ウサギのバイク リセットAnother 16
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2011-09-02 (Fri)
*拍手連載「リセット」の別EDの話 16話からの分岐です
静雄×臨也 ※18禁注意

臨也に何があったのかをすべて知り静雄が助けに行く話
※今までの雰囲気と違い18禁要素強めです

* * *


「やめ、てぇっ…はな、しれ、おねがいだからぁ、あ、なんでもするからっ!」
「くそっ、声は聞こえてねえのかよ!どうしたらいいんだ」

とりあえず暴れる臨也の体を抑えつけ、必死に落ち着かせようとする。でも視線は全くこっちを見ようとはしていないし、未だに俺の事も気づいていない。一体どうしたらいいんだと困っていると、不意に思い出した。
慌てて臨也のコートのポケットをまさぐってみると、運がいいことにそれがあってほっと安堵する。見つけたのは薬の錠剤だ。
多分つくもや、という奴が渡してそれを飲むと記憶を無くすぐらい強烈だけれど正気を取り戻させることができるものだったのを覚えている。一瞬迷ったけれど、それを使うしかないと思った。
袋から一個薬を取り出して掴むと、顎の下に手を置いて逃げないように固定しながら口元に近づける。

「いいかこれをちゃんと飲め。そうしたらお前の言う通りにしてやるから」
「これ、のむ?わ、かった…ん、ぐっ」

目の前に差し出した時は驚いた表情をしていたけれど、すぐに頷いて口を開いたのでその中に入れてやる。するとごくりと喉を鳴らして飲み干したので、顔を綻ばせた。これでもう臨也は元に戻るだろうと。
抑えていた手を離し、右手で腰を抱えて座席にしっかりと座らせてやるとその途端臨也の中からさっき俺が吐き出したものが零れて、びっくりする。

「あー…そりゃ反則だやべえ。エロすぎんだろ、すぐ勃っちまいそうだぜ」
「んっ…な、んかねむくなってきた」
「臨也?」

白い精液を後ろからこぼしながら目を擦っていたのだが、あっという間に寝息を立てながら眠ってしまった。こんなにもすぐに効く薬だなんて思わなかったので、あっけにとられる。
さっきまでのいやらしいこととか、子供のように舌ったらずな口調で喚く声がまだ頭の中に残っているけれど現実味がなくて。本当に臨也とセックスをしてしまったと実感したのは、自分の下半身が丸出しなのに気づいてからだ。

「勢いっつうか、ありゃあしょうがねえよなあ?」

なんだかいたたまれない気持ちのままとりあえず下着を履き直しズボンも整える。いいわけしてみたものの、現実は変わらない。真横で眠りこけている臨也を見ると、またムラムラと変な気分が沸きあがってきそうだった。
中からとろとろとこぼれているものは、俺のものなのだ。遂に臨也は俺のものになったのだ。

「しっかしこのままじゃ外も歩かせられねえな。コンビニでパンツ買ってくるか?」

もう一度襲いたい衝動を抑えて、とりあえずズボンと下着を拾いあげたのだがどっちも切り刻まれていて使い物にならなかった。上はまあコートだけでも問題が無い。でも下は履いてないとさすがにこんな卑猥な恰好で連れ歩くわけにはいかなかった。
他の奴らに見せてやるなんてもっての外だ。だからここに来る途中にコンビニがあったのを思い出して、そこで下着を買ってくるかと決める。
臨也は目を瞑ってぐっすりと眠っているようだったので、少し離れても問題ないだろう。ほんの数分でもここに一人残すのは不安だったが、どうしようもない。

「いいから大人しく待ってろよな」

それだけ言うと扉を開けて車から降りる。そのまま念の為車体に近づいてタイヤに手を伸ばすと、そのまま簡単に引っこ抜いてやる。前側と後ろと、計四本のタイヤを道路に無造作に転がしてため息をつく。
これで車が使えないのだから、多分逃げられることは無い。そうしてすぐさま立ちあがって来た道を戻った。数十メートル先のコンビニに駆け込むと男用の下着を手にしてレジに並ぶ。
少しだけ時間があったので携帯の電源を入れると、すぐさま音が鳴って勢いで通話ボタンを押してしまっていた。

『やあシズちゃん!まさか君の方が先に見つけるなんて、愛の力はすごいねえ』
「な…ッ!?て、手前さっきのつくもや、かよ!!」

声色と口調は臨也そのものだが、全然違う。こんな時にからかう相手に苛立って、携帯がミシッと嫌な音を立てたがすぐに気がついて力を緩める。レジが空いたので商品を店員に渡しながら、話を続ける。

「俺は忙しいんだ、切るぞ」
『確かにどっちが先に見つけるか、って勝負には負けたよ。認める、君の勝ちだ』
「なんだ、何が言いたいんだ手前!!」

大声で怒鳴りつけると目の前の店員があからさまに驚いて頬をひきつらせていた。仕方がないのでさっさと五百円玉を出して、お釣りを受け取ると早足で店を出る。
その時点で、異変に気がついた。

『だけど最終的に折原を手に入れたのは、俺だ。残念だったね、まあ君の為に少しだけ遊んでいただけだ。最後に童貞を卒業できてよかったねシズちゃん』
「な…ッ!?いねえ!!」

さっきの場所に車はあったけれど、扉を閉めたはずなのに開けられていて遠目に見ても臨也の姿が消えていた。しかもタイミングよく、あいつとセックスできたことをこの男に指摘されて全部仕組まれていたことなんだと気づく。
臨也よりも最低な奴だというのはとっくに知っていたのに、目を離してしまったことを悔やんだ。たった数秒で連れ去られるなんて、狙っていたとしか思えない。

「くそっ、まだどっかにいるはずだ…!」

乱暴に携帯を切ると誰も居ない車まで駆け寄って周りをキョロキョロと見回す。けれども臨也の姿もなければ、もう匂いすらもしなかった。別の車を使って移動させられたのかと唇を噛んだが、まだ諦めるわけにはいかなかった。
今度は池袋の方向に走り始める。頭の中にはさっきのエロい恰好の臨也が浮かんでいて、持っていたコンビニの袋を強く握った。




「おい起きろ折原!」
「ん…っ…?」

目を見開いた瞬間に腰から下の軽い倦怠感が襲ってきて、ああまたかと悟った。それから必死に記憶を辿ってみたが、九十九屋から変な電話が掛かってきて車に乗り込んだ辺りから抜け落ちている。
つまりは、また媚薬を使われたというのだ。でもそれにしてはすっきりしているので、前に貰った薬を飲んだのだろう。
ポケットを探って確認しようと思ったが、手首を縄で縛られて身動きが取れなくなっていたのでやめた。改めて自分の惨状を見ると本当に酷くて、白濁液が垂れるそこから目を逸らしてため息をつく。

「なんだ随分と生意気な顔してるじゃねえか、俺らに逆らっていいとでも…」
「もう、いいよ」
「あ…?」
「もういい、これ以上はたくさんだ。君が持っているナイフで早く殺してくれないかな。俺のことを」

口元に笑みを作って話し掛けながら、誘うように足を開いて上目遣いに相手を見あげる。もう条件は満たしていると思ったからだ。
ここは多分前に見せられた、俺の死体が転がっていた倉庫で間違いない。縛られてはいなかったけれど、男達に犯された後のように体中は汚れていた。だからもうあとは、腹を刺されるだけでいい。
それだけでシズちゃんが死なずに済む。俺が死ぬのだから。

「お前…自分が殺されるって知ってたのか」
「これでも情報屋だからね。こういう場所に連れて来られたらどうなるかぐらい、わかるよ」

目の前に立っていたスーツの男が驚いていたが、冷静に淡々と告げる。まるで殺されることなんて怖くない、と言っているみたいに。
その時突然誰かの携帯の着信音が鳴り、そいつが慌てて取って何やら話をし始めた。話の腰が折れるな、と思いながら待っていると急に近づいて来て携帯を俺の耳に押し当ててきたのだ。

『気分はどうだ、折原』
「なんだお前か。最後にわざわざ直接俺に挨拶をしてくれるのか?」
『お前は相当運がいいらしいな。いやそれともあいつが、俺やお前以上にすごいのだろう。とんでもない相手に惚れられたもんだな、お前も』
「おい一体何を話して…っ、う!?」

その時背後に別の男が近寄ってきて俺の体を持ちあげると、強制的にうつぶせにさせられた。すると横から別の奴が俺の上半身を掴んで顔をあげさせられ、エビ反りのような格好にさせられる。多分さっきの男に九十九屋が指示をしたのだろう。
俺を犯せと。殺してくれ、と言ったというのに。

『でもこのまま俺も引き下がるわけにはいかない。あいつに見つかる前に、全部終わらせてやる』
「っ、やめろ…!もうこんなの、俺は、こんな奴らに犯されたくない、セックスなんてもうしたくない!離せ、どうせ殺すんだから、早くっ、今すぐ殺せッ!!」
『じゃあ言えよ折原。どうしてこんなことを、わざと殺されるように仕向けたんだ。お前が死んだら、何があるんだ?』

汗ばんだ手が体中を這い回り、敏感な部分を刺激していたが歯を食いしばって堪えた。そうして必死に殺してくれと叫んでいたのだが、九十九屋の言葉に動きを止めて浅く呼吸を繰り返す。
もうどうせ最後だし、これを言ったところで誰にも、何も関係がない。だから本当はずっと隠しておくつもりだったことを告げた。

「俺が死んだら、俺の願いが叶う。シズちゃんが…俺のことを本当の意味で好きになってくれる。もう二度と、嫌いだなんて言われない。一生嫌われて無難な人生を終わるより、俺の命と引き換えに心に残るなら、それでいい、後悔なんてしていない…」

言いながら、瞳から涙がこぼれていた。口では強がっていることを言っている癖に泣くなんて、と苦々しく思いながら止まらない。次々と溢れて地面に吸い込まれていく。
どうして悲しいのか、わからない。願いはもう叶っていて、ここで殺されれば永遠になるのだ。永遠に、シズちゃんの心にいい思い出として残ることができるのに。

『つまらないな…』
「な、んだって…?」
『結局ただの痴話喧嘩じゃないか。まったくこの俺にキューピッドをさせるなんて、お前も、平和島もなかなかの策士だな』
「だから、さっきから何を言って…!くそ、九十九屋の奴、切りやがった」

こっちは一大決心をして告げたというのに、つまらないと言いながら切られて腹が立った。でも怒鳴り散らしてやろうと思った時には向こうから切っていて、ツーツーとしか音はしなくなっていた。

「もう終わったか?じゃあさっさと犯してやるよ」
「…ッ!?」

携帯を仕舞った男が既に脱いで用意していたらしい肉棒を顔に近づけてきたので、全身がビクンと震えた。後ろの奴もさっきから精液を吐き出され汚れている太股にペニスを押しつけ、迫っている。
もう後は殺されるだけでいいのに、これ以上は嫌だった。これまで散々我慢して、その一言だけは言わないつもりだったけれど、本音が唇から洩れる。

「や、めろっ、もう嫌だ…!こんな惨めなこと、したくない、っ、気持ちよくなんか、ない!やめてくれ、もういいから、殺せ、殺せよ!おねがいだから、もうこんなの、っ、おれは、おれは…!!」

けれども必死な訴えは誰も聞いてはくれない。頭を振り乱して精一杯暴れながら、最後には震える声で言った。


「や、だっ…しず、ちゃ、たすけ…っ、うぅ」


それは誰にも聞こえる筈がなかった。そのつもりで心の底からの気持ちをこぼしたのに、突如ドアを蹴破ったかのような派手な音と、怒鳴り声が聞こえてきて息を飲んだ。

「待たせたなあ、助けに来てやったぜ。臨也くんよおッ!!」

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