ウサギのバイク 流れる涙も 凍てついた胸も ⑳
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2010-05-25 (Tue)
静雄×臨也前提 四木×臨也 ※18禁注意

続き 覚悟を決めたのだ

* * *
渡された錠剤を飲み込んで、暫く呼吸を落ち着かせた。

「おさまりましたか?」
「はぁ…多分ですけどとりあえず幻聴みたいなのは聞こえませんね」

体は昂ぶっているけれど、とまではさすがに言わなかった。一応は解毒剤を貰えたことについては、礼を言っておいた。しかし見返りはあまりにも大きい。
四木さんの組の仕事と逃げた男を捕まえるのに協力する事に関しては自信があったが、体のことについては何も考えたくなかった。


「じゃあとりあえず折原さんが苦しそうですから、してあげましょうか?」
「…っ、早速ってわけですか?別に俺はいいですよこのままでも」

床に座りこんでいた俺に目線を合わせるように腰をかがめてきた。そして俺が大変そうだから、と勝手に理由をつけてきたのだ。逆らいはしないが腹は立ったので、わざとらしく顔を背けた。
向こうにしてみれば子供らしく頬を膨らませでもした、と思っているだろう。まぁ正直それぐらいしか今はできないのだが。


「これは愛人としての、命令ですよ?汚い中に突っこむ趣味は私にはないので、ちょっと中を綺麗にしてもらえませんかね?ご自分で」

「…わかりました」

命令と言われて背筋がぞくりと震えた自分に一番むかついたが、それを顔には全く出さずに両足を左右に開いた。緊張で指が震えそうになるのを、必死にこらえた。
これ以上なにか文句をつけられるのも癪だったので、わざとらしく四木さんからしっかり見えるように、二本の指で後孔を押し広げた。

「……っ」

するとすぐにどろりとした粘液が溢れてきて、床に染みをぽたぽたと作っていった。何十人に輪姦された後ではないが、昨晩の残骸やらも混じっていて量だけはあった。
しかし気持ちが悪い、と思う間もなく中に指を突っこんだら体が反応しだした。

「ん、ぁ…っ、は…」
「あんな男達に調教された、というのが不愉快ですがなかなか眺めは悪くないですね。あなたも随分楽しそうな顔してますよ」

出された精液をかきだすのに没頭していることにして、下ばかりを見続けて吐息を吐いた。まだ全くの他人ならこんなにも恥ずかしい思いをしなくてよかったのに、と内心考えた。
顔をあげられなくて、とにかく必死に中身を抉って出し続けた。

「は、はぁ、んぅ…っ、あ」

しかし指を蠢かせるほどそこが熱くなってきて、どうしようもなくなっていた。慣らされた体が別のモノが欲しい、欲しいとねだってくるのにそう時間はかからなかった。
ただでさえさっき中途半端に放置されたのだ。欲するのは当然の生理現象だった。
少しだけ戸惑いながらも、ゆっくりと顔をあげていって四木さんと目が合うと、そこで瞳が細められた。欲望にギラついているように見えて、少しだけ余裕のようなものも混じっている気がした。


「どう言えばいいか躾けられてますよね?」

「は…い、四木さんのが、欲しいです…おれ…」


問いかけられて、もう迷わなかった。
覚悟を決めたのだ。

「こりゃ本物は相当威力がありますね。予想以上で驚きましたよ」

そう言いながら四木さんが立ちあがり、ズボンのベルトに手を掛けてゆっくりと外していった。わざとなのか俺が待ちきれないのかはわからなかったが、わざと時間をかけているように見えた。
しなやかな手つきでジッパーを下げ、下着もおろしていきやっとそれが露わになった。しかし予想とは違い、勃ちあがるどころか何の反応も示していなくて息を飲んだ。

「すみませんね、若いのと違ってすぐには反応しないんですよ」

申し訳無さそうに言ったものの、直感でわざと性欲を抑えているのだと思った。どうしてそうしたかは、簡単に考えられる。俺に奉仕させる為だと。
ほんとうにどこまでも侮れない人だなと思いながら、膝をついて四木さんの足元に寄り添った。


「ん、ぅ…っ」

無言で上目遣いで見あげながら、まだ小さいペニスに手を伸ばして口元を近づけていって一気に唇に含んだ。まだ体の中にある指は充分に中の粘液をかき出していた。
その度に感じてしまい微妙に震える振動が、四木さんの体にも伝わっていただろうが何も言われなかった。
こんなに欲情しない相手ははじめてだったので、先走りでも濡れていなくて大きさも小さいのが物珍しい気分だった。そして俺の手でそれを硬くさせていくのが、たまらなかった。

「ふ、むぅ…く、ぅ…」

舌を使い口内でころころと転がしたりして弄んだり、丹念に唾液を塗りつけていると、やがて中心から芯がはっきりとしてきた。
半分勃起しかけてきたところで唇から取り出し、片手で軽く扱うと水音がして、後孔から響く淫らな音色と奏で合うように部屋の中に響いた。

「はぁ…っ、んぅ…は」

耳に聞こえてくる音だけで、卑猥な気分に陥り期待に胸が躍った。これまで焦らされるなんてことはまるでなかったから、この時間がやけに長かった。
しかし体の奥から悦楽がじわじわと沸いてくるのに、そんなに悪い気もしなかった。これが大人の余裕というやつなのか、と思いかけて笑いそうになった。
これまでと違う印象で少しばかり流されているだけだ、と言い聞かせた。まだ行為さえしていないのに虜になりかけているのに、気がつきたくはなかったからだ。

「はぁ、はっ…お、っき…」

しばらくして完全に勃起したところで、おもわず唇からこぼしていた。何百人か相手にしたが、その中で比べるとなかなかの長さと太さがあった。
これが自分の中に入っていくのかと想像したところで、中がひくりと収縮してどういうことなのか語っていた。

「う、んう、ぅ…っ」

まだ止めろと言われていないこともあって、それを口に含んでみた。ずるずると音を立ててそのまま吸いあげると、ピクリと反応が返ってきた。
当然のことながら四木さんは無表情で黙っている。なんだかギャップがおもしろくて、もっと弄ってやろうという気分になった。俺のささやかなる責めだ。

「ん、ぅ、っ…は、あぁ…」

手も使って根元を擦りあげながら、丹念に先端から裏側まで舌を這わせていった。こうして一人相手にじっくりするのも、なかなか興味をそそられた。
自然と口元が緩んで、陶酔した表情を浮かべながら笑っていた。どこが感じるところなのか探りあてるのが、とにかくおもしろかった。
何度も舌と唇を先っぽから根元に行き来させて、もういっそこのまま出してしまえとまで思いかけたところで待ったの声がかかった。

「しょうがない人ですね。すぐには回復しないかもしれないのに、出させてどうするつもりだったんですか?」
「ははっ、そうなったらまた勃たせるだけですよ」

ペニスから唇を離すときに、名残惜しげに先端にキスをしてそう告げた。

「私でも飼い慣らせれるか心配になってきましたね。あなたのそれは、天性なんじゃないですか?」

からかうように言われたがわざとらしく首を傾げて、わからない振りをした。天性というよりは、こういう行為自体に興味があって楽しめるからのような気がした。
こっちが振り回されてばかりだったが、ここにきて少しだけ優位に立てる方法がみつかって、なんとなく嬉しかった。
同時にどんどん戻れない場所に堕ちていっているのも自覚していたが、もう戻ろうという気はなくなっていた。
戻れる場所なんてどこにもないから、進む場所がどうなっていようと構わなかった。
ただどうしようもなく、シズちゃんと喧嘩ばかり繰り返していたなんでもない日常を、告白するまで淡い恋心を抱いていたことを、愛しいと思った。



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