ウサギのバイク CAPSULE PRINCESS⑯
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2010-03-17 (Wed)
静雄×臨也 ※18禁注意

続き 体で責任を取りやがれ

* * *
「なぁ…俺が来るまでの間に何回ぐらいイッったんだ?カメラ壊れたみたいだし教えてくれねぇか」
「バカじゃないの?そんなこと俺が言うわけないでしょ?」

慌てて逃げようとする奴の手を掴みそのまま引き下げた。するとかろうじて両足で体を支えているような格好になり、俺が足を崩せばすぐに飲みこみそうなぐらい不安定だった。
きっと数分も耐えられないだろう。それぐらいギリギリだったのだが、まだ強情を貫き通そうとしていた。

「なに考えて待ってくれてたんだ?バイブなんかじゃなくてもっとぶっとくて激しいのがいいって思ってただろ」
「ねぇもう今すぐ死んでよ。っていうか本当にその余裕の顔をナイフで何百回も切り裂きたいね」

どす黒い怒りの雰囲気を漂わせてはいたが、このままぶちこんだらすぐに一変するのはわかっていた。わかっていたからもう少し焦らしてやりたかった。
下から先端をぐりぐりと入らない程度に擦りつけてやると、わずかに眉をひそめてくすぐったそうに身をよじった。
あえぎ声こそ出なかったが鼻からため息が抜けていくのが見て取れた。

「こんなことした相手が俺だって…気がついたか?」
「はぁ?そんなのわかってたら、解放された時に逃げてるし媚薬を盛られるのも阻止してるよ。ほんっと、この薬最悪だよね」
「そうか、やっぱり気がついてなかったのか」

言うとおりだった。万が一にでもなにかの異変に気がついていれば回避することは可能だ。それができなかったということは、まだバレる要素は無いということだ。
それにしても普段は頭の切れる臨也が、どうしてこんなにも犯人に気がつかないのかは不明だった。
とっくにわかっていそうなものだ。しかしそんな素振りはない。
平和島静雄は絶対に折原臨也にこんな乱暴なことをしないと、信じているのだ。なぜそこまで頑なに信じているのはわわからないが、俺はどうしてかそれに腹が立っていた。
早く俺のやっていることに気がついてくれれば、ここまでのことにはならなかったのかもしれないとさえ思った。

俺はきっとこのままどこまでも止まらない。
最後の最後まで――本当に臨也が壊れるまで止まらない。




「あぁほんとうに、全部手前のせいだ。なにもかも、こんなことになったのも、抜け出せないのも!だから体で責任を取りやがれッ!!」

「な、に…?…っ、うぅ、あ…ッ……は、うぅ、んッ!」

結局痺れを切らしたのは俺のほうだった。限界まで握った腕を引っ張り、下から突きあげながら中に侵入していった。
思ったとおりに瞳をすぐに蕩けさせあえぎ声を漏らしたが、いつもほどではなかったようだ。すぐに唇を閉じ必死に息を殺そうと努力していた。
内側はこんなにも求めて締めつけているというのに、全く屈するつもりはないようだった。

「どうせ堪えてもあっという間にさっきのビデオみたいになっちまうんだ。受け入れろ」
「く、うぅ…っ、い、やだね…決めたんだ。なにがあろうと絶対に屈しないって。例え今日のことを忘れてしまったとしても、絶対に最後まで心は屈しないってッ!」

悲痛な叫びに俺の心も一瞬だけ揺れた。本当は俺だってこんなことなんて望んでいないのに、だから今すぐ止めろと。
そんな迷いを吹き飛ばすようにひたすら腰を打ちつけた。

「んぐ、うぅ……っぁ!は、はぁ、はんッ…!っ」

奥の奥をごりごりと激しく擦る度に、どんどん臨也の表情が変わっていった。明らかに快楽という熱に浮かされて、自分の体の中でもがき苦しんでいるように思えた。
これだけ背を仰け反らせて悶えているというのに、まだ屈していないつもりなのだ。最後まで自分を保っていられると信じているのだ。

人間として最低な奴だと思っていたけれど、自分の信念を貫き通そうとする部分に関しては褒めてやりたかった。
さすが情報屋という仕事をしているだけはあるということだ。求める者の為ならなんでもするが、欲しいと思ったものは絶対に手に入れる強さだ。
自分の暴力という感情を抑えられなくて戸惑っている俺とは大違いだ。

「そんなに苦しいなら助けてやるよ。全部ぶっとぶぐらいよがらせてやるよッ!!」
「や…ッ!?ひ、うう、ん…は、はぁ、はッ、ん、うぅ…ぁ…」

これまでとは比べものにならないぐらいの強さでペニスを暴れさせた。すると一度ガクッと大きく体を震わした後、全身から力が抜けてもたれかかるように俺の腕にすがりついてきた。
中の締めつけ具合から一度イッたのだと察することができた。
そこまでしてやっとはじめて瞳から大粒の涙をこぼした。口が自然と笑みの形に変わり甘い声で鳴く。
しかし苦しみから解放されたというよりは、より深いところに引きずりこまれてきたという感じだった。もういつ弱音を吐いてもおかしくないような状況に見えた。

「や…だッ…や、め…んうぅ…ひぁ…ッ…」

俺の腹の上に手を置いて自ら体をくねらせながら、拒絶の言葉を呪文のように呟き続けていた。もうとっくに理性はとんでいるはずなのに、本当にしぶといなと思った。
だが人はなにか一つでも心の拠り所があるほうが強いのは知っている。
きっとそういう類のものがコイツにもあるのだ。
俺にはないが。
そんなものは必要なかったしいらないと思ってきたが、この様子を見て少し羨ましく感じた。
すべてを暴力で押し切ってきた俺には心の拠り所などなにもなかったし、手に入れたとしても壊れてしまうのだからいらないと思ったのだ。

「あぁだめだ。全然だめだ。俺は手前には勝てない。こうすることでしか勝てないんだよッ!」
「あ、あーーーッ…ん、うぅ…っ…シズ、ちゃ…ん?」

また迸りを放ったの後に、一瞬だけ正気を取り戻しかけたのか俺の名前を呼んだがその表情はは悪意などなく純粋に笑っていた。

ふわり、と綺麗に笑ったのだ。



「ふ、ざけんな……ッ!!」

「ひやあぁ…ッ、うぅは…ああぁううんうぅ……ッ!」


瞬時に怒りと欲望が臨界点を突破し怒鳴り散らしながら腰を浮かせて、存分に白濁液を流しこんだ。

「あ、つ…ッ……や、だぁ……っ……ふふっ…」

虚空をぼんやりとみつめながら、壊れた人形のように俺には決して向けないはずの笑みを惜しげもなく晒していた。


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