ウサギのバイク ねこねこねこにゃ! ①
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2010-08-31 (Tue)
静雄×臨也 ※18禁注意

朝起きたら臨也が猫になっていて発情しながら静雄に迫る話


* * *

「え、ちょっとなに、なにこれ…!おかしいから、おかしいからッ!!」

布団からガバッと起き上がって、バサバサと揺らしながら目の前にある現実から一時的に目を逸らしたかった。動く度にチリンチリン、という鈴の音が聞こえていた。
非現実的な事態には割と慣れているとはいえ、自分の身に起こって冷静でいられるほどではない。わめき散らしていると、すぐ隣で寝そべっていた背中がこっちを向いて寝ぼけながら言葉を発した。

「朝っぱらから何の音だようぜえ、な…せっかくの休み…って、おい」

途中までは鋭くこっちを睨みつけながら怒っていたが、途中で言葉を切ってまじまじと俺の姿を眺めて驚きの表情を浮かべた。誰が見ても同じ反応をするだろう。
俺自身だって、これまでにないぐらいに驚いているのだから。
けれどシズちゃんにしては落ち着いていることに、少しだけ違和感を感じた。まさか、とは思いながら尋ねてみた。

「意味わかんない、っていうか…シズちゃんなんか、知らない?」
「お、俺か!?そ、んなの、っ知ってるわけ、ねえだろうが…ッ!!」
「動揺してんのバレバレなんだけど、説明してもらえるかな?」

あまりにも想定した範囲内で挙動不審に目を逸らして、どもりながら否定したので何かを知っていることは丸わかりだった。ため息をつきながら睨みつけたのだが、なぜか逆に睨み返された。
キレた振りをして俺のことを攻め立てるのかと思ったが、どうやら違うようだった。

「おい、俺に逆らっていいのか?こっちはすげえもん持ってんだぞ」

「へえ…なんだって?」

あえてそこでは問い詰めずに先に促すと、上半身を起こして俺のベッドの横に落ちていたバーテン服をごそごそと漁りだした。
昨晩は仕事帰りで俺の家に来たシズちゃんと一晩過ごしたので、なにかをするなら俺が寝た後だろうなと考えながら、見守っていた。

「この瓶がなんだかわかるか?ほら」

「え……なに?…っ、う!?」

いきなり瓶の蓋を取った容器を一瞬だけつきつけられ、その臭いを嗅いだ瞬間に、苦しいぐらいに胸がドキンと高鳴って異常なほど心臓が早くなり始めた。
そのまま胸を押さえながらシーツの上に手を置いて苦しんでいると、淡々と告げられた。

「こりゃマタタビエキスらしいんだが、嬉しそうに尻尾を振ってやがるってことは相当効いてるってことか?」
「……っ、あぁそういうこと、なんだ。猫はマタタビが大好物だからね」
「全部新羅の差し金だ。ちょっとおもしろい実験をしたいんだって持ちかけられたから、臨也に使わせていいかって頼んで貰ってきてなあ。猫になる薬を仕込んだのは手前が寝た後だよ」

内心やっぱりな、と思いながら改めて自分の姿を見直した。
首元には金色の鈴がついた黒いチョーカーが巻かれ、手で確かめなくても頭の上で微妙にふるふると震える黒い耳、そして腰のあたりから黒くて長い尻尾が生えていた。
あまりにも非現実すぎる。人間が猫化するなんて話ぐらいならいくらでもありそうだが、身近な人間がそんな薬を作ったなんて、驚愕の事実だった。
でもなによりも、シズちゃんが一応恋人である俺を実験台に許可するなんて、ありえない話だった。人のことをなんだと思っているのだと、怒鳴り散らしてやりたかった。

「は、っ…く、なに、これ…おかしいっ、よ」

けれどもさっきから額から冷や汗は流れるし、どんどん体は熱くなるし、作り物の耳と尾尻が反応して首の鈴がうるさいくらいに鳴り響いていた。
いくら猫がマタタビが好物で、それを利用して俺に臭いを嗅がせたにしてはおかしい反応だった。まるで今の俺はまるで猫が発情しているみたいで、布団で隠れている足をそわそわと擦りつけている。

「おいおい、ちょっと臭いを嗅がせただけでこんなになるなんてマタタビってすげえんだな。っていうか手前が淫乱で発情してる猫になっちまってるからかもしれねえが」
「う、るさいっ…全部わかってた、癖に!!」

呼吸をなんとか整えながら、意地悪な笑みを浮かべてくるシズちゃんに対してやっと怒鳴ることができた。でもすぐに手が震えて、全身にほどよい気持ちよさが回っていく。
もしこの効果を新羅から全部聞いていたのだとすれば、おもしろがって実験台にしようとしたことには納得できる。いや、納得なんてしたくはないのだが。
はじまりが体の関係からはじまったから、セックスも既にマンネリ気味だったし、そういうエッチなネタにはすぐに飛びつくぐらいにシズちゃんは変態だった。

「そんなに強がってていいのかよ?ほら、こうしたらどうなると思うか?」
「な…ッ、それをチンコに塗るなんて、っていうかいつの間に勃起させてたんだよ変態ッ!」
「ほら、どろどろだぜ。舐めてみたいだろ?」

いきなり瓶の蓋を開けたかと思うと、既に大きくなっていた自身のペニスにマタタビエキスをたっぷりと垂らし始めたのだ。それがどういう意味を示しているかなんてわかりきっている。
誰がそんなことをするかと歯軋りしながら、目は釘付けで辺りに蠱惑的な香りが漂っていって、余計に心が揺れた。
嫌だ嫌だと思い込んでいるのに、次第に瞳が勝手にとろんと潤んだ。そして本能的においしそうだと感じる臭いの発している元へ、手をついて四つん這いの姿勢で一歩一歩近寄っていった。
絶対にダメだと頭では訴えているのに、行動が全く伴わなくて、尻尾と耳がせわしなく動いていた。

「ははっ、すげえエロい顔して涎垂らしそうになってるぞ。まだセックスもしてねえのに、こりゃ中に入れたらどうなるんだろうな?まぁとりあえず舐めてくれるんだろ」

「い、やだ…いやだ、おれは…こんなの、なめたく、なんか…ッ」

頭を低くして腰を高く掲げながら、股間の間のモノをじっと凝視したまま必死に体を押さえこんだ。けれども全身がぶるぶると麻痺をしているし、口の端からつーっと涎がこぼれていった。
すっかり腰はそわそわと揺れ動いてしまっているので、どれだけ欲しがっているかなんて一目瞭然だった。

「我慢しなくてもいいんだぜ?ほら、チンコを舐めさせて下さいって言ったら許してやるからよ」

「そ、んなの…っ、死んでも嫌だ!!」

全力で反論したとはいえ、もう欲しくて欲しくてしょうがないことは自分でも理解していた。本当にギリギリまで近づいて、浅く呼吸を繰り返しながら舌を延ばそうかどうか迷っているのだ。
このままでは本当に頭がおかしくなってしまいそうだったのだが、屈辱的なことを言うかどうかで苦悩していた。

「ほら、もっと増やしてやるよ」

そう言いながら瓶の中の半分ほどの粘液が垂らされて、また充満してきた臭いに今度こそ完全に観念した。いつもは決して出さない甘い音色で言いながら上目遣いにシズちゃんの顔を眺めた。


「あ……っ、ぁ…シズ、ちゃんの…おちんちん、俺に舐めさせてぇ……?」


そして俺は返事を聞かずに、ギンギンに硬くなっているそれにしゃぶりついた。


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