ウサギのバイク 鬼畜静雄全集『キミニ触レタイ』
2ntブログ
04≪ 2024/05 ≫06
12345678910111213141516171819202122232425262728293031
-------- (--)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
| スポンサー広告 |
2011-04-30 (Sat)
「鬼畜静雄全集」
スパコミ発行新刊 静雄×臨也/小説/18禁/A5/324P/1900円
無料配布再録集+追加書き下ろし
【キミニ触レタイ】 サンプル


好きだと言うヤンデレ静雄に監禁調教される夢を見た臨也の前に本物の静雄が現れて…■11.21発行

* * *


「は、ひぃっ……んあっ、あ、シズちゃん……!シズちゃ、んおかえり……ねえ、っ、ふあぁ、あ……シズちゃん!」
「臨也」
「あひゃぁ、あ、うぅ……薬っ、切れたからぁ、ちょうだい、おねがいっ……は、やくっ、うぅ、はぁ、ひくぅ……んはぅう」

全身の麻痺は尋常ではなくて、敏感な部分が擦れるのも構わずに震え続けて、もう体の感覚すらわからなくなっていた。唾液が口の端からだらだらとこぼれて、酷い汗がシーツをぐっしょりと汚し、先走りだけで水たまりが出来そうなぐらいびちょびちょだった。
一歩一歩近寄ってくる気配に、口元が緩み甲高い声をあげながら喜びを伝えた。
欲しい、欲しい、と叫ぶ唇のみが封じられていなかったのは、きっとこうやって懇願するのが聞きたかったんだろうなと思う。
シズちゃんは一言もしゃべってはいないが、目の見えない俺にも空気が優しくなったのがふんわりと伝わってきて、きっと綺麗に笑っているんだと思った。それがどんな笑みかはここ数日顔すら見せて貰えていなかったのでわからないが、俺の事を想っていることだけは確かだ。
心から俺の事を愛しているのだと、全身が訴えているようで。
それがどんなに狂気で彩られていようとも、その真実だけは変わらない。
でもそれは一方通行の想いでしかなくて、そんなのでもいいと思わせてしまった俺が悪いのかもしれないと、快楽に溺れかけた頭で考えていた。もしこれまでの日常の中で、少しでも気を配ってなにかに気がついていれば、こんなお互いの関係や存在を壊すようなことにならなかったのかもしれないと、後悔していた。
閉鎖された空間で身動きもとれず、自暴自棄になってしまったのではないかと、まるで俺らしくない考えだったが変えられてしまったのだ。シズちゃんの手によって、そう考えなければいけないように、暴力と脅迫と淫悦で操作されてしまったのだ。
それがいいのかどうか、わからないまま。

「おい、今手前は……なにが一番欲しい?」
「ふっ……ぇ?」
「なんでも、くれてやるよ。だからよく考えて……」

一瞬自分の耳を疑ったが、明らかに優しい音色で問いかけられていた。本当に言葉通りにしてくれるのだろうとは思ったが、気がついたら即答していた。


「シズ、ちゃんが……欲しい」


もっとはっきり言えば、その心の内を見せて欲しいと思った。こんな歪んだ行為ではなくて、きちんと言葉でわかるように教えて欲しいと。
そうでないといくら体を繋げても、その行為からは何も生まれないのだ。

「それは、本気か?」
「ひっ、うぅ……あ、ぁあ、っ、俺は逃げないっから……だから、せめてっ顔見せてぇ、んうぅ……」

息は途切れ途切れだったが、なんとか自分の気持ちは伝えられたと思った。後は俺の意見を聞き入れてくれるかどうかだったが、正直それは半分ぐらい諦めていた。
元々仇敵だった頃から、思い通りに行かないのがシズちゃんで、うざいとバッサリ言葉を切り捨てられていた。だから今度もそうされても、おかしくはなかった。
静かすぎる室内に俺の荒い息遣いだけが響いて、まるで死刑宣告を待つ罪人のように希望すらも持ってはいなかった。それを壊すように、いきなり目を覆っていた布が取り払われて明るい光が数日ぶりに視界に飛び込んできた。
すぐには瞳には何も映らなかった。数度瞼を瞬かせていると徐々にぼやけて、ただの色しか映っていなかった影が人の形を形成して、そうしてようやく見知った姿が目に飛び込んできた。けれどまだ帰ってきたばかりでサングラスを外していなかったので、どんな表情をしているのかはよく見えなかった。
それでも俺は、今できる精一杯の笑顔を浮かべて名前を呼んだ。

「シズちゃん、が欲しい……もう、シズちゃんだけで、いいから……このままでいいから、俺を愛して、よ」

* * *

「あぁそうだな、確かに俺の夢の中に手前が出てきたな」
「へえ、奇遇だね。俺もそうだったんだよ、じゃあお互いに気分は最低ってことかな。やだなあ、シズちゃんとお揃いなんて全然嬉しくないよ」

まさかそこで夢の話に頷かれるなんて驚きだったが、それで朝から殴りに来たっていうなら、ご苦労だなと思った。俺だって嫌な気分で落ち込んでいたけれど、それ以上に不機嫌になるような行為を自らするほどバカではない。
実はマゾなんじゃない、と冗談で言い掛けて、息が止まるかと思った。
丸腰でナイフすらも持っていない自分を悔やんだ。

「手前のことなんて知らねえよ。俺は俺のやりてえことをしにきただけだ」
「あー……そう、それでもういい加減殺しちゃおうかって、こと?やだなあ、ほんと」

ソファに座っていた俺の背後に回ったかと思うと、突然首元にシズちゃんの両手が添えられた。俺の手のひらなんかと比べ物にならないぐらい大きく、ごつごつしていて男らしい手だった。
夢の中ではその手で、優しく慈しむように俺の髪を撫でてくれたのに。現実は、こんなにも違っていた。

「抵抗しねえのか?」
「そうだねえ、うん。してもいいんだけど、なんだろうね、なんかもう疲れたんだ」

そのまますぐに首を絞められると思っていたのに、猶予を与えるかのように問いかけてきた。でも俺はそれに曖昧にしか答えられなくて、なにもかもがどうでもいい気持ちになっていた。あの夢のせいだ。
殺されることも、生きることも、何もかもがどうでもよくなってしまった。
胸だけがズキズキと変に痛みを発していて、そんな女々しい自分が嫌だった。だったら、終わっても、終わらされてもいいのではないかと。

「疲れたって、なんだ。死にてえのか?」
「どっちでもいいよ。正直これからの人生おもしろそうなことはたくさんあるだろうけど、なんか全部ちっぽけなことのように思えてさ。それもこれも、シズちゃんの夢を見たせいなんだけどね」
「そうやっていつも、全部俺のせいにしやがるな」
「……っ、うわ!」

いつもだったら抑えられない怒りを既にぶつけてきてもおかしくなかったのに、首を絞めるどころか突然肩を掴みソファの上に叩きつけるように押さえられた。そうして顔を顰めて見あげると、いつのまにか転がった俺の体の上にシズちゃんが馬乗りになっていた。
腕はもう首から離れていたが、一切の抵抗はしなかった。ただぼんやりと目を合わせると、その瞳が夢の中で見たものと似ているような気がした。デジャブ、というものを感じた。
そしてそれを証明するように、とんでもないことを告げられた。

「手前が俺のせいにするなら、俺だって手前のせいで。手前を犯す夢を見たせいで、同じことをしたくなっちまった」
「えっ、犯す……?」

一瞬聞き間違いかと思って首を傾げたが、向こうは揺らがなかった。鋭く睨みつけながら、相変わらず肩から手を離さない。
犯す、というのは性的にという意味なのかと聞いてみたかったが、あまりに緊張してそれはできなかった。ただ驚くことしかできなかった。

「逃げねえのか?」
「いや、なんかびっくりして……ねえ、ほんとにシズちゃんなの?」
「あぁそうだ、そっちこそ死んでもいいなんて言いやがって、おかしいじゃねえか。でもちょうどいい、死ぬぐらいなら俺に犯されろよ、それぐらい簡単だろ」
| 同人関連 |