ウサギのバイク CAPSULE PRINCESS⑧
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2010-03-03 (Wed)
静雄×臨也 ※18禁注意

続き 俺が聞きたいのは

* * *

「……シズちゃんに公園のゾウさん投げられたことでしょ?あぁそれともセルティに伝えてもらった伝言の件?」
「その後のことだ」
「後ってあのまま俺逃げきって家に帰ってきたよ?なんにもしてないはずだけど」

臨也は不機嫌な表情を浮かべながら手にしたコーヒーカップの中身を何気ない動作でぐいっと一気に飲み干した。それをじっとみつめながら笑いを堪えるのを必死に抑えていた。


「俺が聞きたいのは、てめぇを犯した件についてだ」


「な……ッ……!?」

鋭く睨みつけながら言い放つと、奴は困惑な表情を浮かべながら立ちあがった。顔には動揺と同時に疲労が垣間見えるほど青ざめていた。


「嘘、でしょ?あれ……シズ、ちゃんなの?」

「あぁそうだ。犯した相手を不用意に家に入れて、おまけに今日も媚薬をしこませる隙まで与えるとはとんだバカだな」

たまらずに口元が歪みはじめていた。考えれば考えるほど、俺にとっては笑える状況だった。
ここまでうまく事が運ぶなど思ってもいなかったし、あの人を陥れることに関しては長けている臨也を逆に陥れたのだ。最高の気分だった。


「媚薬って……しかも今日もっていうことは、昨日も同じ手口で使ったっていうことだよね?まさかそんなものを持ってるなんていくら俺でも気づけるわけないよ」

言いながら奴は懐からナイフを取り出して俺のほうに向けてきた。ここで殺り合う選択をするとは思わなかったが、懸命な判断だなと思った。

「なんでこんなことになったるのかわかんないけどさ、落ち着こうよ。男を犯しても面白くなんかないよ。きっと昨日はなにかの間違いだったんだ」


「いや…俺は最高だったぜ。てめぇの体も、快楽に喘ぎながら素直に腰を振る姿もすげぇよかったし」


それは心からの褒め言葉だったが、本人にはとても信じがたい言葉だっただろう。顔から一切の表情が消え殺気を漂わせた鋭い瞳で睨みつけてきて、本気の意志を示してきた。

「そうじゃあとりあえず死んでくれるかな?」
「責任取ってくれって迫ってきたのはてめぇじゃねぇか。無理すんなよそろそろ媚薬も効いてきてんだろ?」


「知らない…俺はそんなことなにも知らないんだよ?朝起きたら犯された感触だけ体に残っててさ、誰が相手だろうと絶対仕返ししてやるって決めてたんだ…」

そう言いながらナイフを握る臨也の手首が急にぶるぶると震えてきた。平静を装っていたようだが媚薬の効果があらわれてきたのだろう。

「一晩犯したぐらいで…ッ…俺のこと服従させた気になってるの?ちょうし、のりすぎだよ…」

口では強がっていたが明らかに眉間を歪ませて苦痛の表情をしていた。足元までふらつきはじめたのか、ぐらぐらと体が揺れ動いていた。


「今日は随分と反抗的なんだな?まぁいいどっちにしろてめぇの体はもう俺のもんだ。ヤッてみればすぐわかる」
「なに、ッ…う、わあっ!……っぅ…」

そして俺は突然立ちあがりテーブルを挟んで向かい合っていた臨也の両手を掴んで軽々と持ちあげて、そのまま自分の横の部分のソファの上に軽く放り投げた。
ついでにナイフもあっさりと奪いわざと遠くに捨てた。カランッという落ちる音が静かな室内に響き渡った。


今日俺が臨也の家に来たのは昨晩のことを本当に忘れているのか確かめる為と、もし完全に忘れているのだとしたらもう一度セックスをする為に訪れた。
我ながら大嫌いなはずの相手にバカなことをしているという自覚はあったが、それ以上に好奇心が勝っていた。
誰かにレイプをされ悔しがっているところにその本人が現れて、それが俺であるとわかった時の顔が見たかった。ショックを受け動揺している様が見たかったのだ。
予想以上に最悪の形で事実を告げることが出来て、気分がよかった。こんな姿が見られるのなら、媚薬がある限り通い続けてもいいとさえ思った。


「ちょ、っと…!なに、するんだよッ!!」

弱っている臨也の両手首を左手で簡単に掴み頭の上に強引にあげると、右手で自分の首もとの蝶ネクタイを外しそれをキツく結んで縛りあげた。




「決めたんだよ、今日は徹底的にてめぇを苛めてやるってな」



サングラスを外しテーブルの上に投げて改めて睨みつけると、本気で睨みつけてくる臨也の視線と絡み合った。
ぞくぞくと背筋からいいようのない高揚感がせりあがってきているのを感じていた。


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