなつもりは全くなかったというのに。てっきり俺は、もっと深刻なことを話されるのだと身構えていたから。
昼休みに新羅と、臨也のことを本気で悪魔じゃないかって疑っているということを言っていたので余計にだ。実は俺の正体は、なんてそういうことを言うのではないかと勝手に想像していた。だって勘違いしてしまうぐらい、わけのわからない噂は俺の耳にも入ってきていたから。

「なあ……」
「あっ、シズちゃん見てよ。流れ星だ」

きっと臨也のことだから、他人を陥れて恨まれ根拠のない噂話を流されているのかもしれなかったが、俺は本気で悪魔みたいな性格をしていると思っていた。卑劣なことを平気な顔でする最低な野郎だと。
だから手前が悪魔だっていう酷え噂が流れてんの、知ってるかと言おうとしたのに無邪気な声に遮られる。俺はたまに遠くから聞いたことがあったが、こんな近くで聞いたことなんてなかった。
いつもは門田と一緒に居る時に、こんな風にはしゃぐように話していたから。一瞬誰に掛けられたものなのかわからず、動揺してしまう。
そうは言っても表情はそんなに変わらないし、言葉は一言も発していなにのだけど。

「あー……やっぱり消えちゃった。話してる間に消えちゃうから、同じ方向を見ていないとみつけられないよね」

本当に残念そうな顔をするのをはっきり見た。俺にとっては流れ星なんかどうでもよくて、今の臨也の表情の方がなぜか気になっていたから。

「流れ星っていいよね好きなんだ」

こっちは一切返事をしないというのに、一人で話し始める。俺が何も言わないだろうとわかっていて、しゃべっているのかもしれない。
またいつもの自慢話かと一瞬呆れたが、それ以上は暫く黙っていた。まるで本当に星を見て、感動しているようなそんな当たり前の反応だ。何かがおかしい、と怪訝に眉を顰めた。

「ほらよく言うだろ。流れ星が消えるまでに三回願い事を唱えると、叶うっていう話。俺達の目に見えている星はとっくに無くなっているのに、残像みたいなものに縋るなんて人間ってのは面白いと思うよ」

長く続くかと思われた声は、またそこでぴたりと止まる。もしかして、本気でこいつは流れ星が好きで、今まさに空を見上げて探しているのだろうか。
他人に対して嘘をつくことも多いし、散々それで迷惑を掛けられてきた。だから警戒は解かないが、ここで他愛もない話に嘘をついてこいつに何の得があるのかと考えても思いつかない。だから本当のことなのだろうかと尋ねようとして。

「君なら、流れ星に何を願う?」
「……あ?」

何を言われたのかすぐには理解できなかった。でも間違いなくこっちを向いていて、この俺に聞いている。
頭の中は真っ白で、言葉が出ない。悪魔がこんなどうでもいいことを言ったりなんかしない、と混乱した頭で全く見当違いなことを考えていた。

「俺は願い事あるよ」

そこで意味深に微笑んだが、俺の知っている嫌な笑みではなかった。もっと普通で、なんの考えもないようなありきたりな表情に思えた。

「現れては一瞬で消えていく流れ星みたいになりたい」

なんだそれはどういういう意味だ、と怒鳴りつけようとしたが唇を閉じる。再び方向を変えて、流れ星を探し始めたからだ。
衝撃的だった。臨也はきっと、流れ星に願い事を唱えると叶うという噂話は信じていない。なのに、俺の目の前でなぜか懸命に探しているのだ。
叶わないとわかっていて探すなんて、らしくないと思う。大体願いを他人に言ったら叶わないんじゃないだろうか。それをどうしてわざわざ俺に告げたのか、意味が解らない。

「最後の瞬間に他人の願いを叶えて消えていくなんて、切ないよね」

それっきり黙り込んだ。俺はなぜだか言葉を発することができなくて、視線を逸らす。
流れ星なんてどうでもいい。どこがいいのかわからない。
そんなことよりも、手前の方が流れ星みたいじゃないかと思った。

* * *

「用件を、さっさと言えよ」
「用件……?って、なにそれ」
「ああっ!?俺にメール寄越して呼び出したのそっちだろうが!やっぱり悪戯だった、って言うのかよ!!」
「メール?」

大声で叫んだと思えばポケットから古臭い携帯電話を取り出して、なにやら操作すると俺に押しつけてきた。だからそのまま受け取り画面を覗きこんで、絶句する。
そこに書かれていた内容も相当おかしいものだったけど、真っ先に右上の日付と時間を見たのだ。なぜか明日の日付に変わっていて、時間もまだ朝の八時で学校すら始まっていない。

「未来の日付?どうして?」
「まさかマジでこれ手前が送ったメールじゃねえのか?新羅と門田にアドレスも確認したんだぞ」
「ちょっと待って」

とりあえず本文のことは後回しにしておいて、ズボンのポケットに手を入れると携帯を取り出して確認した。するとそこには見覚えのない送信履歴が残っていて、手の中の携帯を交互に見比べる。
送信日時と時間、宛先に内容まですべてが一致していて驚いてしまう。たった一瞬で時間を飛び越えた上に、身に覚えのないことをしているなんて。こんなの普通じゃない、と思った時に気づいた。

「そうか、流れ星のかけらか……」
「ああ?って、やっぱりメール送ってんじゃねえか!なんだよ、送っておいて忘れたってことか臨也くんよお?」
「なるほどね」

持っていたはずの小瓶は地面にも落ちていないし、ポケットにも入っていない。あれが本当に願いを叶えることができる流れ星のかけらだった、ということなら今の不思議な状況も納得できる気がした。
だってぶつかる寸前に思ったのは、シズちゃんに会いたいということだったから。それが叶ったとしても、一日以上も勝手に過ぎているなんておかしい。
願いを叶えた後に不幸なことが起きる、という噂のことも考えると、俺はあのまま死んでしまうのではないかと思う。一度そうだと決めつけたら、それ以外の事が浮かばなかった。
これは多分きっと、夢みたいなものだ。直撃を避けられない距離とあの大雨で、見つけられなかったら確実に死ぬ。きっとそうなのだと。
先にこうやって願いを叶えておいて、現実に引き戻されてしまうんだと自分の都合のいいように解釈した。なによりあれこれ考える時間も惜しいし、原因を究明することよりも与えられた最後のチャンスに縋る方が懸命に思えたのだ。
どうせ最後なのだから、死ぬ前にふと考えてしまった本心を曝け出すべきだと。

「そうだよ、このメール送ったの俺だった。ちょっといろいろあって忘れてただけだから」
「……本当か?」

突然そう言うと、シズちゃんが怪訝な表情をしながらも怪しむように睨みつけてくる。それを真正面から受け止めながら、はっきり言った。

「シズちゃんに大事な話があるから、このビルの屋上に来てくれって言ったのは俺だ。来ないと大変なことになる、っていう脅しまでつけてね」
「じゃあさっさと用件を言いやがれ。その後に殴ってやるからよお」

目の前で拳を握りしめ構えるのが見えた。そんなに殴る気満々だとちょっと困るんだけど、と内心呆れながらいつでも応戦できるようにポケットに手を入れる。しかしナイフはなかったので、仕方なく逃げる姿勢で告げた。

「実はさ……俺、シズちゃんとデートしたくて呼び出したんだ。ごめんね」
「ああそうか、じゃあぶん殴って、や……る?」

どうせこんな夢みたいな出来事は長くは続かないだろうし、だったら好き勝手してやろうと吹っ切れた。振られてこのまま喧嘩に発展しても構わないし、多分そうなるだろうと思いながら告げる。
すると拳を振りあげてそのまま下ろそうとしていたシズちゃんの動きが、ぴたりと綺麗に止まった。そしてあからさまに動揺していく。

「デート、っておい、ふざけてんじゃねえ!誰と誰がデートすんだよ」
「えっと、だから……シズちゃんと、俺が。折角だから、ちょっと付き合ってくれないかな。あ、ちゃんとご飯ぐらいは奢るから」
「付き合う……」

すぐに殴られなかったことを内心ほくそ笑みながら、必死にお願いする。俺にとってはこれが最後のチャンスだったし、振られたとしても後がないのならいいかと潔く割り切れた。これまでなかなか踏ん切りがつかなかったけど、多分一日限りなんじゃないかと見当つけていたので言えたことだ。
無理なら無理でしょうがない、と心の中で言い聞かせて返事を待つ。するとこっちをジッと見つめたまま、シズちゃんが無言になった。
心臓がやけにバクバクと高鳴り胃がキリキリと痛む。聞きたいけど、聞きたくないとため息をついてそのまま待った。そして。

「嘘じゃねえ、って証拠あんのか?」
「え?」
「だから、デートしたいってことは好きってことだよな?それが証明できるんなら、つきあってやっていい」
「うわっ、すごい偉そう」

茶化してみたものの、動揺は隠せなかった。予想もしなかった答えに、どうしたらいいかわからない。それに俺はデートをして欲しいと言っただけで好きだなんて一言も口にしていない。
それなのにシズちゃん自身の口から、好きという言葉が聞こえてきてびっくりした。デートが好きという感情に直結するぐらい、自信があるのだろうか。どちらにしろ、言うべきことは決まっていた。

「じゃあキスしよっか、ここで」

* * *

「……ぁ……んぐ、っ……ぅ!」
「キツいな。もう少しクリーム塗るか」
「はぁ……えっ?……あ、ぁあ!!」

途中まではかろうじて入ったが、そこでいきなりシズちゃんが指を引き抜いてまたたっぷり指先にクリームを塗って捻じ込んだ。するとさっきまでよりもスムーズに奥へと進み始めて、それと同時に体の奥底から疼くような何かが駆けあがってくるのがわかった。
声を出さないように押し殺す為には舐めている場合ではなかったのだが、やめるわけにもいかない。結局喉の奥からひきつるような声を出し、室内に響かないように配慮して耐える。

「あっ、ん……っ、は……シズちゃ、んのも興奮して、るね」
「そりゃあこんなとこ弄ってるんだぜ。まだ夢みてえだ」
「俺だって、こんなの……んぅ、は、ぁ」

じわじわと指が埋まっていくのがじぶんでもわかる。なるべく考えないように必死にシズちゃんのに吸いついたが、裏側をなぞっていると大袈裟にビクビク震え始めた。
一応ネットで事前に男同士のセックスを調べていたとはいえ、正直気持ちいいのかは不明だったので顕著に反応を貰えるのが嬉しい。愛しさを感じてしっかりと先走りを舐め、喉の奥で味わった。

「よしこれで全部入ったな。これからどうすんだ?中をぐちゃぐちゃにすればいいのか?」
「んっ、あ、そう……そう、だ。ぐるぐる、掻き回してくれ、た、ら……ぁ、あ!」

言い終わらないうちに第一関節から先の部分が内壁を押すように数回動かされる。それに合わせて中が収縮して反応を返しているのがわかった。
自分ではコントロールできずに肩を震わせていると、入口付近をたまたま強く押されて叫びがあがってしまう。他の箇所とは違う何かを感じ、目で訴える。

「ここが気持ちいいのか?っつーかまだ一本目だけど、次も入れた方がいいよな。指三本ぐらい入れるのか?」
「あ、あぁ……それ、はどっちでもい、いからぁ……あんっ」

指の腹で壁をぐいぐい擦りながら、円を描くように蠢き始める。意外と丁寧に小刻みに出し入れするので、快感がせりあがってきて反応していた。
シズちゃんと淫らなことをしているなんて考えないようにしていたけれど、さっきまで無反応だったのに勃ってしまったということはもう決定的だ。男同士の性行為が心地よくて感じていると。

「じゃあとりあえず二本目いくぜ。俺のももっと吸いついていいから」
「わ、かった……んぅ、っあ」

舐めても舐めても滴ってしまう汁を舐め取りながら、だんだん頭もぼんやりしてくる。やっぱり流されてしまった、とため息をつくとタイミング良く二本目の指が入れられた。

「っ、あぁあ!う……ぁ、シズちゃ……ん、ぅ!!」
「今度は大丈夫みてえだな。おい多分人はこねえから、もっと声出してもいいぜ。もっとエロいの聞きてえんだけど」
「無理、だ……っ、うぅ、は……あぁ、二本も、っ、う」

さっきまでよりも中が広げられて、もう一本も同じ道を通り奥を目指す。一度目よりは痛みも恐怖も薄れてはいたが、快感を覚えてしまったのでそっちの方が厄介だった。
人差し指で奥を抉りながら、中指がじわじわと飲みこまれとうとう合流する。中で隣同士に指が擦れ合ったところで、少しため息を吐いた。

「よしもう少し我慢してろよ、すぐに俺のを入れてやるから」
| 同人関連 |