ウサギのバイク 鬼畜静雄全集『変わらない胸の痛みも』
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2011-04-23 (Sat)
「鬼畜静雄全集」
スパコミ発行新刊 静雄×臨也/小説/18禁/A5/324P/1900円
無料配布再録集+追加書き下ろし
【変わらない胸の痛みも】 サンプル


好きなら逆らうなと脅された臨也が静雄に捕まって公衆便所に監禁される話■8.14発行
※サンプルにはないですが本編にはモブ臨表現があります

* * *


「好き、なんだよ。俺はシズちゃんが好きだ。もう苦しくて耐えられないんだ」
「手前はそうやって嘘ばっかりつきやがるな。そんなに俺を弄んで楽しいか?楽しいよな?」
「違う……っ、これは本気だって。信じて、くれないの?」

追いつめられた路地裏で、壁に背中を押しつけられながら最低の告白をしてしまった。でも目の前に大好きなシズちゃんの顔があって、額がぶつかっていて、息がかかって。
これで耐えられる方がおかしい。いや、おかしいのは俺なのだが、この際どうでもいい。全部些細なことだ。
もう何年も積り積もってきた気持ちが、急に俺の中で爆発してしまった。一生隠しておくつもりだったのに口にしてしまったのは、つい最近見てしまった写真が原因だった。俺宛にわざわざ送られてきたのは、頬を紅く染めながら女の人に口説かれているシズちゃんという構図で。

それを見てしまった途端に何かがガラガラと音を立てて崩れていってしまったのだ。一生懸命に作った砂の城を波で全部攫われたかのような、予想外の方向から全部もっていかれたかのような気持ちに陥った。
だから今日は池袋にわざわざ来て、シズちゃんに見つかるように動いて、そうして今わざと捕まって告白したのだ。
正直に、どうしたらいいかわからなかった。どうしたいかもわからなかった。でもここで言わないと、知らない女に寝取られてしまう、奪われてしまうというわけのわからない焦燥感だけが頭の中を占めた。

だから振られるのが怖いとか、拒否されるのが苦しいとか、そんなことは忘れてしまっていた。
シズちゃんを繋ぎとめられておけるなら、なんでもするとその時は心の底から思っていた。だから唐突に耳元で囁かれた言葉に、全身が震えた。


「俺のこと好きだって言うんなら、何でもできるのか?いやできるよな?そうだろ?」


「え……なに、をするの?」
「とりあえず抵抗するんじゃねえ、大人しくして力抜け」

怪訝な表情をしながらその言葉に従った。ふっと体の力を抜くと掴まれていた腕がだらりと垂れて、それを見たシズちゃんは満足そうに口の端を歪めて笑った。
でも俺は意味が解らなくて、首を傾げながら行動を見守った。すると首元につけていた蝶ネクタイを外して、直後に俺の体が広くて男らしくがっちりとした胸に押しつけられてしまう。
抱きしめられた、と思って急に頬がかあっと熱を持った。やけに心臓の音がバクバクと煩くて、これはヤバイとにやつきそうになる頬をなんとか引き締めていると後ろで手首を纏められて。そして気がつけば両手が使えないように後ろでキツく縛られていた。

「どういうこと?」
「黙ってろ、舌噛むぞ」
「え、ええっ……!?」

呆然としながら声を掛けたのだが、直後に乱暴に腰のあたりを掴まれてそのまま右肩に乗っかる格好で担ぎあげられてしまう。驚きの声をあげた時には既に猛スピードで走り出していて、視界が酷くぶれていた。
不安定な体勢だったのでおもわずしっかりとしがみついてしまったが、妙な昂揚感に包まれていて逃げ出そうという気持ちは全く起こらなかった。逆にどんなことが起こるのだろうかと、期待してしまっていた自分を少しだけ後悔した。




「なに、ここ?なんでこんなところ……?」

しかし俺の問いには答える気が無いのか、黙り込んだまま辿り着いたどこかの公衆トイレの個室の便器の上に座らされてしまう。当然後ろで手は縛られているので、下手に身動きをしてしまうとそこから落ちてしまう。
どこか雲行きが怪しいなと訝しんでいると、一度俺の前から消えて隣の掃除用具入れらしい場所をゴソゴソと漁り始めた。本当に何を考えているのかまるで読めなくて、少しだけ不安になっているとよく見る青いホースを手に持って戻って来た。ますます、その行動に理解ができなかったのだが。
そこで一度俺の肩を掴んで、後ろに置いてある洗浄タンクに思いっきり押しつけられた。一瞬だけ目を瞑って痛みに耐えたのだが、その隙に何かがお腹の辺りに巻きつけられて、改めてそれを見て息を飲んだ。
ホースがめいっぱい引っ張られて体とタンクを挟むように巻きつけられて、キツ目に拘束されていたのだ。後ろのタンクの辺りでまだゴソゴソしていたので、しっかりと結び付けているようだった。

「待って、待ってよ、どういうことだよ!」

流石に抗議の声をあげたのだが、バッサリと切り捨てられた。

「俺の事が好きなんだろ?だったら従えるだろ?」
「……っ、好きだけど、それって逆に俺の事脅迫してない?なんでこっちが脅されてるのさ」
「愛っつうのはあれだろ、相手の事を何でも受け入れられるぐらい深いもんだろ?だから俺も手前の最低なところはこの際目を瞑ってやる。だから俺のすることにも、口出しすんじゃねえ」

俺の理解を超えた考えに、馬鹿みたいにぽかんと口を開けて呆けたままそれ以上何も言えなかった。なんて偉そうに言うんだと罵ってやりたい気持ちも失せてしまう。
何かが、俺とシズちゃんの間で根本的に違うのではと気がついたのだ。こっちは気持ちを伝えることが精一杯でそれ以上のことは考えていなかったが、多分向こうが言っているのは気持ちとかそれ以前の問題で、多分こんな場所に閉じ込めて拘束しているということはつまり。

「好きに対する返事は、教えてくれないの?」
「これが返事だろうが」

その瞬間、胸に鋭い痛みが走って目頭が熱くなる。かろうじて涙は堪えたが、つまりはそういうことだ。

嫌いだ、だから俺に対して最低な嫌がらせをする。
乱暴をして性欲処理に使う、というのだ。振られた、ということだ。

今度こそ本当に全身の力がふっと抜けた。

「そっか……」

俯いたままもう顔があげられなかった。正直にショックだったし、シズちゃんの方をまともに見たら涙がこみ上げてきそうだった。それぐらい打ちのめされた。
きっと今シズちゃんは、喜んでいる。俺の心を弄んで突き放したことを。俺がこれまでいろいろ仕掛けて、裏切って、警察に突き出したことに対する仕返しをしたと思っているだろう。
それは当たっていた。だって身が引き裂かれそうなぐらい傷ついて、心が痛くて、壊れてしまったかのように感じていたからだ。

「おい、顔あげろ」
「……っ!?」

無理矢理顎の下を掴まれて上を向かされると、目の前に見たことも無いぐらい大きな性器が突き出されていた。シズちゃんの股間からしっかりと生えているそれは、既に先走りの汁を先端から垂らしていて、あまりのことに思考が停止した。
こんなの俺のモノに比べて、大きすぎると。そして無駄に頭の回転が速い俺は、この後に何をされるか瞬時に把握した。最終的には体を狙われているのだから、多分シズちゃんにとっては普通の事なのだろう。
でもこっちは、性行為なんて興味が無ければ、自慰だってまともにしたことがないぐらいだ。そんな楽しくないことに時間を掛けるなんて、という考えの持ち主だったので、いきなり卑猥な行為をしろと強要されてもどうしていいかわからなかった。

「この後どうするかは、わかるよな手前なら。こういうことだって、慣れてんだろ?」
「言ってる意味がわかんないんだけど。俺はフェラチオなんてしたことないし、勝手に決めつけないでくれるかな」
「じゃあ初めてなのかよ。信じらんねえ、簡単に頷けるわけねえだろうが。まあ、やってみりゃわかるか?」

俺の位置からでは、サングラスをかけているシズちゃんの表情は窺えなかった。ましてや、時間も既に深夜近くなっていて人の気配もまるでしない。
それに多分、はなからこういうことをしようと思っているのなら、周りに人が集まらないような場所なのだろう。誰かに助けを求めるなんて考えられなかったが、声をあげたとしてもすぐには気づかれないに違いない。
散々俺をいたぶる気なのだ。しかも性行為に慣れてんだろと言われて、はっきりとした。完全に性欲処理の為に使うのだ。
じんわりと、目尻に涙が浮かんだ。

「……っ、んうううっ……!ん、ふっう、く……うぅ、う、う……」

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