ウサギのバイク CAPSULE PRINCESS①
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2010-02-16 (Tue)
静雄×臨也 ※18禁注意

6話後の話 サイモンから謎の薬を入手した静雄が臨也に復讐する話
鬼畜静雄が媚薬を使って監禁調教 玩具も使ってます

* * * 「あークソッ…イライラすんなぁ…」

人気の無い路地裏に座りこんでタバコを吸いながら、何も無い空間を睨みつけていた。
つい先ほどまではそこに誰かがいた。一番の天敵である折原臨也がいた。
見かけた時は新宿に居るはずの臨也がなんでこんな池袋のど真ん中にいるのかと疑問に思ったが、答えはすぐにわかった。
手に持っていた箱の包みに見覚えがあった。あれは明らかにサイモンの店の寿司だ。今日は安売りの日だったか?
最悪な奴だがあそこの寿司がうまいというのだけは俺も理解できる。たまにしか行けれねぇが。

それはいいとしてとにかく、俺は殺り合うつもりでいたのに奴は笑いながらあっさりと逃げていきやがった。
しかもだ、逃げる途中に変なことを言ってきやがった。もし今晩俺がセルティに会ったら伝えて欲しいことがあると、わけのわからないことだけ言い残したのだ。
だがその直後にタイミングよく聞きなれた黒バイクの轟音がして、慌ててバイクを止めるとその持ち主に今聞いたばかりのことを伝えた。
奴の持っている情報だけは間違いないのは知っているから、迷いはしなかった。
バイクが走り去っていく独特の音色を聞きながら、もうあいつを追いかけるのは無理だと悟った。俺を巻くためだけに仕組んだことなら大したものだが、さすがにそれはないだろう。
とにかくまだやり場の失った怒りがまだ体中でぐるぐる回っていて、いっそ臨也の自宅に殴りに行くのが手っ取り早いかと考えていた。


「オー静雄!ココにイター!探したヨ!!」


声のした方を見ると、見知ったロシア人の客引きがいつも通りの笑顔を浮かべながらこっちに近づいてくるところだった。

「なんだよ。悪いけど寿司なんて食ってる場合じゃねえんだよ、俺は」
「聞いたヨ、マタ臨也とケンカしタ。オキャクサン逃げて営業ボウガイ。フタリ仲良くスルヨ」

表情は全く変わっていなかったが、怒っていることはなんとなく醸し出されている雰囲気で伝わってきていた。
こんな口調ではあるがサイモンが俺と同等に強いことは知っているし、さっきの臨也との騒ぎでほんとうに寿司屋の客が減ったのなら悪いなと思った。

「店に迷惑掛けたんなら謝るが、あいつのことは二度と口にすんな。俺ぁ今気が立ってる最中だしな」
もうこれ以上話しかけてくるな、という意味を含めて言ったのだが本人には全く伝わっていなかったようだった。


「静雄イイモノあげるネ。コレ、仲良くナルクスリヨー!」


ニコニコと笑いながら俺の右手を強引に取り、手のひらになにかを押しつけてきた。

「は?なんだ…これ?」

左手でそれを掴んで目の前に掲げると、それは錠剤などが入っているぐらいの大きさの小瓶だった。
だがラベルなどは貼ってない上に中は液体のようだった。瓶の色が透明ではないので液体の色はわからないが、なにかものすごく濁った汚い色ではないかと思った。

「ソレ、臨也に飲ませル。フタリ仲良くナル、ハッピーエンドヨ」
「あいつ相手にどうハッピーエンドになるってんだ…」

半ば諦めて口元を笑いの形に変えながら、内心面白いものを手に入れたと思った。
どういうルートで手に入れたどんなものかは知らないが、臨也に試してみる価値はあるはずだ。
こんな怪しげなものを盛られるのは大抵俺のほうだったから、いつか仕返しをしたいとも思っていたしとにかくイラついてしょうがなかったから何の疑問も持たずに小瓶をポケットに入れた。

「まぁとりあえずこれは貰っておく。悪かったな営業妨害して。これで臨也を殺せたら、店に寿司食いに行くわ」
「オウ、寿司ウマイヨ。マッテルヨ」

簡潔に礼を言うとタバコを思いっきり歯で噛みしめながらすぐに早足で歩き出した。もうすっかり臨也のことで頭がいっぱいになっていた。


(どんなヤバいのか知らねえが…あの野郎を出し抜けるってんなら、やってやろうじゃねえか)


まだぶん殴りたい気持ちは渦巻いていたが、それを抑えこむほどに高揚感が高まってきていてしょうがなかった。



「あれ?もしかしてシズちゃん、こんな時間まで俺のこと待ってたの?残念だけどもうさっき公園で寿司は食べちゃったんだよね。わけてあげられなくて、悪かったねえ」

新宿の臨也の家の前に辿り着いてから数時間は経っていたが、そのこと自体に怒りはわかなかった。いつもの調子で嫌味を言われたが、そんなことはどうでもよかった。


「おい、話がある。家の中に入れろ」
「なに?ここじゃダメなの?珍しいねえ家に入れろだなんて。物を壊さないって約束してくれるんなら、お茶くらい出してあげるけど…」
「早くしろ」
「はいはい、まったく強引だよね。まぁこれ以上廊下で揉めてても近所の人にも迷惑掛かるからさ」
臨也はぐちぐちと文句を言いながら、ポケットの中から鍵を出し開けた。

「どうぞ?」

歓迎なんかしていない癖に扉を大きく開け放って、わざと俺のほうに向いて微笑んできやがった。俺が大嫌いな、ムカつく顔だったが無視して玄関に入っていった。
そういえばこうして通常の方法で家に入るのははじめてだった。いつもはドアをボコボコにしてこじ開けたり、外側から思いっきりドアを蹴り倒して侵入していたからある意味新鮮だった。
背後で扉が完全に閉まり鍵がかけられた音を聞きながら、ドキドキと高鳴る鼓動を心地よく感じていた。


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