ウサギのバイク 鬼畜静雄全集3【光なきこの夢はやがて】
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2012-04-27 (Fri)
鬼畜静雄全集3のサンプルです
【光なきこの夢はやがて】
別次元から現れた来神静雄に助けられて恋人がいるのをわかっていながら臨也が恋する話 三角関係切ない系
※モブ×臨也描写があるのでご注意下さい

* * *


「ひゃ、あんっ、あ、すご……はげ、しいっ……だめ、あ、またっでちゃう、ぅ……んああぅうううっ……!!」

背後で抜き差ししながら腰を打ちつけてくる動きが一層早くなって、それにつられてこっちも中を締めつけた。するとすぐに白濁液がたっぷりと注がれて、俺自身からも盛大に吐き出して床を汚していく。
そこはもう白濁まみれで水溜りになっているぐらいで、全身も当たり前のように汚れている。たまにどこからともなく顔や頭に飛んできて、濃厚な粘液を大量にぶっかけられることだってあるのだ。
呼吸を整えながら視線をあげると、やっぱり一人だ。だから余計にこの淫猥すぎる姿に興奮してしまい、目を逸らした先にもたくさん何十もの姿が映っていて視界を狂わせる。まるで昔からずっとこうやって犯され続けていたかのように、当たり前なことに見えた。
たくさんの自分の姿に、自我や常識が崩壊していく。一人じゃないのに、一人でしゃべっていないと寒さで凍えそうなぐらいで。

「は、やく……つぎ、ほしいっ……ふぁあっ!あ、んぁ、ひぅ……あは、ぁ、あっ」

気がつけばそう呟いていて、さっきまで中に入ってた相手が出ていったと思ったら次が入りこんでくる。もう後ろを見ることも無く、目を瞑って衝撃に耐えていると遠慮なく揺さぶられる。もう何十回と繰り返されてきた。
熱い息を吐きながらゆっくりと目を開いて、それまでと同じようにドロドロの自分の姿を見ようとして。
そこに違う人物が映っているのに驚き息を飲む。

「……っ!?シズ、ちゃ……ん?」

俺をバックから犯してるのが、ブレザー姿の金髪の男だった。ずっと探し求めていたけれど、今一番こんな状態を見られたくない相手で。
あんなにも助けを求めていたのにこうして実際に現れると、喜びより恐怖が沸きあがってくる。どうして、なんで今更、見ないでと叫びたいのに言葉がうまく紡げない。
恥ずかしさで頬を染め、動揺しておもわず中をぎゅうっと締めて食いついてしまう。誘っているわけでも煽っているわけでもない。胸がズキズキと痛み後ろめたさでいっぱいなのに、突いてくる快感には逆らえず腰は止まらなかった。

「中が随分とドロドロじゃねえか、なあ臨也」
「ひっ、あ……な、なんでやっぱり、っ、あうぅ……どう、して?」

とても後ろを向く勇気が無くて鏡越しに会話をする。ひたすらに困惑を口にすると、腰を叩きつけながら俺を睨みつけてきた。その射抜くような視線に、ドキンと体の奥が疼いてしまう。
見えない相手に犯されても、惨めな格好をしていても、まだシズちゃんのことが好きなのには変わりなかった。そう簡単に気持ちが変わるわけがない。

「そりゃあこっちが聞きてえなあ。こんなに食いついてきて随分といやらしい体になったんだな?俺としてた時と大違いだな」
「ち、違うっ!俺は、そんな……っ、う、シズちゃんだから、好きで、嬉しくて……だから!」
「すげえ乱れてたのにか?気持ちいいってすげえ色っぽい声を出してたよなあ?俺は聞いたことないぜ」
「あ……っ、う」

* * *

「どこにって、手前と遊園地でデートしてたじゃねえか。なんかミラーハウスっていうのが面白そうで一緒に入ったらいきなりはぐれて……」
「え、っ?デートって、まさか……さっきの夢の……っ、ねえもしかして俺とシズちゃんはつきあってたり、するの?」
「ああ?当たり前だろうが、っつーかデートに誘ってきたのはそっちじゃねえか。いや、まあ手前にとっては昔の話で覚えてないかもしれねえが」

おかしな状況を確認する為に尋ねると予想外の言葉が返ってきた。遊園地デートにミラーハウスと聞いて思い出すのはさっきまでの夢だ。だからすぐさまつきあっているのかと聞くと、少しムッとしたように不機嫌な表情をしながらはっきりと教えられる。
俺はあまりのことに数秒固まって、一度深く息を吐き出した後に告げた。

「昔も今もシズちゃんとつきあったことなんて、ない……よ。俺はずっと好きだったけど告白もされたこともしたこともないし、いつも喧嘩して未だに憎まれている。どうやら君は、全然違う世界から来た存在ってことかな」
「え……?つきあったことねえって、それマジか?冗談だろ、俺はちゃんと好きだって言って……」
「大嫌い、殺す、池袋に来るなって言われるのが日課だよ。まともに話したことだってない」
「な、んで……」

顔を顰めながら真実を教えてあげると困惑しながらそわそわと落ち着きがなくなる。そんなはずがないとブツブツ呟きながら俺の目の前をうろうろと歩き始めた。そんな癖があるのだって今初めて知ったのだ。
きっと俺の知っているシズちゃんとは何もかもが違うんだろうな、と思うと笑みが浮かぶ。好きだと言われたし、本人と違うなら嘘をつく必要もないと全身の力を抜く。

「そっか、嬉しいな。あんな酷いことになってもう終わりなんじゃないかと諦めてたけど、こんな奇跡が起こるなんて夢みたいだ」
「そう、だ……そうだよ、なんで手前あいつらに捕まって、体を……」
「仕事で失敗しただけだ。ただの自業自得なんだけどまさか男に体を好きにされるなんて思わなかったよ。もう何日過ぎたかわかんないぐらい、ずっと……」

偽ることなく好意を示すと、思い出したかのようにさっきの行為のことを指摘される。だから隠すことなく捕まってから起きたことを洗いざらいしゃべって少しでも楽になろうとした。けれども言い終わらないうちに血相を変えたシズちゃんに肩を掴まれる。

「ふざけんじゃねえ!初めてセックスしたのは俺とだろ!?すげえ幸せだって喜んでたじゃねえか!嘘つくなよッ!!」
「嘘なんてついてないよ。やめてくれって言ったのに薬使われて何百人もの男達に犯されて、調教されて、俺の体は汚れてる。君の知っている折原臨也とは全然違う。だからそんな顔しないで安心してよ」

あまりにも悔しそうに顔を歪めていたので諭すような口調で言った。君の真実と俺の真実は違うと。
それはある意味自分に言い聞かせているようなものだ。このシズちゃんは他の人間のもので、何かの間違いで迷い込んでしまっただけだと。これ以上は深入りをしてはいけないのだと。

「君の恋人は俺じゃない。きっと今も遊園地で帰りを待っているよ。汚れきってる俺とは違うんだ」
「臨也は、臨也だろ。別人とは思えねえ。汚れてるとか言うな」
「事実を言っているだけだよ。ねえ悪いけど、これ以上近づかないでくれるかな。助けてくれたことは感謝するけど君に用は無い、一人にしてくれ」

俺の願いはもう果たされた。好きな相手に助けられて優しくされるなんて充分だ。どう頑張ったところでこのシズちゃんは俺のものではないし、帰る場所がある相手を引き止めるわけにはいかない。
なによりもう一人の俺とやらと比べられるのは嫌だ。だからわざとつき離すような言い方をした。だが。

「……そうやって都合の悪いことができたら俺を怒らせて遠ざけようとするよな。一緒じゃねえか」
「なんだって?」
「よくわかったぜ。手前は大人になろうがなんだろうが、バカだってことがよお」
「っ、ちょっと……!!」

あまりに鋭い指摘にギクリと肩が震えた。冷や汗を浮かべながら落ち着けと言い聞かせる。しかしバクバクとうるさいぐらい鼓動が早くなって嫌な予感が駆け抜けた。
しかしその時には既に遅く、いきなり体を起こされて大きな手が背中を撫でる。ゆっくりと癒すようにふれられて、カッと頬が熱くなった。

「は、離せよ!服汚れるだろ!いいから出て行って……っ」
「いいか一つだけ言っとくぜ。俺は欲張りなんだ」
「なんの話、っ……して……」

* * *

「はぐらかすんじゃねえ」

まだこっちは何も言っていないのに、いきなり釘を刺されてムッとした。話を既に聞いているのなら、さっき二人きりで話していた真実をはっきり告げるべきだと覚悟し言葉を紡ぐ。

「しょうがないなあ、全部答えてあげるよ。あの写真は本当だ。俺は仕事で失敗してろくでもない男達に捕まって、薬打たれて強姦された。汚いザーメンを全身にぶっかけられて、何日も監禁されて、何十人も男のものを無理矢理受け入れて、壊れてしまった。意味わかる?」
「……ああ」

酷い言い回しを選んで告げたというのに、返事は落ち着いていた。でも代わりに煙草を灰皿に押しつけてもみ消し、透明な灰皿が少し凹むのが見える。
胸糞悪い話を聞いている自覚はあるのだろう。どうしても話を聞かないと自分が納得しないのかもしれないが、嫌がるくらいなら聞かなければいいのにと呆れながらはっきり告げた。

「誰でもいい、慰めてくれるなら。そういうエッチな体をしてるんだよ、俺は」
「そうか、じゃあ俺でもいってことだよな?」
「見たい?」

わざと挑発するように首を傾げ、厭らしい笑みを浮かべたがそれは数秒だけですぐに表情を一変させて宣言した。

「だけどシズちゃんだけは嫌だ」
「なんだと?」
「どれだけ金を積まれようが、脅されようがお断りだ」

憎しみをこめて睨み返すと、向こうも同じように不機嫌な表情に変わる。だけどこれだけは引くわけにはいかない。
もう随分と傷ついているというのに、どうしてもっとどん底に突き落とされるようなことを自らしなければいけないのだろうか。好きな相手と、体だけの関係を持とうだなんて馬鹿げている。

「可哀そうな話を聞いてしまって慰めたいっていう気持ちでも沸いたの?この俺に?冗談はやめなよ」
「俺は本気だ」
「あのねえ、どういうつもりか知らないけど慰めも同情もいらないよ。やめてくれ気持ち悪い」
「さっき一緒だった男には随分懐いてたじゃねえか。そんなに俺は嫌か?」

ここでシズちゃんの名前を出すのか、と苦々しい気持ちになった。俺は彼にかなり心を開いていたので、それを見られていたというのが悔しくてしょうがない。
本当に全部会話を聞いているのなら、弱音を吐いていたことも、みっともなく縋っていたのも知られている。どこをどう言い訳していいかわからなくて、暫く口を閉ざして考えてしまう。

「なあ、あいつやけに馴れ馴れしかったし脅されてたのか?」
「はあ?なんで俺が脅されないといけないのさ。っていうかそこまでシズちゃんに説明する理由なんてないよね」
「言えよ」
「なにそれ」

とうとう脅されてつきあっていたとか全く違う事を言い始めたので、面倒くさいなとため息をつく。それによく考えたら、何の条件もなしに俺の事をシズちゃんに教えてあげるなんておかしい。これ以上は言いたくないと思ったのだが。

「言いたくないってことは、やましい何かがあんだろ。俺はダメであいつなら許せる理由をはっきり言え」
「シズちゃんが本気で嫌いだから」
「違うだろ、そんなどうでもいいことじゃねえだろ」
「どうでもいい、って充分な理由じゃないか。大体なんでそうやってはっきり……」
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