ウサギのバイク CAPSULE PRINCESS③
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2010-02-18 (Thu)
静雄×臨也 ※18禁注意

前回の続き 既にビッチ臨也…

* * *

「おい…――うわっ!?」

かなり物騒な薬だということを散々言い聞かせられてチクリと胸が痛んでいたので、一瞬反応するのが遅れてしまった。
ソファから立ちあがる勢いのまま目の前のテーブルを飛び越えて、臨也が俺の体に体当たりをかましてきやがったのだ。
いつものように華麗にナイフを振り乱し切りかかって来るだろうと思っていたが、想像を絶する行動を取り始めた。


「シズちゃんの手…冷たくて気持ちいいよ」

「え?」


驚いて身動きできないでいる間に俺の体の上に跨って膝の上に乗っかる形で座った。その後左手を掴むと、そのまま自分の頬にぴったりと押しつけて笑ったのだ。
しかもこれまで見たことがないような、人間らしいというか感情のあるような微笑だった。数秒前までの苦痛は影もなかった。
添えられた部分の頬がほんのりと赤いし、とろんとしかけた瞳とか全体的に醸し出される雰囲気に妙に色気があって、相手はとんでもない奴だとわかっていながら別人かと思い胸が跳ねあがった。

(ありえねぇだろ、それってよ…)

きっと今俺は奴にもみせたことがないくらい情けない表情をしていると自分で感じた。
ぼんやりと呆けたように口を開けたまま、臨也の成すがままに頬をすりすりと撫でさすられているのだ。

「すごいなぁこの薬…痛みもすぐに快楽へと変換してくれるみたいだ。俺だからいいけどさ、普通の人間だったらすぐに壊れちゃってるはずだよ」

「か、いらく…?ってなんだそれ、どういうことだ?」

「なに?薬の効果も知らなかったの、これ催淫剤だよ。しかもちょっとさわられただけでイッちゃうくらい体中を敏感にさせて、まぁ女の子の方に使うようなやつだよね」

「…なッ!?」

やっと頭の中で意味が理解できて、顔が赤くなった。なにが仲良くなる薬だ。そういう意味での仲良く、かよ洒落にならないぜ。
だからさっきから臨也が変に艶っぽく見えたりしていたのだ。元々男にしては全体的な体つきが細く、よくいつも殺りあっているなと思っていたぐらいだ。
そんなものだとは知らずに必死に飲ませた俺が馬鹿みたいに思えてきた。コイツがあえいでる姿なんて見たくもねぇと嫌な気分になり始めた矢先。


「はぁ…っ、やっぱりダメだ…耐えられない…」

「……え?…い、臨也てめぇ……」

擦りつけられている手にあたたかい液体がぽたぽたと突然落ちてきて、何が起こったのかと驚愕した。
臨也は瞳から静かに涙を流しながら、唇から熱っぽい吐息を吐いた。なんだかやけに苦しいような切ないような表情で、それを見た瞬間体中の血が沸騰するかと思うくらい激しく疼いた。
目の前にいるのは世界で一番大嫌いな相手、ではすっかりなくなっていた。いつもの面影などどこにもなかった。


「ごめんね、シズちゃんにさわられてるだけじゃダメみたいだ。俺欲しい…シズちゃんの入れて?中ぐちょぐちょに掻き回してよ」


そう告げた途端に奴の手がぶるぶると奇妙な麻痺を起こしながら震え始めた。尋常ではない様子に、すっかりパニックに陥ってしまった。

「おい、大丈夫か!?どうしたらいい!なんか解毒剤みたいなのはないのか!」
「な、いよ…そんなの。いいからすぐ後ろの棚の引き出し開けて中に入ってる使えそうなやつ出してよ。全部使っていいからさ」

わけがわからないがここは言われた通りにしようと思い、臨也の腰を片手で抱えてソファに慎重に降ろして立ち上がって指定された棚の取っ手に指をかけた。

「おいてめぇ臨也あ…なんでこんなとこにこんなもんがあるんだ?」

「ははっ、俺男に掘られるのなんてはじめてだからさ…ちゃんと慣らしてよね。おもちゃも使っていいよ」

たくさんの書類がびっしりと詰まった一見普通の棚の目立つ引き出しの中に、どうしてこんな淫猥な道具が入っているのか頭を抱えそうだった。
心配したのが間違いだったのかと思いかけたが、口が達者で嘘をつくことだけは秀でている奴のことだからこんな風に振舞っているのかもしれないと気がついた。


俺はこれまで一度も、臨也の本音なんて聞いたことがないのだ。
学生の頃に出会って何度も死闘を繰り広げてきたが、あいつはいつもはぐらかしてばかりで掴めなかった。
人の間に上手く溶けこんでいるように見えて、あいつも俺もずっと一人だった。
こっちは全力で本音をぶちまけているのに、向こうは逃げてばかりだ。もっとも俺に対する暴言だけは本当の気持ちなのだろうが。
薄ら寒い笑みを浮かべてナイフを振りかざしてばかりだったから、さっきの涙は動揺してもしかたがなかった。
絶対に縋ってはいけない相手に、助けを求めてきたのだ。普通に考えてありえない。


さっきの欲しいという必死の言葉が本音に近いのかもしれない、と思いなおすととりあえず引き出しの中身を持てるだけ持ってソファの前に戻った。
道具をとりあえず机の上に乱暴に放りじっくりと臨也の体を観察すると、明らかに下半身の部分が盛りあがっていて痛々しいのがわかった。

「脱がしてもらうのと、自分で脱ぐのどっちがいいんだ?」

一応気遣いで声を掛けた。こいつなんかに気を使うなんて、俺はおかしくなっちまってると腹の底で思いながらもうあまり嫌ではなくなってきたいた。

「うーんそうだね…せっかく、だから…脱がしてもらおうかな…」

ちらりと俺の瞳を覗きながら迷っていたようだが、諦めたように目線を逸らしながら肩を上下に揺らした。それが呼吸が酷くなってきたのだとわかったのは、脱がそうと足元に近づいたからだ。
かけていたサングラスを外しソファの上に適当に投げると、ぐっと唇を引き締めて臨也のズボンに両手を掛けた。


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