ウサギのバイク リセット Another ⑨
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2011-08-16 (Tue)
*拍手連載「リセット」の別EDの話 16話からの分岐です
静雄×臨也 ※18禁注意

臨也に何があったのかをすべて知り静雄が助けに行く話
※今までの雰囲気と違い18禁要素強めです

* * *


「っ、は…はぁ、ねえ言われた通りに来た、けどっ」
『そうか、じゃあ布団とシーツの臭いを嗅いでみろ』
「うん…っ、煙草臭いよ。あれだけ寝室では吸うなって言ったのに、吸っちゃったんだ、もう」

肩で息をしながら玩具を中に入れたままで自分の寝室までやっと辿り着く。そうして九十九屋に言われた通りに布団を手繰り寄せ、ベッドの上に乗りあげるとシーツに顔を埋める。
すると俺が使っていた時には全く無かった煙草臭さを感じたのだ。たった数日だったけれど、煙草の臭いはかなり染みついていて眉を顰める。でも同時に安堵した。
これから先居なくなってしまったら、きっとここは全部シズちゃんの物になる。そういう手続きをしているのだから当然なのだが、ここまでしっかり寝泊りしていれば手放されることはないだろう。
大嫌いな俺の持ち物でも、勿体ないと使ってくれるのは目に見えている。既に匂いがつく程、自分の家に近い状態で使ってくれているのなら間違いない。
ここから俺の痕跡が何もかも無くなったとしても、使ってくれるだけで嬉しい。いつかはここも手放すだろうけど、少しの間だけでも居てくれるならそれだけで俺は満足できる。
シズちゃんに、プレゼントをしたのだと。

『そのままの状態で枕の横を見ろ。そんで尻振りながらオナニーしろ。できるよなあ臨也くんよお?』
「んっ、ぅ、できる…するよ、シズちゃん」

熱の籠った瞳で言われた通りに枕元を眺めて、薄く微笑みながら後ろの玩具に手を添える。微弱に振動していたそれをしっかりと握り、ドキドキと胸が高鳴るのを必死に堪えながらため息をついた。

『俺の臭い嗅いで興奮してきやがったんだろ?変態だな、手前は。変態でド淫乱奴隷で、もうどうしようもねえな。さっさとしろよ』
「変態じゃない、けど…わ、かった…っ、う、あ、ああぁっ、ん、んはあぁ!」

俺の想像とは違って、九十九屋はシズちゃんが本当に言いそうな、けれども少し酷くてエッチな言葉を交えてくる。それがたまらなくポイントを突いていて体の奥に疼いていく。
指が震えるのも構わず、激しく腰をグラインドさせながら瞳を潤ませて滅茶苦茶に喘いだ。知らない男達ではなく、シズちゃんに、九十九屋に見られていると思うと動きが止まらない。
変態じゃない、なんて答えたけれどこんなに体がおかしいのだから言い逃れようがない。多分俺はもう、ダメなのだ。

『なあ手前の中どうなってんだ?疼いて疼いて、でっけえちんこ欲しくてしょうがねえんだろ?言ってみろよ俺のちんこが欲しいって』
「ひっ、うぅ、あ、やらぁ…こんな、にぐちゃぐちゃにして、るのシズちゃんなのに、っ、う」

気持ちいいからというだけでは、ここまで胸が切なくなったりはしない。臭いを嗅いで鼓動がうるさいぐらい早くなったりはしない。もっとエッチなことをして欲しいなんて思わない。
例え目の前にいなくても、偽物の声と残り香だけでこんなにも夢中になれるだなんて。もう好きすぎて重症だ。

『早く玩具のスイッチ最大にしてイっちまえ。俺のちんこに犯されるの勝手に想像して出せよ』
「ふぁ、あ、そんな…シズちゃ、んっ、うひゃぅああ!!」

誘導された通りにレバーに手を置いて、一瞬呼吸を吐き出すとすぐに最大まで引き上げた。すると望んでいた振動が体の内側から伝わってきて、腰がめちゃくちゃにくねる。
男達に犯されて全身白濁まみれにされながら突かれた時より、最高によかった。一生手に入らないものの断片を掴んでこうやって吐き出そうとしていることに、背徳感を覚える。
もし俺が死んでしまった後でこのビデオを見てしまったら、シズちゃんは本当にどんな顔をするのだろうかと。あり得ない想像だけれど、見てみたいと思う。

「ねえっ、みてる?シズひゃんぅ…おれ、こんなに、えっちなの。ちんこずぽずぽされて、いっぱいイきたいんだぁ。シズちゃ、んのおっきぃかなぁ?おっきぃよねえ、あつくてかたいのぐりぐりされてぇ、おれきもひぃ、よ。ねえシズひゃう、ぅ、く、あ、あぁ!」
『前立腺突きながらイっちまえよ、臨也』

壊れたようにカメラに向かって話し掛けながら、涙を溢れさせる。こんなことを言いながら心のどこかで虚しいと思っているから涙が出るのだ。だからまだ俺は正常で、いっそ壊れて欲しい。
指を前後に動かしながら腰をゆらめかせ、今までで一番感極まったところで名前を呼ばれる。そうして顔をシーツにおしつけると、煙草の臭いがして。

「っあ、ああぁ、イっちゃう!でひゃう、ひ、くぅぅ、うあ、んあああぁああ……!!」

最後には目を瞑り姿を頭の中で思い描きながら射精した。当然全身がビクビク震えるだけでそれ以上の事はなにも起きなかったけれど。
でもいつもの男達相手だったら熱い迸りが出されて少しは満たされた気分になるのに、今は違う。少しだけそのことに寂しさを感じて、じゃあもっとと勝手に左手が動いた。

『なんだ?なにを見せてくれんだ?』
「はぁっ、は…これ、ここおれのちんぽのさきっ、いじくっれぇ、あ、ああぁ、きもちひっ、いぃ、あ、ん、く!」

少しだけ乱暴に射精が終わったばかりの先端に手を伸ばし、ぎこちなく震わせながら思いっきり爪を立てるように弄った。まだ敏感なそこは派手にビクビク跳ねて、声も荒げていく。
涙をぼろぼろ零し全部がシーツに吸い込まれるのを眺めながら、左手で完全に握りこみ一層強くそこを擦った。素早い動きで擦り続けていると、すぐに体の奥底からじわじわと何かが駆け上がってきて。

「あっ、あ、あぁあ、でひゃ、うぅ、もう、らめ、らめぇっ!」
『ああ潮吹きか。手前男なのに女みてえにおしっこ漏らして潮吹きすんのかよ、変態が』
「ひぁ、あんっ、あ、ごめんなひゃい、あ、あ、でも、だめぇ…もう、でる、あ、んあぁ、あ、ううんんんんっ!!」

叫んだ途端に透明な液体が布団の上に勢いよく飛び散り、さっきの何も出なかった射精と違ってしっかりとベッドを汚した。でも構わずに最後まで出し続けて、ほっと息をつく。
一気に力が抜けてそのまま倒れこみそうになったが、簡単にそうはさせてくれなかった。

『まだ始めたばっかりだよなあ、臨也』
「ふぁ…っ、シズ、ちゃ…」

薄目を開けてカメラに向かってうっとり微笑みながら頭を縦に振った。



『臨也、本当に死んじまってもいいのか?』

聞こえてきた言葉に、一瞬肩が震えた。

「ははっ君が心配してくれるなんて、嬉しいなあ。嬉しいよシズちゃん」
『からかってんじゃねえって。これでも長いつきあいだ、あんなにはっきり好きな相手に振られたくらいで死のうとするような奴じゃねえだろ!』
「そうだねえ、俺らしくない。けどさあ…わかったんだよもう。あの様子じゃあ本当のことなんて一生伝わらないって。そういう意味ではお前が一番本当の俺を知ってるんだろうな、これから先も」

既に玩具を放り出して疲れた体をベッドに預けながら、うとうとと夢心地状態で話をしていた。あと少しでシズちゃんが帰ってくるだろうが、まだ動きたくはなかったのだ。
口調はシズちゃんのままで話をしてくれる九十九屋に、少しだけ感謝をする。さっきみたいな変態的なことをする癖に、割と俺には甘いらしい。

『それは告白してんのか?』
「そんなわけないだろ、調子に乗るな!でもまあ、シズちゃんの声でそうやって心配してくれたのだから少しだけ感謝する。本人には絶対にこのことは言えないし、言うつもりもない。このことはお前と俺だけの秘密だ」
『ふざけんじゃねえ!それにまだ俺がこの動画をバラ撒いて見せてやるって方法もあるんだぜ?』
「脅したいのかもしれないけど、それはないね。俺にあれこれ言ってくるが、お前が動いたことなんてないだろ?」

枕の横に置いてあるだろう隠しカメラに向かって、そのままの状態で眺め同意を求めるとそれに返事はなかった。こんなことを言いつつ、九十九屋には所轄何もできないのだ。
多分何かをしたところで、俺が喜ぶわけがないとわかっているからなのかもしれない。もしくは、この結末がどうなるか興味を持っているのだろう。

「最初で最後の賭けなんだ。一生手に入れられないと思っていたものが、別の形で手に入るなら手段は選ばない。誰に何を言われようと揺らがない。シズちゃんにバレたとしてもね」

枕もとのカメラに顔を寄せて、しっかりと覗きこみながら伝える。すると意外な返答があった。

『…あいつなんか止めて、俺にしろよ。好きだ臨也』

「へえその声でそんなこと言うんだ。しかもなんでこんな変態に口説かれてるんだろうね」

おもわず笑ってしまったが、内心少しだけ焦る。九十九屋が言っていることが、本気なのではないかと声の調子でわかったからだ。これでも長いつきあいだから、少しぐらいはあいつのことがわかる。
だから本当は嘘だとしても、嬉しくて。

「俺も一度告白して一緒に住むってことになった時は、シズちゃんの口からそれがいつか聞けると思ったのにね」
『本気だぞ』
「聞きたかったな、好きだって。まあでもこうやって疑似的にでも聞けたの、なら…」

このままでは眠ってしまうと思った。でもどうせ眠りはいつも浅いのだからシズちゃんが戻って来るまでには目を覚ますことができる。そうしたら汚れたシーツを変えて、普段通りの顔をするのだ。

『好きだ臨也』

まだ携帯からは声が聞こえてくる。それを子守唄代わりに聞きながら、こんなに弱っているのだから少しぐらいは優しくしてくれないかなと思ってみたりして。
そんなささやかな願いすらも叶わないことはわかっていたけれど、期待したくて胸の奥がチクリと痛んだ。

「す…き……」

寝言のような呟きは、誰にも伝わることはなかった。

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